若者を殺すのは誰か? (扶桑社新書)
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年金や医療・介護などの「社会保障費」だけでなく、1000兆円以上もの「国の借金」
なども含めた「生涯における受益と負担(純受益額)」の差額は、30代と60歳以上の世代で
6077万円と試算された。
この「世代間格差」は今もますます拡大している。
このツケは、現役世代や若者、そして未来を担う私たちの子どもや将来世代に
押し付けられることは間違いない。
2009年の衆院選で、長く政権の座にいた自民党は野に下り、民主党が圧勝し政権交代が
起きた。しかし、「反・自民」という旗印のもとに集った連立政権は迷走に次ぐ迷走を続け、
彼ら民主党の掲げた「反・構造改革」や「行きすぎた市場主義からの脱却」といった
スローガンには、何の中身もなかったことが白日の下に晒された。
橋下徹氏率いる日本維新の会、そして石原慎太郎・東京都知事による石原新党など、
来る衆院解散総選挙への関心が高まる今、日本が抱える問題点や、現役世代や若者、
そして将来世代を追い詰めているのは誰なのかを考える、ビジネスパーソン必読の書!
というのは紹介文で、ありていに言うと、SPA!連載の初の単行本化である。
連載の単行本化といっても、そのまま並べても本になんてならないわけで、あれこれ手を
入れないといけない。週刊・東洋経済の連載の時もそうだったけどそれがメチャクチャしんどいので
個人的にはあまり乗り気ではなかったのだが
「編集側できっちりサポートするので大丈夫ですよ極力お手間はかけませんから」
とか言われてOKしたものの、いざはじめてみると自分でやらないと気が済まない性分なので
結局オリジナルの半分以上リライトしてしまった。
というわけで、結果的に書き下ろしレベルにはまとまっていると思う。
SPA読んでたけどグラビアしか見てないやという紳士にも、
表紙が恥ずかしかったから手に取れなかったという淑女にもおススメの一冊だ。
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その中には嘘っぱちも言われていて、「国の借金は団塊世代がふくらませた。この借金のツケが若者にまわり若者は国の借金をかえさなければいけないかわいそうな世代なんだ」という論も盛んにとかれていました。2010年になると中野剛志らがそのへんの話をあばいていて、構造改革的な人のいう国の借金っていうのは円だての国内債のことを指しているらしく、それって日銀が紙幣をすればデフレと一緒に解消できるのでデフレのときにそれをやればよいだけで大した話じゃないとあっさり一蹴してしまった。
今では公共事業を盛んにやってマクロ経済を成長させれば若者も老人も生活がよくなってなんとかなるんじゃないかというのが2010年代の主張になるかと思いますが、おそらくマクロでの経済成長、ミクロ(個人単位)での経済成長がはたして同じものなのかが今後問われるのだろうと思いますね。
ようするに、公共事業とはいってもそれは土木やIT通信ですから一次受け二次受け三次受けの会社間ピラミッドが露骨にできあがっているわけです。ユーザにぶらさがる形でメーカーがあるわけで、メーカーの人間っていうのはそういう閉塞感が嫌で雇用流動化だなんだと駄々をこねている。
そのようないろいろな種類の閉塞感をマクロ経済で吸収できるのか、大人になりなさい別にそれで便利な生活はできているでしょ仕事とはそういうものですと別に吸収すべきでもないかはこれから決まっていくのだろうと、思います。