ブロゴスで興味深い記事を発見。
「就活ぶっこわせ」デモはどこに向うのだろうか
基本的にはまったくもってその通りなのだが、一点だけフォローしておこう。

たしかに新卒一括採用(と終身雇用・年功序列カルチャー)が消えると、若いほど就職では
不利になる。全部中途面接になるようなものだから、5年以上実務を経験している人材と同じ土俵
では、ピカピカの新人は分が悪いのだ。

とはいえ、それは年齢給がまったく存在しない場合の話。
官庁から企業まで、世の中がすべて職務給で回っていて「Aという仕事、年収500万円で募集します」
という求人に対して、50歳のベテランと20代の学生が共に応募した場合に後者が不利になりますよ
という話。

逆にいうと、50歳のベテランはちゃんと職務給ベースで自身の専門性を育成されていないといけない。
さて、周囲を見渡してみて、そういう中高年がきちんと育っている企業が、はたして日本にどれだけ
あるだろうか。もちろん、その専門性というのは1社限定のガラパゴスチックなものではなく、ある程度は
他社へ行っても通用するくらいには共通規格化されていないといけない。
恐らく、そんな会社はほとんどゼロというのが実態だろう。

というわけで、仮に解雇規制を緩和しても、少なくとも世の中に職務給が普及するまで
(つまり年齢給の残滓が消え去るまで)若者が不利になることはない。
キャリアを積んだ中高年達がバンバン転職するようになるまで、日本企業は人件費の安い若者を
優先して採り続けるだろう。


というわけで、さしあたっては今の学生が「就活ぶっこわせデモ」をするのは、それはそれで合理的
だと考える。

さて、ひょっとすると読者の中には、上記の文を読んで
「規制緩和すると将来的に自分達がすごく不利になるんなら、これからも終身雇用のままでいいや」
と思っている中学生もいるかもしれない。

ずっと先に就職活動する世代のことを考えても、筆者はやはり終身雇用は破棄すべきだと考える。
というのも、企業自体がもはや終身雇用に意義を見出してはいないから。
実際、パナソニックのように、国内の雇用の硬直性を理由に、新規採用の8割を海外にシフトする
大手製造業もある。このまま惰性で終身雇用にすがり続ければ、国内の椅子はさらに減ることになる。
相手が外国人か中高年かの違いはあれど、若者が熾烈な競争に巻き込まれることはもう避けられない。
だったら、せめて規制緩和して国内に残せるものは残したら?というのが筆者の意見だ。

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