リーブ21の社長公募が話題となっている。
社長公募と言えば、外務省キャリア官僚を社長として採用したユーシンのケースも記憶に新しい。

ただの宣伝目的だと言っている人も多いが、個人的には結構本気で募集していると思う。
というのも、実は日本企業は慢性的な社長不足だから。

エグゼクティブサーチのヘッドハンター曰く、そこそこの規模の外資が経営者をリクルート
しようとした場合、候補者のプールは100人いないらしい。
以前、アップル日本法人の元代表の原田氏が日本マクドナルドのトップに就任して
「マックからマックへ」と話題になったが、グローバル企業のトップが務まる人材なんて、
そうそういないということだ。

そう考えると、広く門戸を開放して募集するのは十分合理的だろう。
もちろん、宣伝効果というオマケもある。

ところで、ここから見えてくる日本企業の現状は以下の2点。

・組織内で社長業が務まる人材が上手く育成できていない

ユニクロのように、後継者育成で苦労している大手も珍しくない。
現状の一直線型キャリアパスが上手く機能していないためだ。
長期雇用で自社の現場に特化した人材は育成出来ても、マネジメントまでカバーできる人材、
それも柔軟性のある若い人材の育成が困難だということだろう。

・社長をはじめとする経営陣ポストは、もはやゴールではなくなった

当たり前の話だが、社長だけが“役割化”しつつあるのではなくて、事業部長、部課長、
そして主任クラスにいたるまで、この組織内全体が役割化のトレンドにある。

ゆくゆくは入り口から専門職とマネジメントとその他というコースに分かれ、最終的には
職務給に移行することになるだろう。
それが定着するまでは、社長の公募というのは意外に人気のあるスタイルとなるかもしれない。
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