今週のメルマガ前半部の紹介です。
先日、SNS上でこんな投稿がバズっているのを見かけました。



高校は重要かつ公立校出身者の評価が高いという点は筆者も同意見です。実は昔から人事担当の間ではそうした声は一定数ありますね。

特に理系は地方公立校の評価がおしなべて高い印象があります。

そういえば10年くらい前に某週刊誌から「有名進学校の方が有利って聞いたんですが」という取材があって、「いやそんなこと言ってる人会ったことないですね。逆に地方の公立校出身者の方が評価高いって人ならいますけど」って言ったらボツにされたことありましたね。

カチンときたので勝手に添削してやりましたが(苦笑)

【参考リンク】「やっぱり有名進学校出身の同級生には勝てないなあ」と思ったときに読む話

では、日本企業は公立校出身者のどこを“評価”しているんでしょうか。そして、その風潮は今後も続いていくのでしょうか。

いい機会なのでまとめたいと思います。


JTCが公立校出身者を好むわけ


昔からそうですが、進学校というのはそれぞれがターゲットとする大学受験をゴールとし、最も効率的なカリキュラムを提供しています。

東大や早慶、医学部受験といったゴールに向け、最大限効率化されたツールが揃えられているわけです。

だいたい一年くらい前倒しで学習し、進研模試みたいな一般の共通テストでは1学年上(人によっては2年上も)のテストを受験する学校も多いですね。

普通の公立校の生徒で全国模試受けて偏差値70くらいあったのになぜか東大も早慶もダメでした、みたいなのはこれが原因です。

また有名進学校でなくても都市部在住であれば、それぞれの受験ニーズに対応した塾や予備校という選択肢がいくらでも利用できます。

一方、これが地方公立校だと選択肢なんて日々の授業をこつこつやる以外にほぼないわけです。

東大とか医学部行きたかったら自分で赤本でも買って独学でやる以外にありません。教師に聞いたってそんな問題解けっこないですから。

そういう意味では、学校の成績だけで入学できる学校推薦枠は地方公立校の生徒にとっては非常に重要なルートだったりします。

一方、採用する側の日本企業の現場はどういった環境でしょうか。

メンバーシップ型雇用の日本企業では、採用時点では具体的な配属先は確定しておらず、配属後もローテーションで複数の職を経験する可能性が高いです。

日々の業務も会社都合で上から与えられたものをその都度こなしていくことが求められます。

重要なのは「会社から与えられた業務はなんでもどこででも何時まででもやる」という徹底した受けの姿勢ですね。だから“総合職”っていうんですよ。なんでもやるから。

一々「こんな仕事に意味あるの?」とか「自分の理想とするキャリアとは全然関係ないじゃん」なんて疑問を持っちゃいけないんです。

では、さきの2つの育成ルートで育ってきた人材、どちらがメンバーシップ型の組織にフィットするでしょうか。

最も合理的なプロセスを最短ルートで駆け抜けてきた進学校でしょうか。もちろんそういうタイプが活きる場面もあるでしょう。

でも多くの人事担当は、どこに配属されてどんな仕事を与えられても嫌な顔一つせずにこつこつこなしてくれるのは「授業で教えられた授業をコツコツこなしてそこそこの成績をとってきたバランス型の人材だ」と考えるでしょう。

そういうタイプが多いのが、地方で地域の秀才が集まる公立校ということですね。

要するに、公立校の一見すると非効率で何のためにあるのかわからないようなカリキュラムは、あれはあれで日本型雇用とマッチしているということです。

「古文漢文なんて受験でも生きていくうえでも必要ないぜ!」っていうのはそうかもですが、会社の中には古文漢文並みに意味不明な仕事がいっぱいありますから。






以降、
日本企業の採用基準の変遷
これから企業に評価される人材






※詳細はメルマガにて(夜間飛行)







Q:「採用担当で異業種への転職を検討中です」
→A:「キャリアの今後を考えるといいタイミングでしょう」



Q:「働きながら大学院入学はアリ?」
→A:「上司が言うくらいだからなにがしかの意味はあるんでしょう」





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