今週のメルマガ前半部の紹介です。

文春がまたいなば食品の記事を出したんですが、その中でいなばトップによる
「マイナビ側からいなば社員の誰がマイナビ登録して転職活動中なのか、情報提供があった。該当者は覚悟しろよ」
的な恫喝メールの存在が明らかとなり波紋を呼んでいます。


【参考リンク】〈弊社の事実誤認〉と謝罪 「マイナビに聞いた」いなば食品社長が転職希望者に送った“恫喝メール”の内容《マイナビ側はメールの内容を完全否定》


結論から言うと、さすがにそれはないんじゃないかなと言うのが筆者のスタンスです。転職サイトの登録情報が所属に筒抜けなんて、企業価値の根幹にかかわることですからね。

営業担当者が個人レベルで何らかのコンプラ違反をやってしまった可能性はゼロではないですが、普通はそんなことやったらどうなるかくらい想像できるでしょう。

自分が営業マンだった場合を想像してください。

個人情報渡せって強要してくるようなヤバい奴が「だいじょうぶ。ちょっと見るだけだから、絶対何もしないから」って言ったって信じられるわけないでしょう(苦笑)

テロリストに核兵器渡すようなものです。

あとはいなば側のその後のアプローチも雑すぎますね。やっちゃいけない行為てんこもりで、研修のテキストに載せたいくらいです。

いなばがやった「やってはいけないこと」とは何か。また会社が本気で離職者を抑制しようと思ったら何をすべきなのか。

良い機会なのでまとめておきましょう。


「誰がやったかわかってます」という時はだいたい誰がやったかはわかってない


まず、筆者がいなばの対応が雑だなあと感じた理由。

仮に「〇〇が転職したがっている」というネタが(会社の端末から転職情報にアクセスしていた等、合法的な手段で)上がってきたとします。普通は会社は何もしません。

目標管理の項目に部下の歩留まりを入れられている上司は何らかの慰留はするかもしれませんけど、人事部や会社が組織として何かするということはないです。だいたい忙しいですし。

ただ、仮にそれが「絶対に辞められては困るような優秀者」なら、会社は上司を通じてそれとなくアプローチし、処遇の見直しで手打ちを図ろうとするはず。

何が不満なのかをヒアリングし、賃金テーブル上で可能な範囲での(たぶん翌春からの)賃上げや、希望する部署への異動を約束して引き留めようとするはずです。

そしてそれらはすべて水面下で行われるでしょう。

なぜか。まず優秀者が転職したがっているという事実自体が組織全体にとってはネガティブですから、極力知られないようにしたいものなんです。

「え?うちの事業部の稼ぎ頭である〇〇さん、転職しようとしてるの!?」

なんてうわさが広がったらその気の無い人まで動揺しかねませんから。

そういう意味では、わざわざトップがメールで全従業員に周知するなんて完全に頭がおかしいです。

そして、交渉して慰留したという事実もまた、会社側としてはできれば知られたくはないでしょう。
「俺も俺も」と後に続くものが続出しますから。

ちなみに筆者は常々ビジネスパーソンは会社と交渉できる人材になろうと言ってますけど、会社としてはそういうことをするのは本当に一部の優秀者だけにとどめたいと考えているものです。

それでもトップがアホで、冒頭のような趣旨のメールを出してしまったら何が起こるか。

「どうやら〇〇さんが転職するらしい」「いや、××さんらしいぞ」という疑心暗鬼が社内に蔓延することになります。

そして最終的には
「うちの会社、何かやばいのかな」
という流れになって見事に士気低下にいたることになります。

そして、そういうメールを出してしまうということからは、恐らく確たる情報など最初から握ってはいないのだろうと予想されます。要ははったりかましてるだけですね。

昔ネット掲示板で流行った言葉で「知り合いのスーパーハッカー」というのがありました。

「知り合いのスーパーハッカーに頼んだからお前の名前も住所も全部わかったぞ~」
といってはったりふかす奴。

筆者は久々にそれを思い出しましたね(苦笑)






以降、
逃がさないのではなく、逃げたいと思わせないような組織作りを
組織も個人も、昭和脳から脱却を







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Q:「チームリーダーになることはエキスパート型のキャリアとしてプラスか?」
→A:「一度やってみても損はないでしょう」



Q:「採用の早期化は誰にメリットが?」
→A:「ゆくゆくは採用権を人事部が手放すしかないでしょう」




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