今週のメルマガ前半部の紹介です。
先日、こんなほのぼのニュースがありました。


【参考リンク】係長がゲーム三昧で職場は回っていたのか? 業務用パソコンで「ソリティア」 横浜市職員を懲戒 ゲームのための休日出勤も


筆者も本件に対してtwitterでコメントしたんですが意外に反響が大きかったですね。


反応を見るに、「自分の職場にも同様の人がいる。なんとかしてほしい」から「邪魔にならないなら別にいい」までさまざまでしたが、総じて「日本企業ではよく見る光景」といった評価のように感じました。

なぜ、いい年のオッサンがソリティアにはまるんでしょうか。

なぜ組織はそうした中高年を見て見ぬふりをしているんでしょうか。いい機会なのでまとめておきましょう。


社内失業者が最後に行き着く先、それがソリティア


まず、いい年したおっさんがソリティアやりこむ理由ですが、要は暇つぶしですね。
なんで暇なのかというと、人事制度的にはもう上がり目がないですから。新しいことに挑戦したり成長するメリットなんてなにもないからです。

また、年功賃金はそれなりにもらっていてそれは原則下がらないので、暇さえ何とかすれば定年まで食えるわけです。

年功序列の人事制度では、主任や係長、部課長くらいまでは一応競争はあるんですが、だいたい40代前半までには出世競争は白黒つくものです。

役員以上を目指すようなエリートを別にすれば、40代半ばには過半数の人が消化試合モードになるのが日本企業では普通ですね。

「ゲームで時間をつぶす」というのは極端なケースとしても、「周囲にバレないように暇をつぶしている」「最低限言われたこと以外はやらずに省エネモードで働いている」という寝そべり族みたいな人は多いでしょう。

余談ですが、昔からゲームで時間潰す人ってなぜかソリティアなんですよね。マインスイーパとかは聞いたことないですね。たぶんソリティアって、そういう孤独な中高年を引き付ける何かがあるんでしょうね。

では、なぜ組織はそういう人間を放置しているのでしょうか。実は管理部門にはそういう人間を「なんとかしてほしい」といったタレコミは結構あるものなんですが、人事部が強権発動して何とかしたという話はとんと聞いたことが無いですね。

というのも、会社側はそういうオジサンの存在は必要悪だと割り切っているからです。

仕事に値札が付いているジョブ型(職務給)と違い、日本の年功賃金は個人の能力に値札が付く属人給です。

実際はともかく、勤続年数と共に経験や能力が蓄積されるから年々上がっていくのだ、というロジックです。

だから、能力はあったとしても実際にそれだけの仕事をしているかは別ものなんですね。

むしろ「会社側が配属から異動まですべて権限を握っている以上、仮に能力があるのに仕事が無い状態の人間がいても、それは適材適所が出来てない会社側の責任だろう」という考えの人は、今でも労組はもちろん、人事部門の中にも割といますね。

というわけで、普通の日本企業では、よほど目に余る行為をしていない限りは、仕事の無い人は放置される傾向が強かったです。今までは。

最後に一点だけフォロー。

今回の一件で「だから役所はダメなのだ」みたいなことを言ってる人が結構いたんですが、個人的にはむしろ役所の方がまだ状況はマシだなという印象ですね。

確かに、競合相手があるわけでもなく、業績が賞与に反映されるでもない役所の方が“ぬるい”のは事実でしょう。

だから、ソリティアやってる人間が発生する余地も民よりは大きいのかもしれません。

一方、これが民間だと「暇だから時間をつぶしている」なんて雰囲気的に許されません(というとみんな経営目線を持っていると勘違いする人もいそうですけど、どっちかというとムラ社会のノリに近いです)。

結果、そうした状況になってしまった人達は一生懸命仕事を作ることになります。

意味のない会議や、誰が必要としているのかわからない資料などは、たいてい誰かが「やってるふり」をするためにオーダーされてるものですね。

もちろん、そういう仕事は“やってる感”を出すために周囲を巻き込んでなんぼなわけです。多くの人を巻き込めば巻き込むほどに「お、あいつ頑張ってるな」と偉い人からは見えるからですね。

どっちみち仕事しないんなら、一人でソリティアやっててくれた方が100倍マシと思うのは筆者だけでしょうか。






以降、
“消化試合”を生むのは人ではなく制度
時間とは潰すものではなく有効に活用すべきものである







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Q:「中国人って本当にみんな猛烈社員なんでしょうか?」
→A:「日本人もかつてはそう呼ばれてましたね」



Q:「なんで連合って天引きに声を上げないんでしょうか」
→A:「一応、その役割を担うのが民主党だったんですけどね……」






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