野党の候補者ってなんでヤバイ人が多いの?と思った時に読む話

今週のメルマガ前半部の紹介です。
参院選が近づくにつれ、各党の公認候補をめぐるドラマが繰り広げられています。まさに人生劇場!まあ毎回なにかしらのサプライズはあるものなんですが今回はホント色々ありますね。

特に一番そういうのと無縁そうだった某党なんて「よりによってなんでその人連れてくるかな……」みたいな候補を連発、上り調子だった支持率が一転して急降下するという惨状を呈しています。

しかも公認取り消された側はタタリ神になっちゃってるし。



【参考リンク】山尾志桜里氏 批判込める「国民民主党ですら選挙を前にしたら…」無所属で出馬 第一声で


というわけで、今回は立候補というプロセスをキャリアパスの観点から考察してみたいと思います。

実は選挙というのは労働市場の写し鏡だというのが筆者の持論だったりします。


華やかな成功、挫折、そして限界左翼村へ


個人的に一番サプライズだったのは、社民党から立候補したラサール石井でしょう。



【参考リンク】「決して許される内容ではない」ラサール石井の14年前のセクハラ暴言を社民党は断罪…それでも「擁立した理由」


とはいえ、SNSを流れてくる氏の発言を読んでた人からすれば、これほどわかりやすい展開もないでしょうね。

というのも、氏のここ数年の言動は「キャリア的に行き詰まった電波芸人特有のもの」であり、そうした言動を評価してくれるオールド左翼層の中でなにがしかのポジションを得るためのツールだったからです。

もし氏がSNS上で政治的発言をしていなかったら。たぶんほとんどの人はラサール石井なんて名前はとっくに忘れていたんじゃないですかね。

どんなにしょうもない発言であってもSNSで垂れ流してれば、こたつライターがスポーツ新聞の一本3千円くらいの記事のネタに使ってくれるから一応メディアに名前は流れるわけですよ。

与党の大物政治家なんかを批評すれば、それがどんなに中身がないイチャモンでも、東京新聞あたりが社会面の穴埋めに名前出してくれたりするわけです。

そうやって地道に知名度をキープできていると、こうして老舗左派政党からお呼びがかかるわけです。

まあどうせもうすぐ消滅する社民党だし本人も落選するんでしょうけど、今後はプロフに元芸人じゃなくて“政治家”とか“社民党候補”とかつくから、老人左翼界隈の中ではステージが上がることになります。なにがしかの仕事の機会も増えるはず。

要するにラサール石井氏は、限界左翼村の名誉村民として第二の人生を再スタートできるわけです。

ちなみに立候補するとテレビやラジオの出演は自粛するものですけど、氏についてはその心配はいらないのは言うまでもありません。

意外と気づいてない人も多いんですが、実はこの「限界左翼村へのキャリアパス」というのは結構メジャーで、過去何人もの夢破れた勇者たちがたどった道でもあります。

記憶に新しいところでは、経産省を辞して報道ステーションのコメンテーターとして世に出るも、リストラされることが決まって逆切れ、あろうことか報ステ生放送中に「政権の圧力がありました」と大暴走した古賀茂明氏がそうですね。

(そんなことありえないのに政権に屈したとされ)メンツをつぶされたテレ朝は激怒しましたが、氏は今でも左翼媒体を中心に連載やコメントで一定のニーズのある名誉村民です。

あとは、天下り斡旋で文科省事務次官の座(及びその後の天下り利権)を没収された前川喜平氏も忘れるわけにはいきません。



【参考リンク】文科事務次官、引責辞任へ


その後はせっせと左翼活動に精を出し、市民グループからテレビ朝日HDの社外取締役に推薦される存在にまでなっていて、いまや「限界左翼村の文部大臣」と言ってもいい存在でしょう。

それにしても、氏が文科省在職時に出会い系カフェ「ラブオンザビーチ」に通い詰めていたと報道された際の「(若い貧困女子限定で)ヒアリングをやっていただけ」という言い訳を受け入れるんだから、限界左翼村って完全に頭がおかしいよほど心が広い方々なんですね。


まあ公平を期すために付け加えておくと、限界左翼村にも一応は基準みたいなものはあるらしく、受け入れてもらえなかった人もいますね。

20年くらい前に当時売れっ子エコノミストで地上波から経済誌まででずっぱりだった植草氏は、とある迷惑防止条例違反で2回捕まった後に陰謀業界デビューして政権批判を展開しましたけど、結局表舞台には浮上できませんでした。

セクハラ発言まではOKでも、「手鏡持って現行犯逮捕」だとアウトっていうのが限界左翼村の線引きなんでしょうね。




以降、
中道が売りの国民民主党に危ない候補が集う理由
政党公認候補は日本の労働市場を移す鏡




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Q:「『文系・大卒・30歳以上』がクビになる、という本がすごいです」
→A:「読んだ記憶があるような……」



Q:「国民民主党の勢いは本物でしょうか?」
→A:「野党の立場でモノが言えない人は、与党になったらもっと言えなくなります」



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国民年金だけだと老後予算が5500万円不足するって本当なの?と思った時に読む話

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先日、TBSのNスタで放送された老後の必要資金に関する特集がネットでも反響を呼んでいました。

特に「国民年金のみで賃貸暮らしだと5500万円以上必要となる」という点が多くの人たちにグサグサ刺さったみたいです。

【参考リンク】



元動画リンク



レスを流し見した感じだと「どう考えても自営業で5500万円は無理ゲーだろう」「やはり手厚い厚生年金のあるサラリーマンは勝ち組だ」といった意見が主流のようです。

果たして自営業者の老後は本当に詰んでるのでしょうか。そして、サラリーマンの定年後には何が待っているんでしょうか。

いい機会なのでまとめておきましょう。


そもそも「老後は年金だけでやっていこう」と考えている自営業なんてまずいない


では、実際に国民年金だけだと老後は詰むのか。結論から言えば(賃貸、持ち家に関わらず)人によるとしか言えませんね。

ただ、一つだけ言えるのは、少なくとも自営業で「老後は年金だけでやっていけるから大丈夫」なんて考えている人は一人もいないということです。

だから、少なくとも彼らは腹はくくっています。そして、そのための準備も心掛けてはいます。それが実際に出来ているかは人による、ということですね。

彼ら自営業がそういうスタイルなのは、以下のような特徴があるからです。


・国民年金だけで生きていけるとは誰も考えてない

現在の国民年金の保険料は月17,510円の定額で、受け取れる年金額も69,308円ですから、最初からそれだけで生きていけるなんて誰も考えちゃいませんね。


・そもそも定年がない

サラリーマンと違って定年のない彼らは、体が動く限りは働けます。飲食店で80代の店主なんて全然普通です。

たとえば蕎麦屋を80歳まで続け、年平均で350万円ほどの所得があったとすると、上記の表にある「5500万円」という数字は実はあらかたまかなえてしまう計算になります。


・自分で資産形成する余地がある

厚生年金と健康保険に強制的に加入させられ約30%の保険料が天引きされるサラリーマンと違い、彼らは国民年金と自治体ごとに異なる国民健康保険(一部の業種は国民健康保険組合)に加入しています。

国民年金は定額だし、確定申告でいろいろ調整できるので国保もそこまでの負担感はないはず。

結果、確かに受け取る年金額は少ないかもしれませんが、その分、自分で老後に備えて資産を形成する余地は勤め人より多いんですね。

まとめると、老後は年金だけでは生きていけないと早いうちから腹をくくり、体が動くうちは働くぞと手に職をつけたり自己節制をし、入ってくるだけ使うのではなしに貯金でも運用でもかまわないのでそっちに回しておく。

それが出来ているなら、少なくともそう簡単に老後に詰むなんてことはないだろうというのが筆者の見方ですね。それってそんなハードルの高い話でもないでしょう(苦笑)


そういう意味では、自営業よりもっと危機感を持つべき人は他にいるでしょう。

というのも、わが国には払い込まれた保険料を本来の目的外のことに流用していたり、給付の一方的な切り下げを繰り返したりしている超悪質保険があるから。

そこにどっぷり首まで漬かって、完全に老後の生殺与奪の権を握られてしまっているという人こそ、危機感を抱くべきじゃあないでしょうか。

その超悪質な保険とは公的保険であり、やっているのは国ですね。そして危機感を持つべきなのはサラリーマンです。

そうそう、つい先日もサラリーマンの社会保険料の“流用”が決まったばかり。これが上手くいっちゃうと年金官僚も政治家も味をしめてまたあれこれ理由をつけて流用しまくるんじゃないでしょうか。





 底上げ策は「厚生年金の流用」との批判があり、参院選を控える政府・与党が法案の提出前に削除した経緯がある。少数与党の自民、公明両党は、底上げ策が削除された法案を「あんこのないあんパン」と批判していた立憲と協議し、「復活」させることで合意。衆院で、3党が修正案を提出し、反映した法案が可決された。


ちなみにその“横領”でボロボロの国民年金を延命してもらえ、基礎年金部分の底上げまでしてもらえる国民年金受給者はトクをする側です。やっぱりサラリーマンこそ危機感マックスで持つべきですね。





以降、
老後の資金不足問題がサラリーマンにとって死活問題であるわけ
ポスト終身雇用の人生設計







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Q:「今後のことを考えると管理職を経験しておくべきでしょうか?」
→A:「管理職という職歴があるだけで反応は変わってきますね」



Q:「内定2社出ましたが、どちらにすべき?」
→A:「こっちがいい、と思った方が正解でしょう」




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どうして“静かな退職”って流行ってるの?と思った時に読む話

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最近、メディアで「静かな退職」なる言葉を目にする機会が増えました。要するに、在籍は続けるけれども出世や昇給目指してあくせく働くのではなく、最低限のことしかやろうとしない働きかたを選択する人たちのことですね。








なぜ彼らは頑張ることを諦めてしまうんでしょうか。そして、なぜ今、そうした働き方、生き方がクローズアップされているんでしょうか。

いい機会なのでまとめておきましょう。


転職では問題が解決しないわけ


筆者は静かな退職浸透の理由は大きく分けて2点あると考えています。

まずはなんといっても日本企業の人事制度の問題でしょう。

これまで何度か言及してきましたが、日本企業で一般的な年功序列制度においては、多くの人の出世競争は実質的に40歳前後、ポストでいうと課長職あたりで終了します。

もちろんそこからさらに課長→部長→本部長みたいに上がっていく人もいますがごく一部で、大半の人は課長かヒラでキャリアの白黒がついてしまうわけです。

するとそこからは事実上「キャリアの消化試合」となります。まあ頑張れば多少は賞与に色付けてもらえる会社もありますが、大半の人は大なり小なり以下のようなスタンスになりますね。


・チャレンジしてももう昇給も出世もないので新しいことはやらない
・転職やスキルアップにも関心がない
・といってなにもしないわけでもなく、怒られない程度に最低限のことはやる

筆者は“省エネモード”とか“消化試合モード”と呼んでいますが、これが「静かな退職」の本質でしょう。

フォローしておくと、かつてのように定年が55歳で、しかも年々売り上げも組織も右肩上がりで大きくなっていた時代だったらそれでも問題なかったんでしょう。

大卒者ならほぼもれなく課長以上に出世出来たからまだまだ40代以上でもギラギラしていた人が多かったし、省エネモードに突入してしまっても、せいぜい55歳定年までの10年ちょっとで済みますから。

90年代以前にも消化試合モードの人はいるにはいましたけど、ニュースになるほどの規模ではありませんでしたね。

でも、21世紀の現在、日本企業を巡る環境はがらりと変わってしまいました。実質的な定年は65歳に延び、政府は70歳への引き上げも視野に入れ始めています。

にもかかわらずどの業種でも組織のフラット化、効率化がすすめられポストは慢性的に不足、多くの人間が早々に消化試合モードに突入することを余儀なくなれます。

環境の変化に人事制度が対応できていない結果、望まずとも静かな退職を選択せざるをえない人達が増えてしまったということでしょう。

ただ、一つ疑問が残ります。なぜ、彼らは転職という選択肢をとらないんでしょうか。

「ゼネラリストとして育成されてしまったため、転職したくても出来ない」という人もいるんでしょうが、筆者はそこには別の事情があると見ています。

それが2つめの理由で、一言でいうと「社会保険料の過重な負担」です。

筆者は10年以上前から一貫して「サラリーマンの社会保険料ぼったくられすぎ問題」を唱えているので実感としてよくわかるんですが、この5年ほどで急激にサラリーマンのこの問題への認知が高まりましたね。

10年前には「労使折半なんて嘘だから。全部サラリーマン本人の負担だから」といってもほとんどの人は「??」みたいなリアクションでしたけど、今は「会社負担分も合わせれば我々の実質的な社会保険料負担は30%だ」と言っている人は普通にいますから。

そうそう、つい先日衆院で可決された年金改革法案(例のサラリーマンの積み立てている厚生年金保険料を流用して基礎年金全体の底上げをするやつ)に対し、激怒したサラリーマンが(連合の支援を受ける身でありながら法案支持にまわった)立憲民主党に抗議の電話をかけまくっているとのこと。





たぶん議員も年金官僚もビックリしているんじゃないでしょうか。これまで負担をおしつけ放題だった「物言わぬサラリーマン」が急に怒りの声を上げ始めたわけで。

従来は気付かなかった負担が可視化されることで、

→今までは前向きに働いていた層にも「今の仕事は割に合わない」と感じる割合が拡大する

→「どうせこれ以上頑張ったって天引きされる金額が増えるだけだろう。だったら最低限のことだけやってやり過ごそう」と考える層が拡大する

というのが、静かな退職のトレンドが加速している理由だというのが筆者の見立てです。

そう考えると、転職が最初から選択肢に入っていないことも説明がつきますね。転職したって日本で正社員として働く以上、天引きから逃げられるわけではないですから。

要するに「日本という国でマトモに働くことがバカらしくなった人達が増えている」というのが、静かな退職問題の本質だと言えるでしょう。




以降、
一方、若手の間で広がる静かな退職とは
オススメは「静かな退職」よりも「静かなプロフェッショナル化」






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Q:「中途入社ですが入社後に上司と交渉は可能ですか?」
→A:「まずは交渉可能かどうかの確認を。次の転職は慎重を期すべき」



Q:「技能職から総務人事への異動について」
→A:「具体的な役割をイメージしてもらうといいかもしれません」





おすすめ書評
「100年予測―世界最強のインテリジェンス企業が示す未来覇権地図」






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日本企業ってなぜ人が足りないくらいがちょうどいいの?と思った時に読む話

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先日、リストラ計画を発表した際のパナソニック社長の「人は足りないくらいでちょうどいい」という発言が話題となりました。

筆者もそれに関連して以下のような投稿をしたら予想以上の反響がありましたね。





あと別件ですがこっちもバズってます。





実は、「慢性的な人手不足」と「有給がなかなか取れない状態」というのは、終身雇用とは切っても切れない関係で、一種の風物詩みたいなものなんですね。

とはいえ、筆者以外に指摘している人がほとんどいない話なので、まだまだ知らない人も多いんでしょう。というわけで、いい機会なのでまとめておきましょう。

このタイミングなら、キャリア的な次の一手の参考にもなるはずです。


日本企業が雇用調整する方法


採用時に具体的な仕事内容を職務記述書で取り決めるジョブ型では、後から極端に業務量が増えるということは基本ありません。

突発的な繁忙期はありますが、職場のみんなが徹夜や休日出勤しなければならないような状況が続くなら、新規採用で対応するためです。

一方、わが日本国においては、突発的な繁忙期にくわえ、あらかじめ予想される繁忙期に対しても新規採用は控えられ、かわりに今いる従業員が残業で対応することになります。

恐らくほとんどの人が「年に数回の繁忙期があり、その時期は月100時間くらいは残業しないと回らない」という状況に身に覚えがあるはず。

でもあらかじめ繁忙期がわかっていても人員は増やされず、むしろ暇なときにちょうどよいくらいの人数しか配置されていないでしょう。

なぜか。それは終身雇用を維持するためなんですね。繁忙期にいちいち人増やしてたら、暇になったら誰かを解雇しないといけませんから。

人を増やしたり減らしたりする代わりに、残業を増やしたり減らしたりして雇用調整しているわけです。

だから、日本では会社側はもちろん、労組も長時間残業には基本的に寛容でした。国も残業時間に上限を設けず、永く青天井で放置してきたわけです。

さらに言うなら、日本企業で一般的なメンバーシップ制度(ジョブ型と対照的に入社時に具体的な業務内容が決められておらず、仕事量も内容も流動的)も、この仕組みと密接に結びついたものです。

繁忙期にみんなが業務量を青天井で増やせるためには、最初から業務範囲を明確に線引きせず、入ってくる仕事をどんどん手の空いた人間に振れる方が便利ですからね。

たまにXなんかで「同僚が退職した穴をみんなで頑張って埋めたら、翌年に欠員補充されるどころか枠が正式に減らされた」みたいな投稿している人がいますが、あれも同じですね。

別に業務量や範囲を定めているわけではないので、皆が頑張って回せるなら(管理部門的には)「だったら普段からそれでいいじゃん」ってなってしまうわけですよ。

結果、終身雇用を柱とする日本型組織では、長い目で見ると人手不足&長時間残業が慢性化する傾向があります。

余談ですが、「Geisya」「Harakiri」と同様に英語化された日本語に「Karoshi」があります。海外でも高額年俸をもらう金融業なんかで死ぬ人はいますけど、年収600万円くらいの普通のサラリーマンが死ぬのは日本だけなので、日本にしか無い奇妙な現象として、芸者、切腹同様にそのまま英語になっているわけです。


【参考リンク】死ぬまで働く日本の若者 「karoshi」の問題


それでこの過労死ですが、言うまでもなく「残業で雇用調整する終身雇用」の副産物ですね。

まあ一か月くらいの繁忙期なら残業だけでも回るんでしょうが、半年以上、企業によっては1年以上それが続いているケースも往々にしてありますね。個人ごとに業務範囲を定めることなく、入ってくる仕事をばんばん振るうちに気づいたら誰かがぶっ壊れていた、という話です。

一応、筆者自身は15年以上前からこの問題を色んな立場の人たち(経営者、労組の偉い人、政治家、労働弁護士、プロデューサー等)に説明してきましたけど、反応はおしなべて「終身雇用を守るためだから仕方ないよね」みたいな感じですね。

そもそも50年以上前からこの問題が存在しているにも関わらず、一向に解決する気配が見えないことからは、当事者(会社、労組ともに)に本気で解決しようという意欲がないことは明らかでしょう。

そういう意味では、パナソニックトップの発言は昔ながらの日本型経営にのっとったもので、特に過激でも目新しくもありませんね。

それに対して「長時間残業ガー」とか「過労死ガー」とか言ってる人達は、いい加減問題の本質である終身雇用にメスをいれるところまで発想を広げるべきなんじゃないでしょうか。

「大変だー大変だー」って騒ぐのはもう50年やったんだからそろそろ卒業しましょうね。


日本人が有給休暇を取るのが下手くそなワケ


では、もう一つの「なぜ日本人は有給休暇が取れないのか」はどうか。

こちらは終身雇用というより、そのプラットフォームであるメンバーシップ制が理由ですね。
業務範囲があらかじめ明確化されていないと、有給休暇というのはきわめて取りづらいものなんです。

たとえば、夏休みの課題があるとします。学校側が生徒に個別に課題を与えていれば、どう取り組むかは個人の裁量次第。

「自分は最初の2週間に集中して取り組み、後半の2週間は北海道旅行に行きます」なんてことももちろん可能です。

これが、たとえば「体育館の壁一面にクラスみんなで巨大アートを描く」みたいな課題だったらどうでしょう。

基本、完成するまで夏休みの間中みんなで毎日集まってシコシコやるわけですよ。
「オレ北海道行くから後半2週間よろしくな」とか普通言えませんよね。

言うまでもなく、この「担当を割り振らず、みんなで集まってシコシコ」パターンこそ、みんな大好き終身雇用のメンバーシップ型なんです。





以降、
日本人が有給休暇を取るのが下手くそなワケ(後編)
「会社のために死ねる人間」はもう会社も必要としていない






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Q:「社内でも職種によって給与に差をつけるべきでは?」
→A:「全社員をひとくくりにすることに無理があります」



Q:「氷河期世代の“救済”って、なんか宗教っぽくないですか?」
→A:「なんか成仏させようとしてるみたいですね」



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Fラン大と高卒、どっちが幸せなの?と思ったときに読む話

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ここ数年、企業の高校卒業者に対する採用ニーズが高い伸びを示しているという記事が話題となっています。

筆者も関連してつぶやいたところ結構なレスがあって驚きました。皆さん相も変わらず学歴ネタはお好きなようで(笑)






なぜ日本企業は高卒者の採用を増やしているんでしょうか。そして、Fラン大卒業と高校卒業、果たして本当に幸せなのはどちらでしょうか。

いい機会なのでまとめておきましょう。


普通の人がFラン大に進学するメリットはゼロ


まず、企業が高卒採用を増やしている理由ですが、社会全体が緩やかにジョブ化しつつある点が大きいです。

人手不足を理由にあげる企業も多いですが、本当にそれだけが理由ならバブル期みたくFランだろうがEランだろうが、バカスカ採れば済む話。

でもそれはイヤで高卒がいいというのは、要するに現場で早いうちにジョブを叩きこもうというジョブ型の発想であり、従来のポテンシャル型の否定なわけです。

ちょっと前にJR西が高卒、大卒関係なしに同じ処遇で新卒採用をスタートさせるというニュースが話題となりましたが、本質的には同じ流れと言えるでしょう。






社会がそういう方向に進んでしまうと、今後ますますFラン大の存在意義は無くなっていくはずです。

いわばFラン大卒という学歴は「私には良い大学に行けるほどのポテンシャルも、手に職をつけるという意欲もなく、4年間プラプラしてしまいました」という負の証明書みたいなものだからですね。

ちなみに、先述のつぶやきに対してついた反論を見ていくと、以下のようなものがありました。解説がてら紹介しておきますね。

「でも高卒枠の無い企業は大卒じゃないと採用されないだろう」


大企業についてはそうですが、そもそも大手はFランク大を大卒とはみていないため、面接以前に弾かれます。

業種にもよりますけど、MARCH以上希望で、それ以下でも過去に採用実績のある大学でなければ面接までは引っ張らないという企業がほとんどでしょう。


「高専や工業高校は金の卵かもしれないが普通高校はそうでもない」



大手の中でも最も処遇の高い製造業(トヨタや新日鉄等)に採用されるのは高専や工業高校卒であり普通高校はそこまででもない、というのは確かにそうです。

ただ、仮にFラン大卒者と同じようなランクの職場に就職したとしても、普通高校を出て働いてきた人間には以下の強みがあります。

・4年間実務でスキルを磨けている
・4年分の給料(+Fラン大に払わずに済んだ4年分の学費)

それで十分でしょう。

というわけで(家業継承が決まっていて後は箔をつけるだけ、みたいな人を除いて)やはり普通の人がFラン大に行くメリットはゼロだ、というのが筆者のスタンスです。





以降、
バブル世代に無理して入社できてしまった人達はその後どうなったか
これから大卒か高卒かより重要なこと







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Q:「某社のジョブ型による賃下げは制度趣旨と矛盾してませんか?」
→A:「明らかに矛盾していますね」



Q:「すごく回り道している新人について」
→A:「まあジョブ型の影響でしょうね」



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コンサルタント及び執筆。 仕事紹介と日々の雑感。 個別の連絡は以下まで。
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