どうしてリベラルって壊滅したの?と思った時に読む話

今週のメルマガ前半部の紹介です。

先の衆院選ですが、解散決定直後のメディアの予想に反して自民党の圧勝という形に終わりました。その中でも、特にリベラル勢力の壊滅が話題となっています。

なぜ彼らは壊滅したのか。

本来のそれとは異なる和製リベラルだったからだ、冷戦の空気がいつまでたっても抜けきらない拗らせ老人だったからだ等、いろんな人がすでに分析を行っています。

たぶん、それぞれ正しいんでしょう。

でも、今回はあえて“雇用”という面から紐解いてみたいと思います。たぶんそれが、同時並行で進んでいる「日本社会のもう一つの変化」もセットで理解する近道でしょうから。


共同体の“財布”として使われてきたサラリーマン


筆者が常々言っていることですが、日本は終身雇用という形で、現役世代向けの社会保障のかなりの部分を民間企業に丸投げしてします。

解雇しやすい国だと、ちょっと○○ショックが来ただけで国中に失業者があふれ、失業給付や再就職支援、そして生活保護のような生活支援を矢継ぎ早に繰り出さないといけません。

でも我らが日本国は、コロナ禍に際しても失業率3.1%という驚異的な低位安定ぶりを誇っています。

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【参考リンク】新型コロナが雇用・就業・失業に与える影響


「労使は何があっても65歳までは雇用を守れるくらいの、ほどほどの賃金に抑えておけよ」

と、普段から厳しく民間企業に指導している賜物でしょう。

いまだに勘違いしている人が多いんですが、終身雇用制度というのは賃金を低く抑えて雇用を安定させるための仕組みです。江戸時代の贅沢禁止令みたいなもんですね。

で、ここからが本題なんですが、このサラリーマンをコアとした民営化社会保障制度は、サラリーマンだけで完結するものではなく、高齢者や自営業者の社会保障を支えるためのお手軽な財布としても政府に使われまくっています。

たとえば、国民年金の(免除、猶予を除いた)実際の納付率がたった4割だというのは割と有名な話ですが、未納で足りない分は基礎年金化を通じて事実上サラリーマンの負担している保険料でまかなわれています。

また、保険料引き上げの続く健保組合ですが、実際は支出の4割を高齢者医療向けの拠出金が占めています。



【参考リンク】高齢者医療、膨らむ現役世代の健保負担 24年度5.7%増の3.8兆円


ついでにいうと、今回惨敗した中道も「サラリーマンの年金積立金でバクチはって、儲かったらみんなの消費税減税に使おうぜ、大丈夫、俺ギャンブル強いからへーきへーき」って言ってましたが、あれも流用の一種でしょう。

言い換えるならサラリーマンというのは、何があっても失業しない程度のほどほどの給料に抑えられつつ終身雇用の柵の中に囲い込まれ、“労使折半”や“天引”といった偽装ツールで気付かれないようにそーっと搾り取られ続けているようなものでしょう。

で、そこに高齢者や自営業者や無職やニートや夜職や坊さんや反社といった非・サラリーマンが寄ってたかって寄生しているわけです。


共同体は守るな、でも共同体の社会保障は死ぬまで死守しろ、では誰もついてこない


さて、そうしたポイントを踏まえた上で日本のリベラルという集団を見てみると、実に矛盾した存在であることは明らかでしょう。

彼らの多くは日本という共同体そのものを否定し、個人がそれに優先されるべきであり、安全保障すら放棄せよと説きます。

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ちなみに、筆者はちょっと心情は理解できるんですよ。自分はどちらかというとリベラル寄りなので(少なくとも保守ではない)。

「そうだそうだ!共同体なんてどうでもいい!とりあえず個人が重要だ!というわけでとりあえず高齢者も生活保護受給者も原則3割負担!介護保険制度なんて廃止しようぜ!」

と共感しちゃう部分は割とあったりします。だって共同体なんてどうでもよくて、重要なのは個人だから。

でもね、彼らリベラルはこと社会保障になると豹変してまるで全体主義者のごとく保守化するんです。



【参考リンク】団塊老人の既得権を守る上野千鶴子さんの「自分ファースト」に非難集中


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日本の債務残高は大戦末期と同水準であり、ギリギリの綱渡り状態です。現在の日本を「社会保障という名の戦争を継続しているようなものだ」と考える人も少なくありません。

そんな中、現役世代の手取りを増やしてとか、全世代一律の3割負担にしてくれとちょっと頼んだだけで↑ですよ。

まるで大戦中の右翼じゃないですか。

「社会保障戦争の手を緩めよとか何事か!サラリーマンなら血を流し、最後の一人まで戦え!撃ちてしやまむ!」

みたいな。

で、きわめつけは、上記のような勇ましいことを言っておられるリベラルな面々が、ほぼ非・サラリーマンだということですね。

自分たちは柵の外にいて、少ない負担で社会保障の恩恵だけ享受する立場にいながら、柵の中からの社会保障見直し要求にだけは一丁前に反対する。

上の「若者と高齢者は敵じゃない いつか来た道 いつか行く道」ってビラなんて、作ってどや顔してる奴がフリーランスだと考えるとケンカ売ってるようにしか見えないんですけど(苦笑)

筆者のような雇用をベースに社会を見ている人間からすると、この辺が彼らリベラルが現役世代から毛嫌いされる理由のような気がします。


というわけで、惨敗したリベラル諸党が「現役世代の取り込み強化!」を掲げてますけど、筆者が提案するとすればシンプルに以下ですかね。

・個人の自由を尊重するなら、高齢者の負担大幅引き上げ、社会保険料の引き下げと消費税への置き換え

特に安全保障全否定するような人は75歳以上は公的保険の適用外して100%自費くらい言わないと筋が通らんでしょうね。


・社会保障という共同体の一部を重視するなら、憲法改正と再軍備宣言支持

9条破棄と核武装まで入れれば、言ってることに多少は説得力も出るんじゃないですかね。


「学生時代は安保闘争や学生運動やってたからそういうのイヤだ、でも社会保障は面倒見て欲しい」って言うんなら、リベラルの看板は降ろして党名を「団塊保守党」とか「高齢者ファースト党」とかにしてください。

新しいリベラルの看板は我々が引き取りますから。





以降、
チームみらいに吹いた追い風の正体
21世紀のリベラルとは








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Q:「就職氷河期世代の強み/メリットは?」
→A:「終身雇用に変な幻想を抱くことなく、自身の腕で勝負できたことですかね」



Q:「43歳で2度目の転職をしてみた感想」
→A:「40歳以降は年功序列もいいですが、しがらみのない職場もいいものです」





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「給料上げる金があるなら1円でも多く株主に配当しろ」と言われた時に読む話

今週のメルマガ前半部の紹介です。
先日、Xで以下の投稿が話題となりました。




発言の是非はともかくとして、とりあえず「なんだこの野郎!」と感じた善良な労働者の方々は少なくなかったはず。

では、そうした皆さんはどういう風に資本家に対抗すべきなんでしょうか。

上記についているコメントを流し読みしても、具体的な対抗策を上げている人はほぼ皆無ですね。

というわけで、今回は労働者が強欲な資本家にいかに対抗すべきかをまとめておきましょう。それさえわかれば、明日から真にやるべきことも見えてくるはずです。


労働者の唯一の武器は転職


まず、造船氏の主張そのものは、正しいか間違ってるかで言えば正しいです。

誰だって「うちの会社は従業員ファーストでどんどん賃上げしてるので業績も配当もイマイチです」みたいな会社の株は買わないでしょう。

投資ではなく、何ならそこら辺のスーパーでも「従業員や生産者に配慮して、商品は普通ですけど価格は3割ましです」みたいなところじゃ買い物なんてしないですよね。

氏が言っているのはそれと全く同じことです。

イチャモンつけてる人は「気に入らない」と言ってるだけで、もちろんそれは自由ですけど論理的な誤りは何も指摘できていませんから。

っていうか、ここで無理やり「だから奴は間違っている!」と総括してしまうことは、要は「自分は悪くない、悪いのはあいつだ」というよくある他責思考なんですね。

そうなってしまうと、もう人生はそこで行き詰まってしまうものなんです。本当の解決策が見えなくなるから。他責思考というのは袋小路なんですよ。

では本当の解決策とは何か。それは正しい武器を手に取って対抗することです。そしてそれは転職ですね。

「自分は今の給料に納得していないので退職します」といってより高給の会社に転職する。あるいは転職活動の結果、より高給の会社から得た内定をテコに会社と交渉して賃上げを勝ち取る。

そんな具合に“転職”を武器として希望の賃金水準を勝ち取ること。これが、資本や経営、そして政治に対抗する労働者の唯一の武器なんですね。

それがわかれば、明日からやるべきことは明らかでしょう。そう、それは自身の市場価値を上げる努力をすることです。Xで匿名でネチネチ文句言ったって何も解決はしませんから。

ついでに、労働者にとっての“偽の武器”についても解説しておきましょう。まずはなんといってもストライキがそうですね。

「日本人の賃金が低迷しているのは日本企業の労組がへたれでストライキをしないからだ」みたいなことを言ってる人はたまにいますね。

でも筆者に言わせれば日本のストライキこそ偽の武器の代表、竹光みたいなものですね。



【参考リンク】竹光



なぜか。ストライキの本質というのは突き詰めれば「このままスト続けて会社潰れてもかまわないよ。俺たちは別の会社で働くだけだから」というスタンスであり、流動的な労働市場を前提としてるわけです。

「一生この会社でお世話になります。何でもやるのでこれからも雇い続けてください」って普段は頭下げてる人達が徒党を組んだってやれることなんてたかが知れてるわけです。

そういえば3年ほど前にそごう・西武の労組が池袋の西武池袋店でストライキを実施しましたけど、1日で終了しましたね。



【参考リンク】西武池袋本店 デパート60年ぶりのスト



自分たちがしがみついている船上でサボタージュするのは、それが限界だということです。






以降、
もし“終身雇用”という偽の武器がなかったら
これからの時代、滅私奉公しか取り柄の無い人間はただのカモである







※詳細はメルマガにて(夜間飛行)





Q:「高卒採用の勝ち筋とは?」
→A:「がちがちに学校側の主導権が強いのであんまり出来ることは……」



Q:「持ち家あり、資産8千万円でFIREはアリですか?」
→A:「FIREしたあとはマイペースで働く、と言っていたはずが働かない人っていますね」






ショートショート「れいわ新撰組は永遠に不滅です」






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「一人で生きる選択をした女性」への支援は必要なの?と思った時に読む話

今週のメルマガ前半部の紹介です。
年末、蓮舫さんが「おひとり様」向けの支援策を充実させるぞ!みたいなことを突然ぶち上げて、案の定「これ以上負担が増えるのは勘弁してくれ」だの「なんで女性限定なんだ」だのといったツッコミが殺到していました。





実際、男性の方が女性より2倍孤独死しているというデータもあるので、筆者も女性限定の支援策には懐疑的です。



【参考リンク】男性は女性よりも2倍も孤独死している


ただし。じゃあ就職氷河期世代あたりの女性で困窮しているのはただの甘えで流してしまってもいいかというと、筆者はそれも違うのかなという気はしますね。

筆者自身も同世代ですが、採用業務を通じて氷河期世代の女性がどういう扱いをされていたのかはよく知ってますから。

もっと言えばその上のバブル世代ですら、女性の扱いはさすがにちょっと……という感じですね。

というわけで、今回は氷河期世代の男女間格差について取り上げたいと思います。なぜそれは生まれてしまったのか。そして、社会はそれにどう向き合うべきなのか。

老若男女問わず重要なテーマでしょう。


それ以前の世代の男性>氷河期世代男性>氷河期世代女性


過去にも取り上げてきましたが、終身雇用制度というのはきわめて男社会というか、男性を前提として機能するように設計されたものなんですね。

というのも、企業は終身雇用を維持するために、従業員を無制限に働かせる必要があります。

平時の雇用調整は「新規採用・解雇」ではなく「残業の増減」を通じて行われるため、月100時間くらいは残業できるだけの体力が必要です。

それから、田舎で欠員が出た時にいつでも辞令一本で転勤してくれるフットワークの軽さも重要です。転勤で人員をならすことで雇用を維持するのも終身雇用の基本ですから。

要するに日本のメンバーシップ型雇用というのは、職務を限定するジョブ型と違い、ひたすら組織のために滅私奉公する身分制度みたいなものなんですね。

そういう働き方が出来る人材としては、日本企業は長いこと「若い男性」が適役だと考えてきました。

そして、女性は採用はするがあくまでもサポート的な業務にとどめ、昇給も昇格も限定的、結婚や妊娠を機に退職して家庭に入り、滅私奉公する夫を支える側に回るものだとみなしてきました。

ちなみに、専業主婦という概念は、終身雇用と同時期に高度成長期に生まれたものです。昭和のモーレツ会社員の夫を支えるために生み出された割と最近の流行りものなんですね。

たまに自称保守の中に「専業主婦は日本の伝統だ」みたいなことを言う人がいますが、ただのアホなので無視していいです。

さて、そこで平時の残業調整などでは対応できない非常時の不況が来たとします。

今度は企業は新卒採用カットという手法で雇用調整をするわけですが、当然ながら真っ先にカットするのはサポート的な役割の女性ということになります。

もっと就職氷河期世代の女性の就活が知りたい人はこちらもオススメです。



【参考リンク】女子就活、激動の平成 いまや内定率は男子をリード


「男子には就職先から資料が送られてきても、女子には届かない」「面接で『女子はいらない』と言われた」「就職セミナーの受け付け開始が男子より2カ月遅かった。女性を採用すると言っていても男女格差は日常茶飯事だ」



新卒カードを切らされた挙句に、非正規雇用ルート入りが確定した氷河期女性は多かったでしょうね。





要するに、氷河期世代は確かにそれ以前の世代よりしわ寄せを喰らってるのは事実ですが、同じ氷河期の中でも男>女という厳然たる格差が生じていたわけです。

だから、おひとりさまを支援しようみたいな発言に対して「いや俺たち氷河期世代の男だってひどかったんだぞ」というのは上の世代の男性と比べれば事実ですし、「氷河期世代の女はもっとひどかったわ」というのもまた事実でしょう。


さらに言うなら、筆者は結婚の意味合いも男女でかなり変わってくると感じています。

男性の場合は独身でも、仕事で頑張ればそれなりの居場所や処遇が与えられるわけです。

ところが女性の場合はハナからサポート役しか期待されていないため、バリキャリでやっていく機会が(すくなくとも氷河期世代やそれ以前の世代には)今よりずっと少なかったはず。

同じ「結婚しなかった(出来なかった)」という選択肢でも、それで得られる生活水準が全然異なるわけです。

実際、筆者の同世代の独身者にはそれなりに人生充実していたり、中には独身貴族と言えなくもないような人もいますけど、そういうのは100%男性ですね。

やはり「男が総合職として滅私奉公し、女性がサポート役に回る」という日本型雇用の暗黙の役回りが諸悪の根源なんですよ。

結局、終身雇用制度の抱える歪みを、みんなで見て見ぬふりをし続けた結果が今なんでしょうね。
 
「なんで総合職と一般職に分かれていて、女性は一般職中心なのか」とか
「なんで男性は無制限で過労死するほど働かされるのか」とか
「なんで氷河期世代だけこんなに採用搾られるのか」

みたいな素朴な疑問を無視し続け、うやむやのまま流そうとした格差が、結果としてどろどろに濃縮して形になったのが“おひとり様問題”なんじゃないでしょうか。






以降、
格差はなぜ固定化されたか
氷河期世代がなすべきこと







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Q:「採用責任者ですが40歳以上の独身者はやっぱりちょっと変わってませんか」
→A:「そうかもしれませんが変わっていること自体は悪いことではないかも」



Q:「上昇志向の強い新人と、温室で大事に育てろという人事の板挟みで困ってます」
→A:「本人にやる気があるなら多少負荷を高めても問題ないでしょう」





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早期退職が、みんなの理想のゴールになる理由

今週のメルマガ前半部の紹介です。
昨年、皆さんが雇用関連でもっとも耳にしたテーマとはなんでしょうか。少子高齢化の影響で出現した空前の売り手市場ですか?それとも、ここ数年トレンドの続いているジョブ型雇用でしょうか。

筆者自身を振り返ってみると、意外に「早期退職募集」が多かった印象がありますね。特に過去最高益を叩きだす大企業が多い中で行われるそれは“黒字リストラ”などと呼ばれ、2000年前後の早期退職とはまるで異なる印象です。

というわけで、記念すべき2026年度一回目は「余裕のある企業が実施する早期退職、黒字リストラ」についてまとめたいと思います。

なぜ企業は儲かっているにもかかわらず今リストラをするのか。2000年代のそれとは何が異なるのか。そして、これから日本の雇用制度はどこへ向かうのか。

全てのビジネスパーソンにとって重要なテーマでしょう。


早期退職(黒字リストラ)は実質的な40歳定年制度


今から10年ほど前に、東京大学の柳川教授が「40歳定年制度」というものを提言して話題となりました。



【参考リンク】「40歳定年制」注目されて11年 「現状は当時より心配」と提唱者


フォローしておくと「40歳で全員定年退職させられる」というわけではなく、40歳以降にそれまでのキャリアを振り返りつつ、第二の就職活動を行ってより自分に相応しい転職先に移る努力をした方が、個人も組織も長い目で見て幸せだろうというコンセプトですね。

これだけ変化の速い時代、数十年前に新卒一括採用で潜り込んだ会社で、たまたま受け持たされた仕事で定年まで飯を食うというのは難しいですから。

能力を発揮できないままボーっと過ごす期間が発生すれば、その人を定年まで雇わなきゃならない会社にとってはもちろんのこと、人生を空回りさせる本人にとっても、そしてその人材を産み育ててきた社会にとっても損失ですからね。


その後の2021年にサントリーの新浪社長(当時)が45歳定年制を提唱して大炎上話題になりましたが、これもコンセプトは同じと言っていいでしょう。



【参考リンク】軽率だった「45歳定年制」発言…言い方を工夫すれば炎上は避けられた


これらの40代定年制度が形を変えて実現したものが、黒字リストラ=現在の早期退職募集だというのが筆者の見立てですね。

なぜ政府が法制化したわけでもないのに自然と実現したか。それは先述の一般的な理由以外にも、労働者と企業の双方にとって様々なメリットがあるから自然と成立したわけです。

ではどんなメリットがあるのか。

企業側のメリットについては言うまでもありませんね。

実質的な定年が(年金財政の都合で一方的に)65歳まで引き上げられ、70歳雇用が視野に入ってきた結果、従業員の人生ほぼすべて面倒見る余裕なんてなくなったためです。

でも個人的には、むしろ労働者の側のメリットの方が大きいと感じています。

雇用を保証しないといけない期間が長くなればなるほど企業は従業員の賃金を低く抑えないといけなくなりますから、賃金にはさらなる引き下げ圧力が加わります。

さらに年功賃金の場合、45歳以上は消化試合モードに入って働かない人も増加するので、さらに切り分けてもらえるパイの量は減ることになります。

当時55歳だった定年を90年代から断続的に引き上げてきた結果、30年間世界で唯一賃金が上がらなかった先進国ってどこでしたっけ?

そう、わが日本国です。それがさらにこの先10年20年続くのは誰だってイヤでしょう。

何より、70歳近くまで働くということは健康で自立した生活が送れるギリギリまで働くということです。人生のほとんどすべてを今の職場で費やし、今の上司や同僚と家族以上に同じ空気を吸って過ごすってことですよ。

普通はイヤでしょそんなの(苦笑)

というわけで、わかりやすくまとめると、

政府「あのさ、年金財政厳しいからみんな65歳まで働けよ。企業は70歳まで雇う検討しろよ」

企業「よし、こうなったら早期退職募集だ。70歳まで雇うことを考えれば3千万円程度の上乗せなんて安いもんだ」
労働者「もはや老後はない。だったら今やりたいことやってやる」

みたいな感じですね。

さて、そういう選択を迫られる中高年社員は、下の世代の目にはどういう風に映るでしょうか。


一番輝いて見えるのは、割増された退職金数千万円をゲットしつつ、颯爽とやりたい仕事に転職していく中高年でしょう。

確かに、ふってわいたようなジョブ化とインフレのトレンドで苦し紛れで準備不足のまま手を上げざるを得ない中高年も今はいっぱいいるでしょう。早期退職に応募したことを後悔する人たちの記事も、そのうちメディアに取り上げられるかもしれません。

でも、やはりこれからのビジネスパーソンが目指すのはそこだと思いますね。

というのも、早期退職に応募したくても自身の人材レベル的に出来ず、といって出世や賃上げもしてもらえぬまま、せいぜいタイミーで小銭を稼ぐくらいしか出来ないというコースには誰も行きたがらないでしょうから。

さらに言うなら、筆者はこれからFIREが40代以降の有力な選択肢の一つになると考えています。

定年なんて無い国ではある意味みんなFIREしているわけだし、先述のようにそもそも定年なんてお上の都合で後付けでつくられたなんちゃって節目でしかありませんから。

何歳まで第一線で働くかは、本人が自分の体力と資産状況、その後のライフプランを考慮して自由に決めていいはずです。

あと日本の場合、社会保険料の負担があまりにエグ過ぎて正社員で働くメリットが年々薄れていることも大きいです。

それらの事情から、FIREを視野に入れる人は今後も増加し続けると筆者は考えています。

そういうスタンスの人にとって40代以降でポンと貰える数千万円の割増退職金は、人生ゲームで一気に上がりまで行けて資産も増えるボーナスカードみたいなものでしょう。


これが、全てのビジネスパーソンにとって「早期退職への応募」が理想のゴールとなると考える理由ですね。






以降、
「新浪さんの45歳定年制発言」が大炎上してから5年で空気が一変したワケ
「早期退職なんてやっても優秀層が抜けるだけ」と言ってる会社は既に終わってます






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Q:「海外のジョブ型雇用も変化している?」
→A:「国民性みたいなものは薄れつつある気はします」



Q:「一部の維新議員の行っているとされる国保の節税スキームについてどう思われますか?
→A:「健康保険料を抑えるために法人の健保に加入というのは昔からありますね」







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アベノミクスを支持してた人たちって最近言ってること変わってない?と思った時に読む話

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最近すっかり名前を聞かなくなっていたリフレ派ですが、高市政権のブレーンとしてかき集められた結果、久々にその名をメディアでも目にするようになりました。

ただ、あらためて話を聞いてみると、なんだか昔と言ってること変わってません?

以下なんてそのまんまMMTじゃないですかね。デフレ下ならともかく、先進国でも一二位を争う高インフレ下でこういうこと言ってるのを見ると、もはや狂気すら感じられます。



色々な識者も指摘するように、なんというかリフレ信者も教祖たちも、明らかに質が一変しましたよね(苦笑)




筆者はリフレ派の主張そのものをどうこう言うつもりはないです。ただ仕事柄、どういう人達がそれを有難がり、なぜ変質したのかは非常に興味がありますね。

というわけで、今回まとめてみたいと思います。それはキャリアの深淵につながる話でもあります。


どういう人がアベノミクスで笑い、誰が泣いたか


おそらくアベノミクスの支持者といっても一枚岩というわけではなく、大雑把に分けると以下の3タイプがいたはずです。


A. ビジネスエリート

B. 不動産や株式等、それなりの資産を持っている人

C. エリートでもなく資産も持たない人


さて、実際にインフレになってから何が起きたか。

インフレに伴い企業の人件費の原資も増加するため、Aのビジネスエリートは最優先で賃上げが行われることになります。

それも、今後もインフレが継続すると会社側が判断すれば(後で下げる心配をしなくてもよいので)かなり思い切った賃上げを実施してくれるはず。

一方で、辞められてもかまわない人の賃金は据え置かれることになります。言い換えればBやCの実質賃金を下げてAの実質賃金を上げるようなものですね。

とはいえ、実質賃金が下がったとしても、資産のあるBはそれを上回る十分なメリットがあったはず。都内のマンション価格は過去10年で3~4割は普通に上昇しており、今後も上がる見込みです。



【参考リンク】中古マンション価格、東京都心3区の過熱鮮明 賃料価格比が急低下


日経平均も2024年2月にバブル期高値の3万8957円を超え、現在は5万円の大台に乗っています。資産バブルの恩恵に比べれば、むしろ実質賃金の低下なんて微々たるものかもしれません。

一方で、そうしたメリットが何もないのがCのタイプの人です。彼はただインフレ税を負担し、エリートや資産家が潤うのを指をくわえて見ている以外にありません。

エリートでもなく資産もないこの手の人たちは、アベノミクスで単に苦しくなっただけなんですね。

いまネットで盛んに「もっと財政拡大しろ、金ばらまけ」って言ってるリフレ派の人たちって、AやBのタイプの人たちが卒業して、残ったCのタイプなんじゃないかというのが筆者の見立てです。

AやBのタイプは絶対そんな要求はしないと思うんですよ。別に困ってないし。そもそも自身が給料もらってる企業や所有する資産にとってマイナスになりかねない過激な要求なんてするわけがないですから。

そういう守るものがまったく無いCタイプが「俺にしたたり落ちてくるくらい金を負け、何なら直接配れ」と半ばヤケクソになって叫んでいるのが、一昔前のリフレ派と今のそれとの温度差の正体なのではないか。

なんだったら失敗して日本経済がボロボロになったってかまわない。みんな自分のところまで落ちてくるだけだから。そういう心の底に秘めた破滅願望みたいなものが、彼らから感じられる狂気の正体なのではないか。

そして、残った信者向けのリップサービスなのか、はたまた誤りを認められない自身のプライドのためかはわかりませんが、教祖らもそれに合わせて自説をアップデートしたから冒頭のようなエキセントリックな話になってきているんでしょう。

で、そういう過激化、先鋭化を潔しとしない筋を通す人も当然いて、長く続いた一派が分裂するのは、学生運動から反原発まで、いろいろな運動の末期に共通してみられる現象ですね。



【参考リンク】「日本は安売りになっている」“アベノミクス生みの親”浜田宏一氏がサナエノミクスに苦言「今の日本に必要な政策は真逆」


そういえばちょっと前に、MMTのご意見番のマンサクに仲間認定されてキレてる人もいましたけど、マンサクは動物的勘で、上記のようなリフレ派の質的変化に気付いたんでしょう。



偉いセンセーはともかく、末端の信徒同士はケンカしないで仲良くしたらいいと思いますね。有意義な情報交換ができると思いますよ。「どこどこのスーパーは〇曜日は安い」とか。


最後に、当事者の皆さんに一つだけアドバイスを。

皆さんはたぶん「金融緩和じゃ(自分の人生に)効かなかったから今度は財政なんだよ」みたいなスタンスなんでしょうが、反省すべきはそこじゃありません。

真に反省すべきは「政府に自分の人生をなんとかしてほしい」という根本的な生き方の部分です。自分の人生を何とか出来るのは自分だけであり、政府に丸投げした時点で人生は詰みです。

断言しますが、万が一積極財政が実現したとしても、豊かになるのはしっかり努力している人、資産を持っている人だけです。自分で努力しない人の人生は一ミリも上向きません。

というわけで、政府におカネをばらまかせて自分の財布の中に降ってくるワンチャンに人生賭けるよりも、自分の足で前へ進む努力をしましょう。そっちの方が確実に今より豊かになれますから。






以降、
ダメな人がいつまで経ってもダメなわけ
25年は転職市場におけるミドルシニア元年!天からお金が降ってくるのを待つほど暇なら働け!








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Q:「早期退職→夢の喫茶店開業に賭ける友人が心配です」
→A:「読んでるだけで私も心配になりました」



Q:「独身者は管理職に登用しない、という考えはアリですか?」
→A:「公式には無くなりましたが非公式にそういう考えを持つ人はいますね」






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