W杯で一生懸命自撮りアップしてる人達って何がしたいの?と思った時に読む話

今週のメルマガ前半部の紹介です。
日本代表の決勝トーナメント進出もあって盛り上がったW杯北米大会ですが、大会中にせっせと自撮りをSNS上にアップする人達の存在が話題となっています。





いや、別に筆者は誰が誰とどこに行こうが構わないし自撮りアップするのも自由でしょとは思うんですけど、仕事柄そのモチベーションにすごく興味があるんですよね。

明らかに「普段からサッカー好きでJリーグとかよく見に行ってます」って言う人たちではないですから。

彼らは何のためにわざわざ海を渡ってせっせと自撮りを放流し続けるんでしょうか。

実はこれ、キャリアデザインにも通じる奥の深い話だったりします。良い機会なのでまとめておきましょう。


街にあふれる「それって何が楽しいの?」な面々


実はモチベーションを軸にすると、人間は2種類に分けられます。まず、自分の好きなこと、やりたいことの基準が明確で、かつ、そのモノサシが自分自身の中にある人たちです。

と書くと「そんなの当たり前だろ」と言われそうですけど、これって意外と難しいんですよね。特に、実際にそのモノサシに基づいて行動するのは。

流行りものに流されず、自分の好きなジャンルにしか関心を持たないオタクをイメージしてもらえれば分かりやすいと思います。


ではもう一種類はどんな人達なのかというと、他者がほめていること、評価しているもの=自分の好きなことだという人達で、要は評価のモノサシを他人に預けちゃってる人達ですね。

「そんな人いるの?」と思う人もいるかもしれませんが、普通にそこら中にいます。というか、前者の「自分のモノサシを持っている人」よりむしろ多いです。


たとえば街を歩くと、炎天下にもかかわらず、インスタ映えする料理の写真をアップするためだけに人気店に並ぶ人達を必ず目にするでしょう。

もちろん中には本当に味が好きで並ぶ人もいるんでしょう。でも少なくともこういう人たちはそうではないですね。



【参考リンク】SNSの闇?飲食店は困っている?-インスタ映えの裏側、食べ残し問題について


それから、近年話題になった「ハワイに行って自炊する人」も典型ですね。

「連休にハワイに行く」という(おそらくバブル期以前に作られた「ハワイ=すごい」的な)モノサシに沿って休暇をすごすためだけにインスタント食品持参で渡航する様は、筆者にはまるで山ごもりの修行僧みたいに見えますね(苦笑)

大昔の誰かが作ったモノサシで評価されるためにやるんだから同じようなもんでしょ?

重要なのは「そこで何を楽しむか」であって、自炊までして耐え忍ぶんだったらその辺のキャンプ場でよくね?というのは「自分のモノサシ」を持つ人からすれば当然の感覚でしょう。




あと、ちょっと前に自民党の女性議員らがフランス視察で大炎上したことがありましたが、あれなんかもそうですね。

一応事務方から「このご時世ですからプライベートな写真などの公開は控えてください」という趣旨のアドバイスはされてたらしいんですが、聞きゃあしないんですって(笑)

たぶんあの人たちのフランス視察の最大の目的って、SNSに現地でのキラキラ自撮りをアップすることだったんでしょう。



【参考リンク】ネット「まるで社員旅行」、野党「迷惑」――自民女性局“フランス研修”が炎上 物価高、災害級暑さ、大雨被害の中…投稿ナゼ?


とまあ、こんな感じで「他人のモノサシ」に従い生きる人たちというのはけして珍しい存在ではなく、どちらかというと多数派だというのが筆者の見方です。

普段全然サッカーの話しないのにW杯行ってせっせと自撮りアップしてる人達も、これらの亜種でしょうね。


フォローしておくと、自分のモノサシ、他人のモノサシ、どっちが良い悪いというのはなく、どちらにも一長一短あります。個性の違いくらいに思っておけばいいでしょう。

ただし。旅行やランチならともかく、分野によっては「個性の違い」では済まないものもあります。






以降、
就活で自分のモノサシで会社を選べる人間は少数派
今後の2極化で上に行けるのはモノサシを持つ人だけ







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Q:「40代で未経験の職に転職は可能?」
→A:「派遣でスキルアップは従来は困難でしたが……」



Q:「『静かな退職』のデメリットってなんでしょうか?」
→A:「ただ消化するだけの人生って単純にもったいない気がします」






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どうして追い出し部屋って無くなったの?と思った時に読む話

今週のメルマガ前半部の紹介です。

KADOKAWAが募集人数の上限無しという早期退職募集に踏み切り、話題となっています。





ちなみに「終身雇用って素晴らしい」と言っていたのは川上さんです。そういう会社が「上限無しの早期退職募集」に舵を切ったことに時代の変遷を感じますね。


ところで、元記事についてるレスを見ていると、早期退職というと今でも「優秀者が割増退職金を手にして颯爽と転職し、ダメ社員ほど必死にしがみつく」という光景をイメージしている人が少なくないようです。

確かに、15年位前までは早期退職募集というとそういうイメージでしたね。人事部が優秀者は慰留しつつ、辞めて欲しい層は手を挙げるまで繰り返し圧迫面接するなんてことを、あちこちのJTCでやってましたから。



【参考リンク】NECのリストラ面談やり取り生々しく再現 「会社って、ここまでするのか…」


ただ、ここ数年でかなり状況は変わってきています。
現在も早期退職募集は大流行中ですけど、少なくとも“圧迫面談”や“リストラ部屋”といったかつてのダークな話は全く聞こえてきませんね。



【参考リンク】2025年度の「早期・希望退職」 は2万781人 約7割が「黒字リストラ」、2009年度以降で4番目の高水準


2000年代の早期退職と今のそれは、何が違うんでしょうか。

一見すると圧迫面談がなくなった分、今の労働者は恵まれているようにも見えます。でも、世の中にそんな美味い話ってあるんでしょうか。

いい機会なのでまとめておきましょう。


「賢者が去り愚者が残る」とは一概に言えなくなったワケ


何度か言及していますが、現在、日本企業は以下の2つのトレンドにより歴史的な転換点を迎えています。


・ジョブ化

従来の日本企業は、勤続年数に応じた実質的な年功給が基本でした。

ジョブ化とは、実際に担当する業務グレードにより賃金を決めるジョブ型賃金への移行のことですね。この流れはここ数年で一気に加速した感があります。

確かに、働かないオジサンの年功給をいきなり半分にするといった荒療治は難しいのが現実です。でも少しづつ見直し対象としつつ、若手については大抜擢もするというのが現在の主流ですね。


・インフレ

終身雇用下の日本では、クビはもちろんのこと一度上げてしまった賃金も後からカットするのは事実上不可能です。

でも、「賃上げせずに据え置くことで、実質賃金を下げる」ことは可能です。

ほとんどの人が気付いてないんですけど、実はインフレって日本企業にとっては「優秀者だけ賃上げし、いらない人間の実質賃金を下げられるボーナスステージ」なんですね。

ほとんどのJTCはこのチャンスを見逃すことなくフル活用している印象です。


(新しいことを全然やりたがらないという意味で)人事が保守本流と言われるNTTでさえ、結構エゲつない差をつけてますね。



【参考リンク】NTT発表 ベア1万1000円→実は…700円


もちろん、日本企業全部がそうというわけではありません。人事がアホしかいない企業は相変わらず年功賃金ベースで労使交渉し、猫も杓子も横並びで昇給させたりしちゃってます。

結果、現在の日本企業は、ものすごく社員間でメリハリのついている企業と、90年代から大して変わり映えのしない悪平等の会社に分かれています。

大雑把に分けると、それぞれ社内の状況はこんなイメージです。


1.メリハリのついている企業

優秀層の満足度=高い     非優秀層の満足度=低い


2.悪平等の企業

優秀層の満足度=低い     非優秀層の満足度=高い


いま黒字リストラを敢行している企業は、既にそれなりのメリハリを社員間につけられていて、そうたやすく優秀層だけが流出するリスクは無いと判断しているんでしょう。

むしろ手を挙げるのは、賃金据え置きで苦しくなっている非・優秀層の側だろうという手ごたえもあるはず。


これが2000年代と違い、現在の日本企業から“圧迫面談”や“リストラ部屋”といった言葉が聞こえてこない理由ですね。

当時はデフレ真っただ中で、ジョブ型賃金(職務給)なんて言葉も人事以外は誰も知りませんでしたから、2番の悪平等企業ばかりでした。

リストラは必然的に「優秀者を慰留しつつ、辞めて欲しい人間の指を一本一本引きはがす」ような凄絶なものにならざるをえなかったんですね。


KADOKAWAですか?

あくまで印象なんですが、筆者は同社の人事が上記のような観点を踏まえているようには思えないんですよね。

たぶんなんとなく自分たちも1番でいけると考えて早期退職募集をかけたんじゃないでしょうか。

でも蓋を開けてみると……なパターンにならないことを祈ってます。







以降、
実は、いらない人材を辞めさせても組織は活性化しない
優秀層を慰留してもほとんど意味はない






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Q:「地味なメーカーで女性採用を増やすにはどうすればいいでしょう?」
→A:「新卒で無理しなくてもいいです」



Q:「第二の就職氷河期は違う顔でやってくる?」
→A:「ある意味、きついと感じる人には氷河期より全然きついでしょう」



不定期連載「人事に歴史あり」
「なぜ大坂の陣で徳川方は弱かったのか」






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どうして中高年社員って退職金廃止に不満なの?と思った時に読む話

今週のメルマガ前半部の紹介です。

伊藤忠のグループ企業が退職金を廃止したことが話題となっています。



伊藤忠系が退職一時金廃止 後払いから現役重視へ、シニア反発も

「なんでこんなことするんだ」「会社に見放された気がする」「運用前提で言われても困る」。説明会ではシニア社員を中心に感情的な言葉が次々と出てきた。一方、資産運用に熱心な若手社員は「自由に使えるお金が増えてうれしい」と歓迎した。


ちょっと前には王子HDが同様の退職金制度の廃止に踏み切ったというニュースもありましたね。



王子HDが退職一時金廃止、基本給に上乗せ 26年春入社から

若いうちの低賃金をキャリアの後半で回収する報酬体系は終身雇用を下支えしてきた。だが、みずほリサーチ&テクノロジーズの竹内誠也シニアコンサルタントは「転職の一般化で若いときに低い給料で働く理由が薄れ、後払い賃金の企業は選ばれにくくなっている」と指摘する。



なぜ、シニア社員は退職金制度の廃止を嫌がってるんでしょうか。

当たり前ですけど廃止されるのはこれから入社する社員が対象で、中高年の退職金はこれまでの勤続年数に応じて退職時に支払われます。

一見すると、中高年にも特に反対する理由は無いように見えますね。




そもそも、なぜ今、一部の日本企業は退職金制度の見直しに舵を切ったんでしょうか。

実は、企業が退職金制度の見直しに着手するのも、シニア社員がそれを嫌がるのも、当然の理由があるんです。


退職金の本質は“人質”


日本ではごく一般的な退職一時金制度ですが、実は世界的に見れば非常にレアな仕組みです。

「退職金があるから日本企業は人に優しい」みたいに漠然と考えている人も多いですが、当たり前ですけど(社会保険料の会社負担分と同様に)そのコストを負担しているのは従業員自身です。

要するに、本来受け取るはずだったお給料の一部を会社に定期預金し、利子を上乗せしてもらって退職時に受け取るようなものなんですね。

だから、本来、退職金は損得なんて関係ない話のはずなんです。

ただし、問題はその“定期預金”に、払い戻しに際して色々と条件が付けられていることなんです。

たとえば一般的な日本企業であれば、以下のような退職金絡みの規定があるはずです。


・入社〇年以内に自己都合退職した場合は退職金無し

・長く勤めるほど増えやすい(長く勤めないと減額される)



要するに、自己都合で転職なんてしたら損だぞ、と脅しているようなものですね。特に2番目の亜種で「50歳未満で自己都合退職すると〇割カット」というのがよくあります。

この50歳未満ルールは嫁ブロックと同様、これまで多くの転職希望者の心をへし折ってきたはずです。

筆者の知人でやむを得ない事情(家業の継承)で49歳でJTCを退職した人がいますが、1年違いで退職金が1千万円以上減らされて嘆いてましたね。

余談ですが、多くの企業では50歳以降の自己都合退職に退職金の減額の規定はありません。

要は「50歳以降はいつでも辞めてもらってOK」ということです(苦笑)


さて、退職金制度については、いろいろなメリットを挙げる人がいます。会社と従業員の長期の信頼関係を構築するため、計画性の無い従業員のために退職時に一定の資産を残してあげるためetc……

それぞれ一理はあるんでしょう。でもその本質は、従業員をつなぎとめるための人質だというのが筆者の見方です。

そう考えると「日本企業は人に優しい」どころか、後払い給料を人質にするきわめて非人道的な一面を持つことは明らかでしょう。

そして、この退職金という名の“定期預金”には、もう一つ重要な独自ルールがあります。それは「滅私奉公の度合いにより、払い戻される金額が大きく上下する」ということです。

つまり、シニア社員にとって退職金というのは「それまで引き受けてきた数々の滅私奉公に対する対価」という意味合いを持つわけです。

そんな滅私奉公をまったくやらずに、ただ当然の権利として毎月の給料に上乗せ支給される世代がこれから入社してくる……

一見すると何でもない話にみえるかもしれませんが、それは組織に強烈なインパクトをもたらすでしょう。






以降、
シニアが退職金廃止を嫌がるワケ
若手が好き勝手やるようになった組織はどうなるか







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Q:「AIで日本企業の人員削減余地が大との指摘が出ていますが……」
→A:「既存の組織、人員を見直さず継ぎ足してきたので無駄が多いんですよね」



Q:「『やりたいことがない』という子供をどう諭すべき?」
→A:「インターンをやると『やりたくないこと』は見えてくるでしょう」







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日本企業って安易に人件費を削るようになったからオワコンになったの?と思った時に読む話

今週のメルマガ前半部の紹介です。
先日、X上のトレンドに「失われた30年の原因は日本企業の人件費カット」なるお題が上がっており、盛んに議論が交わされておりました。





一応フォローしておくとそれ自体は間違いではないんですがついてるリプや議論を見ていると

「だから企業はもっともっと積極的に賃上げするべきだった」
「派遣は禁止で。非正規雇用も即正社員化を」

みたいに受け止めている人がほとんどで、結論はいつもの「新自由主義ガー」で終わりというなんともアレな流れになってしまってますね。

まあ40代以上でそんなの信じちゃってる人は今さら手遅れなんで別にそれでもいいですけど、若い世代が信じちゃうと良くないですね。

というわけで簡潔に論点をまとめておこうと思います。


日本企業に足りないものは“賃上げ”ではなく“新陳代謝”


まず、日本企業が90年代からそれ以前と比べ人件費を絞り出したのは事実ですが、それは政府が「定年の引き上げ」「社会保険料の引き上げ」を繰り返した影響が大です。

たとえば定年ですが90年代に55→60歳、2010年代以降に60→65歳への実質的な引き上げが行われ、現在は70歳雇用が努力義務とされています。

「70歳については努力義務なので努力さえすればいいのでは?」みたいに言う人もいますが、少なくとも大手は実行しないと何言われるかわからないので70歳まで雇用する覚悟でいますね。

日本は終身雇用なので定年まで雇える程度の賃金に抑える必要があります。その定年を引き上げれば当然賃金には強い引き下げ圧力がかかることになります。

また、社会保険料は本人負担か会社負担か関係なしにトータルで人件費からねん出されていますから、それが増やされればやはり賃金を抑圧することになります。


【参考リンク】サラリーマンが目先のベアより社会保障の抜本改革を要求すべき理由


さらに言えば、日本は既に上がっちゃってる人の賃金の引き下げも出来ないので、その分も誰かが被ることになります。

たとえば「定年が5年延びて、その間の社会保険料も5%引き上げられたんだけど、もう昇給終わって上がり待ちの50代の人の賃金は下げられない」という場合。

その先輩方の分も含めてこれからの世代が負担することになります。具体的には若手の昇給抑制と正社員から非正規雇用への置き換えなどですね。

というわけで、人件費の引き下げ圧力が強まったのは事実ですが、それは経営者の資質とか新自由主義とかそういうイミフなものではなくて単に政策の結果だということです。


あ、このトレンドは現在も続いてますね。筆者は現在「定年後再雇用の際の賃金引き下げに関する裁判」に注目しています。



【参考リンク】再雇用、大幅減給は「不合理」 教習所に支払い命令 高裁差し戻し審


SNS上でのレスを見てると「定年を理由とした賃下げは可哀そう」「いずれみんな定年になるんだから」(“おま老”ならぬ“おま定”)みたいなのが多い印象です。

でも当たり前ですけど、同種の裁判で「定年を理由に賃下げはアウト」という判例が続けば、企業は「だったら定年後に賃下げしなくても済むように最初から賃上げを控えよう」となるはずです。


言うまでもないことですが↑のどこにも「強欲なグローバリスト」も「新自由主義者」も出てきません。

「規制を増やせば増やすほど賃金が下がる」という社会実験がリアルタイムで見られるのでオススメですね。



ただ、一点付け加えておくと、筆者は人件費を削ったこと自体は問題の本質ではないと考えています。

賃金には常に引き下げ圧力がかかるものなんですね。技術もスキルもどんどんチープ化しますから。

工場が海外に移転するのも当然のことです。先進国はどこもそれを乗り越えて次のステージに進んでいるわけで。

だからそれらの流れを強引に止めても、ゴーン前の日産やSHARPみたいになる企業が増えただけだったはず。

むしろ問題の本質は、より稼げるビジネスモデルに組織も人も軸足を移せなかったこと、要は新陳代謝が進まなかったことでしょう。

具体的に言うと、企業は将来性の無い事業をさっさと畳んで有望な新規事業に人もリソースも投入、人事制度は何歳からでも成果次第で大きな報酬が期待できるものに刷新、そして個人はその中で“消化試合”とは無縁なまま挑戦し続ける……

そういう意味ではやはり年功序列とそれを柱とする終身雇用制度を逆に強化し続けてしまったことが(人件費云々を別にしても)決定的な要因だったように思います。


まとめると、日本企業が人件費を渋りだしたのも、旧態依然としたビジネスモデルに安住し続け失われた30年が生まれてしまったのも、政府が規制緩和ではなく終身雇用を強化してしまったことが原因ということです。

そしてそれを支持してきた日本人自身が戦犯ということになります。


それをいまだに新自由主義ガーとかコストカットしか知らない経営者ガーとか人のせいにしている人たちって、典型的な他責思考だと思いますね。

将来あるビジネスパーソンは反面教師としましょう。






以降、
理系エリートのメーカー離れの理由
組織や社会がリスクを取らないなら個人で取るしかない








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Q:「社内教育はトップダウン?それともボトムアップ?」
→A:「人間は必要性を認識していないとなかなか身が入らないんですよね」



Q:「女性が理系を避ける理由とは?」
→A:「滅私奉公しなくて済むコースが文系限定ですしね」







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AIで文系ってオワコンになるの?と思った時に読む話

今週のメルマガ前半部の紹介です。

最近、AIによってこれから文系人材が余剰するという話があちこちで話題になっていますね。



【参考リンク】文系人材80万人、AI時代に「余剰」 減る事務職、企業は理系スキル重視


実際に文系採用枠の削減を始めた企業も現れています。


「26年の中途採用については、前年実績比4%増の280人を計画する。事務系・技術系は6割減らすものの、工場などで生産を担当する技能系は3割増やす」



【参考リンク】クボタ新卒採用4割減の280人へ 27年入社、人員充足で抑制


このまま文系人材、そして文系学部はAIによって淘汰されていくのでしょうか。そして、その時に評価の上がる専攻とは何なのでしょうか。

いい機会なのでまとめておきましょう。


日本は「AIリストラ」ではなく「ジョブ型リストラ」


ところで勘の鋭い人なら、ある疑問を抱いていることでしょう。

「AIで先行する米国では、むしろ理系人材の置き換えが率先して進んでいる。なぜ日本では文系の削減が先なのか」

そう、実は“AIリストラ”の本場アメリカでは、コンピュータサイエンスなどの理系人材の削減が先行しているんですね。


「ニューヨーク連邦準備銀行のデータによると、大卒以上の22~27歳人口の4月の失業率は5.8%と、全体の4.0%より1.8ポイント高く、差は過去最大になった。

 専攻別では「コンピューターサイエンス」「コンピューター工学」の若者の失業率がそれぞれ6.1%と7.5%で、「哲学」の3.2%などより高かった」



【参考リンク】米国の大卒、「就職氷河期」 AIが新人の仕事代替



理系が切られる米国と、文系から切られる日本。この違いはどこから来るんでしょうか。

それは、それぞれの人員削減の理由がまったく異なるからです。

米国は元々ジョブ型雇用なので、職務内容と紐づいた専攻、スキルの人材を即戦力ベースで採用しています。

だからAIで置き換えられた仕事を担当していた人材が即リストラ→それがたまたまエンジニア等の理系出身者が多かった、というわけです。

と書くとなんだか文系学部出身者が評価されている印象を持つ人も多いかもしれませんが、もともとリストラがニュースになるような企業では文系出身者は(人数という意味でも給与金額という意味でも)大して存在感は無かっただけの話です。


一方、わが国は世界に冠たる終身雇用≒年功序列制度の国なので、職務内容と専攻が全然紐づいていません。

っていうか配属されるまで何の仕事をやらせるか決まっていないケースが大半ですし、配属後も会社都合で営業から人事、総務までぐるぐるローテーションさせられます。

定年まで雇わねばならない以上、そうやってこなせる業務の幅広いゼネラリストにした方が便利ですから。

だからこそ、採用選考では「具体的なスキル」ではなく「何をやらせてもそつなくこなせそうなポテンシャルの有無」を判断されることになります。

結果、日本企業は具体的に何かができるわけではないけれど、偏差値の高い大学出身の人材(その多くは文系)を大量に抱え込んでいたわけです。


ただ、数年前から各社ともに年功序列からジョブ型雇用へシフトを開始し、職務内容と賃金の紐づけをすすめています。

具体的に言えば、社内に滞留している「具体的に何かができるわけではない高偏差値の人材」を「年齢にかかわらず凄い仕事している人材」と「年のわりに大した仕事してない人材」に割り振り、前者の賃金を底上げし、後者の賃金を削るプロセスを進めているわけです。

だったら入り口の段階で「ちゃんと専門性や即戦力性がある人材」だけ採って、ポテンシャルしかない人材は採用見送りした方が合理的じゃない?となるのは当然の流れでしょう。

そう、いま日本で起こっている文系採用枠の縮小はこれなんですね。それは年功序列からジョブ型雇用へ見直しが進む中で当然起きるべくして起こった現象であり、AI云々とは直接的には関係ない話でしょう。


「AI導入に伴う採用や人員配置の方針」について、「人員削減などに取り組む」17%に対し、「特に影響はない」「影響を及ぼす段階ではない」「人員増加に取り組む」(!)で計77%という数字は、その事実を端的に示していると言えるでしょう。

日本企業はまだ「AIで人を減らす」ステージにはほど遠いということです。



【参考リンク】日本企業3割が「AI導入のため人員増」、世界の潮流とズレ あずさ調査


ですので「AIで文系がオワコンになるぞ」というのは時期尚早だというのが筆者のスタンスです。まあ減ることは減るんでしょうけど、理学部だって工学部だって将来的には分からないというべきでしょう。

オワコンになるのが確実なのは文系事務職であり、その後にAIが浸透しきった後にどの学問が評価され何が切り捨てられるかは、今のところはまだなんとも言えないんじゃないでしょうか。






以降、
レール無き世界で、我々は何を学ぶべきか
AIは日本企業を再生するか、それとも「失われた30年 第2ラウンド」となるか









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Q:「新卒採用がダメダメなのですがこれってうちだけなんでしょうか?」
→A:「大手も枠いっぱいは採れないしやっぱり一定数はすぐ辞めますね」



Q:「第二の就職氷河期は到来するでしょうか?」
→A:「筆者は来ないと見ています」




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