AIで文系ってオワコンになるの?と思った時に読む話

今週のメルマガ前半部の紹介です。

最近、AIによってこれから文系人材が余剰するという話があちこちで話題になっていますね。



【参考リンク】文系人材80万人、AI時代に「余剰」 減る事務職、企業は理系スキル重視


実際に文系採用枠の削減を始めた企業も現れています。


「26年の中途採用については、前年実績比4%増の280人を計画する。事務系・技術系は6割減らすものの、工場などで生産を担当する技能系は3割増やす」



【参考リンク】クボタ新卒採用4割減の280人へ 27年入社、人員充足で抑制


このまま文系人材、そして文系学部はAIによって淘汰されていくのでしょうか。そして、その時に評価の上がる専攻とは何なのでしょうか。

いい機会なのでまとめておきましょう。


日本は「AIリストラ」ではなく「ジョブ型リストラ」


ところで勘の鋭い人なら、ある疑問を抱いていることでしょう。

「AIで先行する米国では、むしろ理系人材の置き換えが率先して進んでいる。なぜ日本では文系の削減が先なのか」

そう、実は“AIリストラ”の本場アメリカでは、コンピュータサイエンスなどの理系人材の削減が先行しているんですね。


「ニューヨーク連邦準備銀行のデータによると、大卒以上の22~27歳人口の4月の失業率は5.8%と、全体の4.0%より1.8ポイント高く、差は過去最大になった。

 専攻別では「コンピューターサイエンス」「コンピューター工学」の若者の失業率がそれぞれ6.1%と7.5%で、「哲学」の3.2%などより高かった」



【参考リンク】米国の大卒、「就職氷河期」 AIが新人の仕事代替



理系が切られる米国と、文系から切られる日本。この違いはどこから来るんでしょうか。

それは、それぞれの人員削減の理由がまったく異なるからです。

米国は元々ジョブ型雇用なので、職務内容と紐づいた専攻、スキルの人材を即戦力ベースで採用しています。

だからAIで置き換えられた仕事を担当していた人材が即リストラ→それがたまたまエンジニア等の理系出身者が多かった、というわけです。

と書くとなんだか文系学部出身者が評価されている印象を持つ人も多いかもしれませんが、もともとリストラがニュースになるような企業では文系出身者は(人数という意味でも給与金額という意味でも)大して存在感は無かっただけの話です。


一方、わが国は世界に冠たる終身雇用≒年功序列制度の国なので、職務内容と専攻が全然紐づいていません。

っていうか配属されるまで何の仕事をやらせるか決まっていないケースが大半ですし、配属後も会社都合で営業から人事、総務までぐるぐるローテーションさせられます。

定年まで雇わねばならない以上、そうやってこなせる業務の幅広いゼネラリストにした方が便利ですから。

だからこそ、採用選考では「具体的なスキル」ではなく「何をやらせてもそつなくこなせそうなポテンシャルの有無」を判断されることになります。

結果、日本企業は具体的に何かができるわけではないけれど、偏差値の高い大学出身の人材(その多くは文系)を大量に抱え込んでいたわけです。


ただ、数年前から各社ともに年功序列からジョブ型雇用へシフトを開始し、職務内容と賃金の紐づけをすすめています。

具体的に言えば、社内に滞留している「具体的に何かができるわけではない高偏差値の人材」を「年齢にかかわらず凄い仕事している人材」と「年のわりに大した仕事してない人材」に割り振り、前者の賃金を底上げし、後者の賃金を削るプロセスを進めているわけです。

だったら入り口の段階で「ちゃんと専門性や即戦力性がある人材」だけ採って、ポテンシャルしかない人材は採用見送りした方が合理的じゃない?となるのは当然の流れでしょう。

そう、いま日本で起こっている文系採用枠の縮小はこれなんですね。それは年功序列からジョブ型雇用へ見直しが進む中で当然起きるべくして起こった現象であり、AI云々とは直接的には関係ない話でしょう。


「AI導入に伴う採用や人員配置の方針」について、「人員削減などに取り組む」17%に対し、「特に影響はない」「影響を及ぼす段階ではない」「人員増加に取り組む」(!)で計77%という数字は、その事実を端的に示していると言えるでしょう。

日本企業はまだ「AIで人を減らす」ステージにはほど遠いということです。



【参考リンク】日本企業3割が「AI導入のため人員増」、世界の潮流とズレ あずさ調査


ですので「AIで文系がオワコンになるぞ」というのは時期尚早だというのが筆者のスタンスです。まあ減ることは減るんでしょうけど、理学部だって工学部だって将来的には分からないというべきでしょう。

オワコンになるのが確実なのは文系事務職であり、その後にAIが浸透しきった後にどの学問が評価され何が切り捨てられるかは、今のところはまだなんとも言えないんじゃないでしょうか。






以降、
レール無き世界で、我々は何を学ぶべきか
AIは日本企業を再生するか、それとも「失われた30年 第2ラウンド」となるか









※詳細はメルマガにて(夜間飛行)








Q:「新卒採用がダメダメなのですがこれってうちだけなんでしょうか?」
→A:「大手も枠いっぱいは採れないしやっぱり一定数はすぐ辞めますね」



Q:「第二の就職氷河期は到来するでしょうか?」
→A:「筆者は来ないと見ています」




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消費税が減税出来ないのってレジ作ってる会社のせいなの?と思った時に読む話

今週のメルマガ前半部の紹介です。


消費税減税(とオマケで社会保障についても)広く話し合う社会保障国民会議が続いています。

そんな中、「レジのシステムを調整するのに一年ほどかかるので短期での消費税率の上げ下げは難しい」との声が一部メーカー側から上がっています。



【参考リンク】消費税減税で税率変更、レジシステム改修に「1年程度要する」とメーカー指摘…国民会議の実務者会議


で、さっそくおつむのちょっと弱い面々が「財務省の陰謀だ」「どこどこのスーパーの店長はすぐできるって言ってた」とヒートしてるみたいです。

っていうか、一国の経済政策ってレジの調整なんかで左右されるものなんですかね(苦笑)

重要なのはその施策の必要性であって、国、民間問わず本当に必要なものだったらお金も時間も使ったってやるべきでしょう。

そもそも、政府が立ち上げた社会保障国民会議なるものとは何なんでしょうか。広く議論するなら国会でいいじゃないかと感じている人は少なくないはず。

なぜ、国会とは別に、政府は特定テーマについて合意形成するための会議を立ち上げる必要があったんでしょうか。

いい機会なのでまとめておきましょう。


消費税を減税するには社会保障をばっさりカットするしかない



まず大前提ですけど、本気で消費税を減税するなら社会保障を、それもかなり思い切った水準でカットするしかありません。


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(財務省サイトより)


一般会計の予算を見れば一目瞭然ですが、その3割超を占めているのは社会保障です。公共事業でも教育費でも、ましてや防衛予算でもありません。※1

なので今後は「まず政府はムダをなくせー」「軍事費ガー」とか言ってる人はスルーしてください。上図の隅っこを棒でつつくような話をしてるだけなので聞くだけ時間の無駄ですから。

繰り返しますが、社会保障を何とかしない限り、消費税を下げるなんてことは不可能なんです。

しかも既に日本も金利のある世界に戻ってきています。これから年々国債の利払いは膨らみ続け、予算を圧迫し続けるでしょう。※2



【参考リンク】国債利払い費、35年度に3倍超の45兆円 財務省が金利上昇時を試算


普通に考えたらむしろ今やらなきゃいけないのは消費税引き上げの議論なんですね。そのトレンドに抗ってそれを減税するのなら、メチャメチャ思い切った社会保障カットが必要になるのは明らかです。

高齢者も医療費窓口一律3割負担でもせいぜい5兆円浮くくらいなので焼け石に水ですね。75歳以上は5割負担+介護保険廃止くらいしないと無理なんじゃないですかね。


ただ「消費税減税のために、社会保障をカットいたします」とは誰も言いたくはありません。選挙で高齢者から凄い逆風くらいますから。

特に野党なんて、そもそもどこまで本気で消費税減税を考えてたのかすごく怪しい気がします。実行責任ないから適当に風呂敷広げてただけで。

そういえば最初に減税ブームを起こした立役者で、何を削減するのかと問われると「いや、我々与党じゃないから政府の事業のすべては分からない」とはぐらかし、いざ連立入りを打診され「すべて把握した上で内側から自由に手を突っ込む権利」を提示されてもやっぱり逃げた人もいましたね(苦笑)

最初から消費税減税する気なんて一ミリもなかったんでしょう。

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図2(画像はイメージです。本文とは関係ありません)


まとめると「消費税減税のために社会保障をカットしましょう」とは誰も言いたくないわけです。

なら正直に「社会保障カット出来ないから消費税減税はできません」って言えばいいじゃないかと思う人もいるでしょう。

でもそれも彼らは言いたくないはず。だってそんなこと言ったら「お前ら政治家は出来ないと分かってて消費税減税を公約にしたのか!公約違反どころかただの詐欺師だろ!!」と叩かれるから。

ではどうすれば全て丸く収めることが出来るのか。

それは「社会保障カット出来ないから」以外の消費税減税が難しい理由を見つけ出すこと。そしてそれを理由に「僕らは減税したかったんだけどさあ、〇〇って理由で難しいって言う人達がいるから」と言って先送りすることですね。

それも、後になって外野から突っ込まれないように、出来るだけ主要野党にも参加してもらったうえでそういう結論に導くのが理想的です。

だって会議に参加してないと後から「いやあんなの出来ない理由になってないですよ。あの人たちは単にやる気がないだけです」とか言って後ろから撃ってきそうな人とかいるじゃないですか。

tamakin

























図3(画像はイメージです、本文とは(以下略))


ようはアリバイ作りですね。

国会と違い規則に縛られず柔軟に運用できる“社会保障国民会議”というのは、そのアリバイを参加者みんなで生み出すためのツールだというのが筆者のスタンスです。


※1  これにくわえ社会保障にはさらに巨額の特別会計がありますがここでは省きます。
※2  この状況で国債発行しろと言っている人は単に頭がおかしい人なので無視しましょう
 








以降、
消費税減税に反対せざるを得ない人たち
実は歴史的転換点になるかもしれない社会保障国民会議







※詳細はメルマガにて(夜間飛行)








Q:「大手の中小の賃金格差を生み出すものとは?」
→A:「流動的な労働市場と仕事の付けられた値札があれば、理論上は差は生じません」



Q:「この転勤を乗り越えれば出世だ、と言った上司が先に定年退職したんですが」
→A:「まあサラリーマンってそういうもんじゃないですかね」







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メンタルトラブルってなぜ増えてるの?と思った時に読む話

今週のメルマガ前半部の紹介です。

ケガや病気で働けなくなった際に健康保険から支給される傷病手当金の支給額が、5年で1.6倍になったことが話題となっています。

主な原因はメンタルトラブルの増加です。



【参考リンク】メンタル不調増加、膨らむ傷病手当金 5年で1.6倍、健康保険から


SNS上の反応を見ると、

「業務量がどんどん増えているせいだ」
「日本人はあまりにも働かされすぎ」

といったレスが主流です。でも、筆者はそういう見方には懐疑的ですね。

なぜかと言えば、長期的にほぼ一貫して、日本人の労働時間は減少し続けているからです。少なくとも「業務量が増えたから」というロジックは成立しませんね。


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データブック国際労働比較2024より


ちなみにこうした見方に対しては「2000年以降は高齢者や専業主婦が非正規雇用として労働市場に参入したせいで全体の労働時間は下がって見えるが、働き盛りの男性正社員については90年代以前と変わらない」という指摘がしばしばされます。

これは全くその通りなんですけど、少なくとも働き方改革(2019年)以降は「働き盛りの男性正社員」がもっとも労働時間が下がっていたりするので、やはりここでも「業務量が増えたから」というロジックは不成立です。



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出典: 働き方改革で労働時間が減った人はだれか



とはいえ、何らかの理由で仕事が脳の限界を超えちゃっているのは事実でしょう。



労働時間でないとすると、みんなの脳を追い込んじゃってるものって何でしょうか。
ストレス?それともプレッシャー? 意外と花粉とか?

逆に、昔はそこら中にあって「頼れる相棒」として脳を支えてくれていたのに、近年急激に減ってしまったもの、あったりします?

美味しい空気や水、エアコン無しでも寝られる夏とか?

というわけで、今回はメンタルとキャリアについてまとめたいと思います。多分万人にとって重要なテーマでしょう。


労働者を追い詰めたのは新たな脅威か、それとも大切なものの喪失か


上記の報道には色んなレスがついてるんですが、(労働時間を除くと)近年増えた負担としては「ITやスマホによるストレス」を挙げる人が目につきますね。

確かにスマホなんてどこでも手軽にリモートで仕事ができる便利なツールではあるんですが、裏を返せば24時間どこでも作業が要求されうる状況でもありますね。実際、負担を感じる人もいるでしょう。

ただ、ちょうど一人一台PCが支給され始めた頃(90年代半ば)と携帯電話が当たり前になった時期(90年代後半)を経験している身から言わせてもらうと、技術の進歩で「ストレスを感じていた」のは45歳以上の世代の一部でしかありませんでしたね。

「なんで最近の端末は親指シフトじゃないんだ!誰か親指シフトのキーボード探してこい!」みたいな。※1

それ以外の多数派はむしろ事務作業や打ち合わせといったアナログ仕事が減って喜んでた印象があります。

実際、スマホや携帯が無かった時代に戻りたいという人っています?自身も含め、筆者はそんな人には会ったことないですね。


他には「競争」を挙げる人もいましたね。昔より競争が強化されたため、それで従業員の負担感が強まっているとするロジックです。

そういう人は恐らく、

昔  =年功序列でみんな横並びなので競争無い、牧歌的
現在 =脱年功序列、ジョブ化で競争激化

みたいなイメージなんでしょうが、昔からこてこての日本企業ほど社内での出世競争は熾烈を極めていましたね。

年功序列って確かにバカでもある程度(だいたい30歳過ぎくらい)までは昇給させてもらえますけど、そこから先は「年功の積み重ねを競う熾烈な減点主義レース」なので、ストレスはんぱないですから。※2


という具合に、筆者は「新たなる脅威が出現して労働者を追い詰めている説」には懐疑的なスタンスです。


では逆に「昔はありふれていたのに、今は手が届かなくなってしまったもの」って、何かあるでしょうか。

少数ですけど、ちゃんと指摘している声はありましたね。







やりがい、夢、将来性。人によっていろんな言い方があるでしょうし、その対象も一個人のものから社会全体を含んだものまで幅広いと思います。

ここはシンプルに“希望”としましょう。

昔の日本企業にあって今は足りていないもの、それは希望であり、それこそが近年のメンタルトラブル増加と大きく関係しているというのが筆者のスタンスです。


ちょっと想像してほしいんですが、大海原の真ん中でみんなでボートを漕いでいるケース。
船長が「向こうに陸地があるぞ、頑張って漕げば三日で到着だ」と言って、実際みんながそれを信じることが出来たら。

三日どころか一週間くらいは頑張って漕げるはず。

でも陸地までどれくらいかかるのか皆目見当もつかない、というか本当に到着できるかすらわからない状態だと、果たして人は頑張れるでしょうか。たぶん半日後にはみんな嫌になってオールを放り出す人も出ていることでしょう。

この両者のギャップを生み出すものこそが希望なんですね。



※1  「親指シフトって何?」という人は70歳以上の元ビジネスパーソンに聞いてみましょう

※2  終身雇用下での減点レースがどれほど過酷で陰湿かイメージできないという人は「半沢直樹」がオススメです。



諸刃の剣として使われてきた“希望”


なんて書くと「でもすべての人が希望なんて持ってるわけじゃないぞ」という人もいるでしょう。確かにワンカップ片手にパチンコうってるオッサンや、毎日寝転がってワイドショー見てるオバサンが希望を抱いているようには見えません。

そう、希望なんて無くったって人は惰性で生きていけるものなんですね。

ただし、人を拘束してずーっと働かせるのなら、まして主体的に考えさせたり行動させたりしたいのなら、希望は不可欠です。

そしてそれを出来るだけ多くの従業員に提示することが、人事制度の本質的役割だと筆者は考えています。


ちなみに従来の日本型雇用で希望はどのようなものだったかというと、

・年功序列により必ず40歳以降にそれなりのポストを保証されるという希望
・それを可能とするため、少なくとも自分の会社だけは今後も成長を続けるだろうという希望

ですね。言うまでもないですが、今これを信じられるというビジネスパーソンは、総合商社や財閥系不動産開発といった極々一部の優良企業の総合職だけでしょう。

要するに、従業員に希望を与えるという点では、既にほとんどの企業の人事制度は機能不全を起こしているということになります。

もともと終身雇用とその根幹であるメンバーシップ制度というのは、すべての構成員に希望があまねく存在していることが大前提なんです。

好きでもない仕事や、評価されるかわからないような仕事、自身の成長に全く寄与しないであろう仕事も、会社から与えられた仕事は全部こなさないといけませんから。

それを可能とするには「それをしっかりこなせば将来は今よりずっと良い処遇が得られる」という希望は絶対に不可欠なんですね。

ここが世界標準のジョブ型雇用との最大の違いです。


余談ですけど、実は上記ロジックは筆者オリジナルのものでもなんでもなくて、20年以上の職歴のあるベテラン人事の人間ならみんな理解しているはずです。

2000年前後に幅広い業種のJTCでリストラが大流行しましたが、今と違い当時はデフレ最盛期、つまりほっておいても賃金高止まりという「従業員にとってのボーナスステージ」でしたから誰もなかなか手を挙げません。

そこで“追い出し部屋”という名の「早期退職に追い込むための臨時組織」があちこちに作られていました。

といって、鞭で打ったり膝の上に石板を置いたりするわけではありません。

当時もっとも人気のあった追い込み方は「何も与えないこと」

仕事はもちろん、他部署や同僚とのつながりも全部断ったうえで、ファイル整理みたいな「明らかにどうでもいいとわかる作業」を延々やらせるわけです。

そう、希望を奪うために。

すると、だいたい半年でほとんどの人が辞めるんですね。

腕のいい人事の人間は、希望を奪えば人は壊れるということをよく分かってます。

ただそれが、追い出し部屋なんて必要なくなった今、形を変えて普通の職場にじわじわ浸透してくることまでは予想してなかったんでしょうね。


そうそう、そういえばつい先日、熊本の公務員のオッサンが業務中にアダルトサイト見まくって懲戒処分された件が話題となってましたね。



【参考リンク】勤務中にアダルトサイト閲覧 熊本県職員に停職4カ月 業務用パソコンで


「公務員ぬるすぎ」「とっととクビにしろ」みたいなレスがほとんどなんですが、これ完全に壊れちゃってるケースだと思いますね。

精通したての中学生とかならともかく、50代のオッサンが一度見つかって処分された後にまた、それもわざわざ自宅からメモリースティックに入れて持参したエロ動画を職場で見ますかね?

恐らく仕事も居場所も、そしてもちろん希望もないままただ週五日定時いっぱいそこに居続けることにメンタルが耐えられなくなってたんでしょう。

職場でエロ動画を(恐らくあえて見つかるように)視聴するという行為は、オッサンの「俺はここにいるんだぞ、俺は生きてるんだぞ」という魂の叫びだったような気がします。

要はSOSですね。






以降、
希望を取り戻すために必要なこと






※詳細はメルマガにて(夜間飛行)







Q:「理工系の女子枠の就活はどうなる?」
→A:「学校推薦制度に止めをさすんじゃないですかね」


Q:「博士課程の就職について」
→A:「研究職は学校推薦が中心となります」





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ジョブ型雇用ってとん挫しそうなの?と思った時に読む話

今週のメルマガ前半部の紹介です。

数年前からメディアでも頻繁に取り上げられるようになり、一般の人たちにもだいぶ浸透した感のあるジョブ型雇用ですが、ここにきて日本企業内で分岐点を迎えているのでは、とする分析が出されました。



【参考リンク】ジョブ型雇用の導入企業、期待した成果は確認できず


確かに「必要性は理解するし導入してはみたけど、想像以上にハードルが高い」という話はしばしば耳にします。

ジョブ型雇用は一時の流行りものにすぎず、数年後には「やっぱり日本人には年功序列だよね」みたいなトレンドが復活しているんでしょうか。

それとも、この荒波を乗り切った先に目指すべきゴールはあるんでしょうか。

個人のキャリアとも密接に関連するテーマなので取り上げておきましょう。


ジョブ型シフトは着実に進行中と言えるワケ


結論から言うと、筆者はむしろジョブ型雇用は想定を上回るペースで導入と定着が進んでいると考えています。

なぜか。

それはジョブ型雇用に対する手応えを感じていないと出てこないであろう施策の数々を、日本企業側が積極的に繰り出しているためですね。


たとえば前回も取り上げた初任給の大幅な引き上げトレンドですが、逆になぜ今までの売り手市場(バブル期、ITバブル期、リーマンショック前の売り手市場など)においてそれが実現しなかったかと言えば、それは組織がバリバリの年功序列型だったためです。

年功序列のレールがびしっとつながっている以上、新人だけ別レートで引き上げるわけにはいかないんですね。これがあのバブル期ですら初任給が横並びでほぼ崩れなかった理由です。

でも現在は各社とも気にせずバンバン初任給を引き上げています。要するに今後は年功序列のレールは無くして、まったく別のメカニズムで各人の給料を決めますよ、ということです。

それが何かは言うまでもありません。


新卒一括採用から中途採用へのシフトもそうですね。以前にも言及しましたが、新卒採用の本質がポテンシャル採用であることに対し、中途採用の本質はジョブ型なんですね。

本人のスキルや職歴で採用可否を判断するわけですから。

だから、そもそも年功序列型組織と中途採用は水と油なんです(例:すごいハイスペ人材に年功無視で高年俸は出せない)。

それがここにきて大手各社が中途採用の割合を増やしているのは、やはり組織の体質が脱・年功序列しつつある結果でしょう。



【参考リンク】新卒内定、自動車など18業種で減少 中途採用は過去最高


さらに言えば、最近話題の配置転換もそうです。

配置転換というのは余剰人員を吸収余力のある他事業に回すことで雇用を維持するもので、終身雇用の十八番みたいに思っている人も多いでしょう。

でも実際にはメチャクチャ社内的なうけの悪いアプローチなんです。だって、同じ未経験なのに人件費の安い新人ではなく、高給取りのベテランを押し付けられるわけですから(しかも往々にして士気は低い)。

だから、従来の配置転換は「もうそれしか選択肢がないような場合に、必要最小限だけ行う」イメージでした。

それを赤字でもないのに数千人規模で行う企業が複数出現したということは。未経験者が割高でなくなるような、要は働きに応じた給与水準に見直せる道筋がついたということでしょう。



【参考リンク】みずほFGが事務職5000人削減へ…事務センターにAI本格導入、配置転換進め収益力強化



【参考リンク】AI活用で1万人業務代替 NTT東西、見直し加速


これらの点から、筆者は日本企業全体にジョブ型がしっかり根を張りつつあると強く感じているわけです。






以降、
「想像してたのとなんか違う」と言ってる日本企業はどこをどう間違ったのか
ジョブ化をきちんと定着させるためのプロセス 







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Q:「なぜ日本人はAIの進化に否定的だと思われますか?」
→A:「まあ終身雇用だと『クビ=社会的抹殺』みたいなものですし」



Q:「配置転換後のキャリアについて」
→A:「ぜんぜん杞憂じゃないと思いますね」





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ソニーグループ企業の初任給42万円って高すぎない?って思った時に読む話

今週のメルマガ前半部の紹介です。

先日、ソニーグループのソニー・インタラクティブエンタテインメントが、26年4月入社の大卒初任給を42万5000円に引き上げるとリリースし、話題となっています。



【参考リンク】ソニーGのゲーム事業会社SIE、初任給42.5万円に 6万円超上げ


新卒の初任給引き上げはここ数年のブームですが、とうとう一律で40万円の大台に乗りましたね(職種限定ではありましたけど)。

一昨年は30万円代でニュースになっていた記憶がありますがすごいスピード感です。

なぜ新卒の初任給は上がり続けるのか。そもそも、会社は新人に何を期待しているのか。いい機会なのでまとめておきましょう。


そもそも今までの初任給が安すぎた


なぜ近年、新人の初任給だけがぐんぐん上がり続けているのか。それは筆者が何度か言及してきたように、日本企業が脱・年功序列(=ジョブ型)を加速させているためですね。

従来は年功序列だったから、そこから毎年すこしづつ昇給していく前提の新人は、最低限の水準からスタートさせてきたわけです。

でも年功序列を見直すからには、本来期待される働きに応じた水準に再設定される必要があります。それが近年の初任給だけ上がる現象の正体です。

ちなみに年功序列が見直される理由は、企業と労働者どちらももはやそれを信じられなくなったからです。

20年以上かけて人材育成しても「(早期退職で)数千万円出すから頼むから辞めてほしい」レベルの人材しか育たないじゃないかというのが企業側の正直な感想でしょう。

また働き手も「若い頃に滅私奉公+安月給で我慢した先輩方は、全然出世してないじゃないか」とみんな思っているはず。だったら若いうちから出すもん出せよと考えるのは当然でしょう。

というわけで、脱・年功序列のトレンドは今後も加速するはずです。


ただし、注意点もあります。それは、初任給が上がるトレンドが今後も続くとは言っても、みんなが一律で上がるわけではないということです。

そもそもジョブ型というのは従来の年功序列とは違い、一律で処遇される制度ではありません。上がる人がいれば当然下がる人も出てきます。

今回の初任給42万円の対象となるのは理系修士以上のエンジニア職中心で、相当な少数精鋭採用であることがうかがえます。

要するに、従来の年功序列では最も損をしていた層であり、ジョブ型でもっとも再評価される層ということになります。

では逆に、どういう人達の処遇が下がるんでしょうか。それは特にこれと言ったジョブが決まっておらず、ポテンシャルだけで評価されていた層、はっきりいえば文系の事務職志望ということになります。

なんて書くと「初任給が切り下げられたなんて話は聞かないぞ」という人も多そうですが、一々ニュースにはならなくても、このインフレ時に賃金を上げずに据え置くだけで充分に実質賃金は下げられますから。

もちろん、中にはニュースになるケースもありますけどね。言うまでもなく「採用しない」は究極の処遇切り下げです。



【参考リンク】SBI北尾社長、AI活用で採用削減「よほど優秀でないと採らない」


というわけで、筆者は今後も専門性の高い技術職や、一部の営業職の処遇は上がり続けると見ています。恐らく40万円台は通過点で、優秀者ならもう一段か二段くらいは引き上げられるでしょう。

でも、だからといって「やっぱり大卒を目指さないと」と考えるのは間違いです。まあ既になにがしかの職歴やスキルを身に着けることに成功した中高年の事務職は別にして、これから若者が文系大学に進学するのはものすごく高リスクだというのが筆者の見立てですね。


どうしても初任給に目が行きがちだが、注目すべきポイントは別(その1)


あとSNS上の反応を見ていていくつか気になったポイントを。

「45時間分の固定残業代を含むからいっぱい残業させられるに違いないし、サビ残させられれば時給は他社より低くなる可能性もある」

みたいな意見が散見されましたが、これは明確に間違いです。

まず、固定残業代(みなし残業とも)というのは、やってもやらなくてもあらかじめそれだけの時間外手当を支払うという制度であり、それを上回った場合はその分の時間外手当は別途支給されます。

だから会社からすると一円の節約にもならないどころか(たいてい職場の平均的な残業時間より多めに設定するため)普通は負担が増えることになります。

でも固定残業代の時間分は残業させられるんだろ?という人もいるかもしれませんけど、少なくとも筆者の知る限り、固定残業代を導入した会社は例外なく残業時間は減っていますね。

理由はシンプルで、たとえば月45時間の固定残業代が導入されている職場だと、全員一致団結して残業は45時間未満にしようと努力するためです。

時間外手当を青天井で支給する会社だと「生活費がきついから副業代わりに月40時間残業やってます」みたいなバカが必ず職場に一人はいるもんですが、そういう人がいなくなりますから(そういうのに限って固定残業代が出るようになると真っ先に定時で帰る)。

余談ですけど、そういうバカってただ一人でちんたら働くだけならまだ許せるんですけど、しょうもない仕事作って周囲も巻き込むものなんですよ。

個人的には、そういう人がいなくなるだけでもずいぶん働きやすくなると思いますね。というわけで近年ちょっとだけ流行っている固定残業代、決して悪い制度ではないので、導入している企業は個人的にはオススメですね。






以降、
どうしても初任給に目が行きがちだが、注目すべきポイントは別(その2)
会社のメッセージを見逃すな







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Q:「国保ってめちゃめちゃ割高じゃないですか?」
→A:「一年目はそうなりますね」



Q:「先を見通す力について」
→A:「常にものごとの本質を考えるようにしていれば見えてくるものはあります」






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