今週のメルマガ前半部の紹介です。首都圏を中心に100店舗以上を展開する立ち食いソバチェーンの富士そばが、懲戒解雇した従業員と争っていた労働審判で解雇無効と判断され、未払い賃金の支払いも命じられました。

【参考リンク】富士そば、労組幹部の解雇は「無効」の審判 雇調金不正は認めて返還

同社のやったことをまとめると、

・富士そばは長らく出勤簿を改ざんしサービス残業を行わせていた
・労組を結成し未払い残業代の支払いを求めた労組幹部2人を“懲戒解雇”
・2人の告発でコロナ禍での雇用調整助成金の不正受給も発覚

ということになります。そりゃ懲戒解雇なんて認められるわけないでしょう(笑)

驚くことに、同社は懲戒解雇がダメでも一月後に普通解雇すると予告しているとのこと。普通はこういう場合「司法の判断を真摯に受け止めて~」とかいうものなんですけど完全に裁判所にカウンターパンチ入れに行ってます。

なんだか工藤会のトップみたいですね。
【参考リンク】工藤会トップ、死刑判決の裁判長に「生涯後悔するぞ」


しかし、事はそう単純な話でもありません。実は数年前まで、富士そばは「いまどき珍しいホワイト企業だ」とメディアで持ち上げられていたんですね。

【参考リンク】『富士そば』は超ホワイト企業! 「こんな会社が存在したなんて」と称賛の声

同じ会社が2つの全く異なる顔を持っていたことになります。

そもそもホワイト企業ってなんなのでしょうか?ブラック企業について語られることは多いんですが、ホワイト企業については意外と誰も正確な定義をしないままその名を口にしている印象がありますね。

というわけで、いい機会なので今回はホワイト企業についてまとめてみたいと思います。


安易に“家族”とか“財産”という言葉を使う会社が信用できないわけ


たまに経営者で、従業員を家族だの財産だのと言って持ち上げて、会社の一致団結ぶりをアピールする人たちがいます。

でも、筆者は常々メルマガ等でこう言ってきました。
「従業員を安易に家族とか財産とか言って持ち上げる会社は胡散臭いので注意すべき」

ちなみに富士そばが持ち上げられていた時も個人的には絶対裏があるなと思っていましたが、結果は予想以上でしたね。

では、なぜそうした会社は胡散臭いのか。

たとえば家族であるということは、裏を返せば「社内では無制限の奉仕」を要求される可能性が高いからです。


週2日徹夜したり、月200時間残業できるよね?だって家族なんだから。

もちろんサービス残業でOKだよね?だって家族なんだから。

会社が何か法に触れることしてたって黙認できるよね?だって家族なんだから。



ほら、従業員が過労死する企業とウン十年にわたって組織ぐるみで不正やってた企業ってだいたいかぶってますよね?アレって要するに疑似家族、一種の運命共同体なんですよ。ただの雇用関係だったら誰も死ぬまで働かないし不正に関わったりはしませんから。

奉仕は公私にわたることもしばしばです。たとえばせっかくの連休に社長の趣味に付き合って社員みんな家族連れでキャンプ旅行、ひと月前から終業後に(当然サービス残業で)イベントの企画準備に費やす……etc みたいな会社も実際存在します。確かに、そこまでいくともはや家族みたいなものですが(苦笑)

ちなみに、上記の“家族”として扱ってもらえるのは、あくまでも会社のために貢献していることが大前提です。

一時期、終身雇用をモットーとしているはずのドワンゴが、実は社内に追い出し部屋を作って不要な人材をやめさせていたことが話題となりましたが、あれなんてわかりやすい例だと思います。

【参考リンク】終身雇用バンザイ宣言したドワンゴに追い出し部屋が必要なワケ


まとめると、やたらホワイトぶりをアピールする会社というのは、会社にとって使える人材は“家族”として無制限で働かせるけど、使えない人材や言うこと聞かない人材は容赦なく切り捨てられることもありうるということです。

ホワイトだのなんだのと持ち上げられていた一方で、意に沿わない従業員に容赦ない追い込みをかける富士そばは、その典型例と言っていいでしょう。






以降、
ホワイト-ブラックに変わる新たな基準とは
富士そばとワタミを分けたもの





※詳細はメルマガにて(夜間飛行)






Q: 「長期育休の取得とキャリアを両立させるには?」
→A:「育児と合わせて勉強するしかないです」



Q:「日本がG7から追い出されるなんてことはありえますかね?」
→A:「まずないとは思いますが……」



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