今週のメルマガの前半部の紹介です。
先日、こんな記事が話題となりました。

「有休を1回使うごとに君は信用を失っている」 ブラックすぎる言葉に震撼!

有名な話ですが、ヨーロッパ諸国の有休消化率が軒並み90%以上であるのに対し、日本は5割も消化できていません。↑はまさに、その現状を象徴するようなセリフですね(苦笑)

なぜ日本人は有給休暇を使えないんでしょうか。
「日本企業はみんなブラック企業だからだ」みたいな脊髄反射的コメントは頭の悪さ丸出しなのでやめましょう。

「日本人の勤勉さが原因だ」的な意見も、まあそうした背景が全くないとは言いませんけど、それだけですべてを説明するのは無理があります。

実は、日本人が有給休暇を使えない理由は、もっとシンプルかつわかりやすいものです。それをしっかりと理解すれば、より実りあるキャリアデザインが可能となるでしょう。

有休が権利だけど権利じゃない理由

結論から言うと、日本人が有休取りにくいのは「一般的なサラリーマンというのは、職場という共同体に属していて、共同体のための仕事は何でもこなす“正社員”という名の身分だから」です。

と書くとピンとこない人もいると思うので、町内会主催のゴミ拾いをイメージしてください。「日曜日の朝9時から、各世帯から一人代表で出て、町内のゴミ拾いをしてください」というイベント告知が回覧板で回ってきたとします。

おそらく、9時からスタートダッシュして自分ちの前だけ拾ってさっさと10時に帰れる人は、まあいないでしょう。だって町内には、誰に家の前でもない場所もいっぱいあるし、住み手のいない空き家もあるはず。逆に言うと、そういう“誰の家の前でもない場所”まで皆で綺麗にして街の品位や不動産価格を維持しましょうねというのがイベントの趣旨なわけです。

賃貸でもうすぐ引っ越すのならともかく、持ち家の人ならこれから先もずっとそこに住み続けるわけで、町内会の人たちとの関係を維持するのは重要ですしね。

結果、あなたはたぶんこんな行動をとるでしょう。とりあえず周囲とペースを合わせつつ自分の家の周囲をきれいにし、それから共同で公園とか空き家の前を適当に掃除し、皆が一通り作業を終えた段階でチラチラ空気を読みつつ、2、3人が帰り始めたころにそっと「じゃ、私もそろそろ……」てな具合にお家に帰ることでしょう。

と、書いてて思いましたけど、↑って日本人の有休の取り方そのまんまですね。

要するに、担当範囲が明確でなく、付き合いの長い共同体の一員として参加する以上、どうしても「周囲の空気を読みつつ当たり障りのないように身を処す」必要があるわけです。企業も同じですね。担当する業務の範囲を入社時に契約するわけでもなく、“総合職”という言われたことはなんでもやる身分として入社し、長期間の人間関係維持を前提として行動せねばならないわけですから。

その空気を「有休取るたびに周囲の信用を失っていくんだぞ」と表現するのは、新人の夢を壊さないためにもうちょっとオブラートに包めよとは思いますが、あながち的外れでもなく、むしろ日本型組織の本質をズバリ突いてるなというのが筆者の意見ですね。




以降、
もう賃金は上がらないので代わりに〇〇を上げよう
ムラ社会の中心で、権利を叫ぶ方法



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Q:「降格してしまいました……今後のアクションはどうすべきでしょうか?」
→A:「40歳過ぎたらもう焦る必要はないです」



Q:「地方公務員の人事制度はこれから進化していくんでしょうか?」
→A:「たぶんしないと思いますね」






雇用ニュースの深層

若年層に人気の小池、中高年に人気の鳥越

言いなりになってくれる便利な若者を見つけても、彼らに「社会保障見直し」とか「世代間格差是正」くらいは最低限言わせないと、まともな人間からは相手にされないでしょう。



労働市場改革こそ最短コース

バラマキで借金の山を作った反省からスタートした構造改革ですが、金融緩和を経て一周してまたバラマキに戻ってきそうな雲行きです。



同一労働同一賃金に経団連が反対するわけ

意外に思っている人も多いみたいですが、経団連はどちらかというと同一労働同一賃金には反対ですね。理由は単純で……


他。



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