今週のメルマガの前半部の紹介です。先日、こういう質問をいただきました。

いつもメルマガ楽しみにしています。今日は女性の働き方について教えてください。先日、資生堂が育児短時間勤務中の女性従業員に対し、他の従業員同様の出勤ノルマを課していることがニュースで報じられ、話題となりました。資生堂と言えば女性が活躍する会社として有名な会社。その会社のもう一つの顔が明らかとなったようなものです。

物事には必ず表と裏があり、女性が活躍できる職場には、必ずそれ相応の義務も生じているであろうことは部外者の私にも想像がつきます。ネットでは割と批判的な声も見えますけど、城さん的にはどう考えてらっしゃいますか?参考までに教えてください。


良い質問ですね。というわけで冒頭コラムで取り上げましょう。

まあネット上でも擁護意見の方が割と多いんですけど、どちらかと言えば「資生堂は女性をいっぱい採用してるんだから少々のことは我慢しろ」レベルの話にとどまっているようなので、一度きっちり論点をまとめておきたいと思います。女性のキャリアデザインを考える上でも参考になるはずです。


労働と社会保障は分けて考えた方がよいワケ

雇用問題を考える際の大前提として、筆者はいつも「労働と社会保障は別物なので分けて考えろ」という話をしています。一緒くたにしてしまうといろいろとめんどくさいことになるからです。

たとえば「弱者は可哀想だからもっと規制強化して企業に面倒みさせろ!」というのは、既に企業内に椅子のある正社員とぜんぜん関係ない第三者からすれば実に楽ちんで見栄えのいい意見ですが、企業からすれば労働者の社会保障まで丸投げされる以外の何物でもありません。だから、そういう場合は、弱者をどんどん採用対象から外していくことになります。

以前TVタックルに出た際に「可哀想な派遣労働者」の代表としてスタジオに呼ばれていたのは全員シングルマザーでしたが、彼女たちはそうして社会が企業に社会保障を丸投げしていった結果、そこに集まってしまったとも言えるわけです。

そんな彼女たちを前に「派遣さんは可哀想だから規制強化すべきだ!」と大竹まことがどや顔で語り、連合組合員の支援で飯を食ってる民主党・山井議員が休憩時間にすかさず「我々民主党も派遣労働者のために闘いますよ!」と名刺を配って歩いているのを見て、筆者はあんたらなんのコントだよと思いましたね。


必要なのは自由競争とその結果に応じた流動的な処遇なわけです。というと「そこから漏れた人はどうするのだ!」みたいな人がいますけど、それは政府の仕事であり、どこまでお上がケアするべきかこそ、本来は右と左で議論すべきなわけですね(我が国の場合、ここで「大きな政府」を主張する人はほぼ皆無ですが)。

さて、ではそうした観点から資生堂のアクションをチェックしてみると、面白いことがわかります。短時間勤務自体は柔軟な働き方の一つであり別に損得の話ではないです。ただ、短時間勤務者にだけ優先的にシフトを選ばせれば、その分の負担は一般従業員がかぶることになります。というわけで、そこはきっちり線を引きつつ、短時間勤務者にも遅番、休日出勤を義務付けているわけですね。同社の労働と社会保障に対する姿勢は、一本筋が通っていると筆者は考えます。

仮に短時間勤務者は優先的に16時くらいには上がれます的なルールを作ったとしたらどうでしょう。恐らく、小さい子供のいない女性や男性従業員は強い不公平感を抱くことになります。さらに言えば、別に早く帰る必要のない人も「特権あるなら使わないともったいないから」という理由で早く切り上げるようになるでしょう。労働と社会保障の線引きをごっちゃにすることで、現場はますます人手が不足し、士気は乱れるはず。

労働組合なんかと一緒に人事制度に対するアンケートを取ると、実際にそうした不満はものすごく多いですね。曰く、短時間勤務なのに査定もボーナスの額も同じなのはおかしい、自分たち一般従業員に負担が押し付けられているetc…

本来、仕事と家庭の事情をきっちり切り分けて、きちんと成果にたいして報酬を支払っていればそんな不満なんて発生しないものです。そう考えると、資生堂は問題の本質がよく分かっているなというのが筆者の意見ですね。仕事で活躍したいという女性には安心しておススメできる企業だと思います。



以降、
女性のキャリアプランの最大の障害とは
現状の日本企業における女性の理想的キャリアデザイン




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Q:「大阪自民の柳本さんって実は凄い人なんじゃないでしょうか?」
→A:「会ったことないのでわかりませんが、まああえて言えば……」



Q:「個人で生産性を上げるコツを教えてください!」
→A:「何でもいいですが、筆者の場合で言うと……」







雇用ニュースの深層



袋小路にはまってしまったアベノミクス

GDPが2四半期連続マイナスとなったことでいよいよアベノミクスの退潮が明らかとなってきました。以前から海外メディアは盛んに疑問符をつけていましたが、ここにきて国内メディアにも不信が広がっているようです。




15年後に800万人近く働き手が減る国で今すべきことは何か

普通に考えて、15年で20%も働き手が減る地域はもはや手遅れでしょう。


他。





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