今週のメルマガの前半部の紹介です。
今、この文章を書いている日時は、23日の日曜日の午後です。今朝までずっと出張で、ようやく家に帰宅して書斎に向かっているところです。実に天気の良い日曜日。外は子供連れで散歩している家族や、これからドライブにでも行くのか、車をピカピカに磨いているオジサンばかりです。

筆者も、週末いろいろ立て込んでようやく帰ってきた日曜日の午後くらい、どこかに遊びに行かせろよという憤怒にも似た気持ちが、ともすれば己の中にわきあがってきます。というわけで、正直に言いますと、今、筆者はまったくもって仕事をする気になれません。

ただ、本来、従業員の士気を高め、やる気のない者もやる気にさせるのが良い人事制度というもの。そして、それはそのまま、個人にもあてはまる話です。そこで今回は、筆者が人事制度と同じ原理を応用して、いかに個人のモチベーションを奮い立たせるかを、自己をモデルケースとして説明したいと思います。

従業員をやる気にさせる人事制度の3つのポイント

まずはやる気を引き出す良い人事制度について説明しましょう。筆者が考えるポイントは大きく分けると3つあります。

1.成果を出せば、必ず報酬に反映される

これは、もっとも大切な大原則といっていいでしょう。人は報われるとわかっているからこそ頑張れるのであり、成果が報われるという信頼感は組織にとって何より重要なものです。なんてことはビジネスマンにとっては大常識なわけですが、世の中には「日本企業が年功序列制度を維持していた昭和の頃はよかった。成果主義だのなんだの言いだしてから日本社会はおかしくなった」的なことを言う人もいます。

こういうことを言う人は、人事制度をまったく理解していない人に多いですね。具体的にいえば、時間軸を考慮していない。(仮に昭和の時代の人事制度が素晴らしかったとしても)それは当時の年功序列制度が横並びだったことを意味しているわけではなく、20年や30年といった長いスパンでキチンと報酬を支払っていたにすぎません。

社長になる人もいれば課長程度で終わる人もいたわけで、長期的にはしっかり格差がつく制度だったわけです。そんな長期間、人生かけて出世レースをやっていたのだから、昭和の先人たちは物欲がないどころか、物欲にまみれたギラギラした人達だったことがよくわかりますね。

それが90年代以降に崩れ始めて「会社や社会がおかしくなった」のなら、やっぱりもっと短期でしっかり報いることのできる報酬制度の整備が必要だという結論に落ち着くはずです。ちなみに、筆者は「きっちりと成果に応じて報酬を支払う」報酬システムの不在こそが、日本の産業構造が20年経っても変わらない理由だと考えています。

ちょうど今年の春闘で、NTTが「50代の、それもなぜかヒラ社員にだけ1300円ベアをばらまくことに決めて、若手がガックリきている」というしょうもないニュースが流れていました。なんでいまさら50代に1300円ばらまくのか、それは何かの生産性向上に応じたものなのか。そして若手はこれからどうすれば昇給できるのか。筆者にはサッパリわかりません。きっとNTT人事にもわかってないでしょう。

というわけで、とりあえず同社若手が昇給する手っ取り早くて唯一の手段は、目いっぱい残業することくらいですね。そういうプロセスから何か新しいうねりが生まれてくる予感はゼロですが、まあNTTだからそれで問題ないんでしょう。

2.具体的なアプローチに裁量がある

こちらも、表現は様々ですが、言われてみれば聞いたことがあるという人が多いでしょう。人間は、ただ命じられるより、ある程度の裁量をセットで与えられた方がやる気になるという話です。たとえば、ただ単に資料整理を新人にやらせるより、ある程度は業務のフローを教えつつ、自分が後から整理しやすいと思うように分類、ファイリングさせると、その後の飲み込みは見違えるほどに違ってくるものです。

フレックス勤務や裁量労働制も、本来はそうやって各従業員の生産性を高めることが狙いです。たまにトップが「みんなで朝一番に出社した方が気分がいいから」なんて言ってフレックス廃止とか打ち出す会社がありますが、ただのアホですね。「部下のマネジメントでは出退勤時間しか見えてません」と世界に宣言するようなもんでしょう。

話は変わりますが、筆者はいろいろなNPO団体の人から「こちらが一方的に提供するのではなく、市民や行政の方を巻き込んで一緒に活動していくことが活動を成功させるポイントです」といった話をしばしば聞きます。彼らは経験上、人は主体的に参加してこそエネルギーを発揮するということを理解しているのでしょう。

3.一定の流動性が担保されている

そして、見過ごされがちですが、実は今の時代に最も重要なポイントなのではないかと筆者が考えているのがこれです。具体的に言うと、査定で何回低い評価を取っても、その後にいくらでも挽回可能な制度のことです。

「4年間査定8回連続A評価以上」的な内規は、一部のスーパーマン以外を腐らせてしまいます。何回コケていようが、小さな一歩をしっかり評価して次の成果につなげる仕組みがなければ、組織は数十年にわたって人材の不良債権を抱え込むことになりかねません。

もちろん「腐った人間はとっとと解雇すればいい」という考えもあります。でも、日本はそういう国ではないので、トップレベルを優遇するのと同様に、中~下位の成績の人材を活性化することもしっかりと考えなければいけないわけです。

こうしたポイントを押さえている職場にいくと、すぐに雰囲気でわかりますね。メンバーの多くがいかにして生産性を上げるか工夫を凝らし、くすぶっている人間も仕事しているふりをしている人間もいない職場。仕事でお付き合いをさせてもらっても、投げたボールがテンポ良く返されてきて実に気分がよいものです。


以降、
やる気を引き出すための具体的なアプローチ
小保方さんはセルフマネジメントの達人 他


※詳細はメルマガにて(ビジスパ夜間飛行BLOGOS







Q:「派遣社員が社員食堂を使えない会社はアリですか?」

→A:「デートで必ず割り勘にする奴、居酒屋でお通し拒否して威張る奴みたいんもんです」







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当たり前の話ですが、雇用形態をどういじったところで、会社が払う人件費総額が増えるわけではありません。重要なのは、組織内で最適な分配が出来るかどうかです。


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割に合わないと思えば転職する。バイトがバックれた穴は正社員が徹夜でもなんでもして埋める。いやあ、流動的な労働市場ってホントに素晴らしいですね。


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筆者の知り合いには「東大に入れば高収入になれる」と思って東大入ったけど全然そうはならなくて、30歳過ぎてから「弁護士になりさえすれば高収入になれる」と思って頑張って合格したけどやっぱり高収入になっていない人が割といますね。そろそろ看板だけじゃ飯は食えないことに気付くべきでしょう。


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笑い話で済んでますが、本番は身内にフリーターやニートのいる氷河期世代が45歳を超えてからでしょう。

他。







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