筆者は、風邪をひいて風邪が治った後もせきだけ一カ月以上続くことがたまにあって
まあそういうもんだと思っていたのだが、先日、知人から紹介された病院で処方された
薬を飲むと一晩で治って驚いた。あまり病院に縁がないので医者なんてどれも同じだろう
と考えていたが、やはりピンキリなものらしい。

さて、その医者から興味深い話を聞いたので紹介しておこう。
先日、予後検診に行った際、クリニックはインフルエンザ患者で混雑気味で、診察室
では自然とその話になった。
「城さん、人事系のお仕事されてるんでしたらインフルエンザ関係の証明書ってご存知です?」
「ええ、会社によっては治るまで出社を禁止して、診断書みたいなものも提出させる
ところがあるらしいですね」
「実はね、その書類にも二種類あるんですよ」
なんでも、「インフルエンザになりました」という証明と、「インフルエンザはもう治りました」
という証明の二種類あるという。

インフルエンザだと偽ってサボるのも、インフルエンザもう治りましたといって出社して
くるのも、会社からすれば迷惑な話だが、そのどちらの証明書を提出させるかで
その会社の社風はおのずと見えてくるものだ。

・サボった方がトクな会社、無理した方がトクな会社

「インフルエンザになったので休ませてください」という診断書が必要だということは、
サボれるもんならサボった方がトクだというインセンティブが組織内に常に存在する
ということだ。ここから分かるのは、その組織が基本的に減点方式の人事制度だと
いうこと。ミスが無ければ評価されるシステムなら、体調悪いのにムリして出社なんて
する必要はない。
医者の診断書は「これは減点対象ではないですよ」という証明書のようなものだ。

これに対して「もうインフルエンザは治りました」という一筆が必要な組織の場合、
ムリをしてでも出社した方がトクだというインセンティブがうかがえる。
つまり、何かしらの成果を上げた人間が評価される加点方式だということだ。
たとえ他者に感染させてでも、自らが成果を上げた方が(個人としては)合理的と
考える人間がいるのだろう。

・減点方式が合う会社、加点方式の方がのぞましい会社
・個人で加点タイプにシフトする方法
・実はもう始まっている加点型組織への大転換


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Q:「モチベーションゼロの人間に火をつける方法は?」
→A:「人事制度変えるか、金八先生になるしかないですね」


+不定期連載 人事に歴史あり
今回のお題は「ブラック企業 徳川家康」

天下統一を前に謀反に倒れた信長。その後をつぐも安定化することなく一代で
終わった豊臣政権。両者をつぶさに見てきた家康の人事制度は、
見事にツボをおさえたものでした。

コテコテの終身雇用組織だった徳川家
長男が切腹しなければならなかった理由とは
「三河物語」ににじみ出る年功序列世代の鬱憤
そして、終身雇用的価値観が残った



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