公務員制度改革の一環として、政府が“横並び昇進”の廃止を検討中とのこと。
まあ正しいことではあるのだが、まだまだ一里塚という感じは否めない。
というのも、これは民間で10年以上前に通り過ぎてきた道だから。

90年代半ば以降、日本においても能力主義・実力主義への舵取りが進められたのは
周知のとおり。このステージでは、横並び昇進の廃止と優秀者の抜擢が盛んに喧伝
されることとなった。そう、まさに政府方針と同じ。

ところが、これはすぐに形骸化し、ほとんど実質は従来の制度と変わらなかった。
理由は簡単。
上記の方針を見ればわかるとおり、「既に上がっちゃってる人の降格」が含まれていない。
つまり、椅子の数自体は増えるわけではないから、抜擢と言っても
たかがしれているわけだ。
面白いのは、「成果主義だ!」と言ってる企業も「いやうちは年功序列で」と
言ってる企業も、社内の状況は大して変わりはしなかった点。
空きポスト数自体は変わらないのだから当然だろう。
公式に横並びを崩すことを認めたか、結果的に崩れてしまったかの違いでしかないのだ。

結局、最終的には降格も含めた流動化が必須となるわけだ。
官でもきっと同じことが起きるだろう。
真の公務員制度改革は、そこから始まる。
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