独身中年男性ってみんなおかしくなるの?と思った時に読む話

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先日、SNSで以下の記事がバズりました。


【参考リンク】独身中年男性、狂ってきたので今のうちに書き残しておく

特に中高年男性からの共感のレスが多いように見えますね。筆者も(男性に限りませんが)そうした中高年は多く見てきたし、自分自身にも通じる部分はあります。

恐らく上記記事を読んで「自分にはまったく無縁な話だ」と言い切れる人はいないんじゃないでしょうか。

というわけで、今回は中高年クライシスについてまとめたいと思います。実はキャリアとも表裏一体の話でもあるからです。


成熟に伴う変化にどう向き合うか


結論から言えば、中高年というのは“おかしくなる”年齢ではなく、成熟にともなって肉体的にも精神的にも色々な価値観が変化するタイミングだというのが筆者のスタンスです。

たとえば、趣味を通じて得られるものの中には、単純な楽しさ、面白さにくわえ、成長、自己実現や能力の発揮といった要素も存在します。

単純に面白いという理由だけでやっていた趣味から得られる満足感は、中年になって体力・集中力が落ちてくると相対的に低下することになります。

遅くまで飲み会したり、ドラマや映画を週末で一気見したり、徹夜でゲームしたりといった趣味を卒業する人というのは自分の周囲にも多いんですけど、理由はこれでしょう。「昔ほど楽しくはないな」という娯楽は自分にもありますね。

そういう趣味との付き合い方というのは、一言で言えば「(体力なり時間なりを)ひたすら消費する」スタイルなんですね(以後「消費型」と呼びます)。

一方で、単純な楽しさ以外の要素を含む趣味は、年齢を理由に引退する人は少ない印象があります。

たとえば以前、都内で有名起業家から学生、主婦まで教えている書道の先生に話を聞く機会があったんですけど、一番継続するのは定年退職後の人だとか。

理由は、字というのはそれまで積み重ねた人生経験が出やすいので、それに気づいた人ほどはまりやすいんだそうです。

まさに先述の「成長、自己実現や能力の発揮」といった要素がちりばめられているのがわかると思います。

消費型とは逆に、こっちは「自分の中に積み上げたものを引き出したり、さらに磨く」スタイルだと言えるでしょう(以後「積み上げ型」と呼びます)。

実はこれ、後述するようにキャリアも全く同じなんですね。

繰り返しますが、中高年というのは、成熟に伴いそれまでの価値観が徐々に変容していくタイミングなんです。仕事でもプライベートでも、そうした変化に対応する柔軟さが求められることになります。






以降、
30代後半で仕事がおっくうになる人の共通点
キャリアデザインで中高年クライシスを乗り切るポイント








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Q:「外資も解雇が難しくなれば処遇の悪化が進みませんか?」
→A:「間違いなく悪化するでしょう」



Q:「Uターンを理由に転職する人間をどう思いますか?」
→A:「理由としてはぜんぜんアリです」





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新人が転職する気まんまんなんだけどウチの会社は大丈夫?と思ったときに読む話 

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「職場環境がホワイトすぎて新人が離職するケースがある」という話がちょっと前に話題になりましたが、新人の5割が入社した段階で既に転職を視野に入れているとの調査結果も出てきました。

若手の意識変化のスピードは想像以上ですね!


【参考リンク】就活生調査、半数が転職視野 「終身雇用信頼できず」


一方で既存組織の中からは「いくらなんでも腰が軽すぎる」「そんな新人ばかり採って会社は大丈夫なのか」といったレスも聞こえてきます。

なぜ新人の意識は急激に変わっているのか。そしてそんな新人の変化は今後会社組織にどういう影響をもたらすのか。

いい機会なのでまとめておきましょう。


「年功序列では必要な人材は育たない」という点で企業はほぼ一致している


仮に、企業がいっぱしのビジネスパーソンとして求める人材レベルを10としましょう。

どういうレベルかというと、なにがしかの職種で高い専門性を持ち、その分野で常に最新の情報にアップデートができて、さらなる高みを見据えて研鑽できる人材です。

そして何より重要なのは、それらのアクションを「会社から言われなくても」自分できっちり行えることです。要はプロフェッショナルということですね。

従来の年功序列制度では、せいぜいレベル5か6,下手をすると4くらいの人材しか育成できませんでした。そのレベルの人材は以下のような人達で、年齢で言うと40~50代が中心です。


・処遇に不満はあっても転職する気はない
・新しいことに対してはとりあえず「やらなくていい理由」を探す
・課題を見つけても見て見ないふりをすることが多い



たぶんどこの職場にも該当する人は複数いるはずです。

今の職場で活躍しているわけではない。かといって新しいことに挑戦するでもなく、転職もしない。まさに“煮ても焼いても食えない”とはこういう人達のことですね。

実は今、こうした人材をどう処遇してゆくかが日本企業最大の課題だったりします。

フォローしておくと、別にそうした人たちの資質に問題があったわけではなく、純粋に制度の副産物なんですね。

ジョブローテーションでいくつもの職を担当させつつ、細かい専門性は求めず年功序列で一律に処遇
→ 結果、すり合わせ調整は得意だが特に専門性は無く、本人にもプロの自覚はない

年功序列で自動的に上がるのはおよそ40歳くらいまで(そこから上は要管理職ポスト)
→ 上がり目が無いのだから現状維持が合理的

そういう“レベル5”くらいの中高年をどうリブートしていくかは別にしても、とりあえず企業としては今までのやり方を見直すしかありません。

ではどうするか。年功序列で自動的に上げるのではなく、より付加価値の高い業務をこなす意欲、能力のある人材だけを上にあげていく仕組み、つまりジョブ型へのシフトですね。

これなら現状維持したい人は賃金もずっと現状維持なので企業からしても特に問題ないわけです(本人の人生上は問題かも、ですが)。

そういう観点から見ると、先にあげた“腰の据わっていない新人”はどう映るでしょうか。

「負担の重さより成長重視」しつつ転職も辞さないスタンスは、まさにジョブの時代にフィットしたものなのは明らかでしょう。

「うちの新人たち、普通にそのうち転職するって言ってるんだけど」という会社の人は、会社の採用戦略が順調に進んでいると思って安心してください。

逆に「この会社には入れたことだけで満足です。やりたいことは特に無いですが言われたことは何でもやります」みたいな20世紀風の新人しかいないという人は、会社の10年後を心配したほうがいいですね。






以降、
日本企業がGAFA予備校を卒業するために必要なこと
“離職率”という言葉がもうすぐ死語になるわけ






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Q:「転職面談でお金の話をするなという人をどう思いますか?」
→A:「じゃ何の話すればいいんですかね(笑)」



Q:「組合の上部団体に加入するメリットとは?」
→A:「まあまとまって大所帯になった方が要求が通りやすくはなりますね」



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日本人って草食系だからストやる根性がないの?と思ったときに読む話

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世界的にインフレが進む中、先進各国では賃上げを要求する大規模なストライキが実施されています。


【参考リンク】米でストライキ8割増、人手不足やインフレで強気の要求


【参考リンク】英国で33年ぶり大規模ストライキ、スナク政権の火種に



【参考リンク】ドイツ7空港で大規模スト、約30万人に影響 ミュンヘン安保会議にも



一方、日本ではストどころか春闘は順調そのもの、決裂の“け”の字も出ないまま無風通過となりそうです。こういう従順な姿勢こそが「失われた30年」の原因だという声もありますね。




どうして日本人は自身の属する組織に対して強く主張しないんでしょうか。やっぱり一部の人たちの言うように「和をもって尊しとなす」みたいな価値観が染みついてるからなんでしょうか。

いい機会なのでまとめておきましょう。


日本でストライキが行われないのはそもそも労使のスタンスに違いがないから


まず大前提として、会社が負担できる人件費は経営環境で大方決まっているため、気合や根性でどうにかなるものではないです。

会社をずっと存続させつつ、人材を含めたいろいろなものに投資をして利益を伸ばしていこうと考えたら、人件費の合理的な水準はだいたい決まっているものなんですね。

「定年を引き下げる」とか「解雇しやすくする」とか、あるいは「社会保険料を引き下げる」といった具合に、環境の方に手を加えれば手取りを増やすことは可能でしょう。

でもそれらは政治マターであって労使で交渉するテーマではないですから。

では、他国でストやってる労働者は何を要求しているのか。簡単に言うと彼らの主張はこんな内容になります。

「会社の存続とか成長なんて俺たち労働者が知ったことか。黙っていますぐこれだけ払え」

会社の経営に責任を持つのは経営者でリスクは株主に、労働者としては今すぐこれだけ必要なんだから払え、というスタンスなんですね。実に労働者らしい分かりやすい姿勢だと言えるでしょう。

ところが。我が国の企業別労組はそういう風には考えません。10年20年後、いや更にそれ以上にわたって組織が安定して存続し、成長していくことに軸足を置いて判断します。

なぜかと言えば終身雇用だから。会社はただの腰かけなんかじゃなく、新卒カード使って入社して人生預けた運命共同体だから、後先考えない経営なんてされたら労組が困るわけですよ。

サラリーマン社長なんて大体数年でリタイヤするし、株主も株売ったらサヨナラですけど、サラリーマンは人生かかってますからね。

日本の企業別労組は経営者以上に経営者目線に立って、自分たちの賃上げを考えているということになります。

経営にダメージを与えるストライキなんて頭の片隅にすら存在してないはずです。

数年前に安倍さんが官製春闘で労使に賃上げを呼び掛けた時に、連合幹部が不快感を表明したことが一部で話題となりました。

「労組なのに賃上げを嫌がるなんてどういうこと?」と疑問に思う人が多かったようですが、彼ら連合が経営者より経営者寄りの視点を持っていると考えれば違和感はないはず。

政治の都合で賃上げされれば、リスクを引き受けるのは自分たちだとよく理解していたんでしょう。






以降、
ストライキとは、その国の労働市場の流動性、健全さを示す目安である
ビジネスパーソンは“一人インバウンド”を目指せ






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Q:「内定後の辞退を減らすには?」
→A:「入社の付加価値を高めるか、面接時に本気度をチェックすべきです」



Q:「転職すると伝えたところ強く慰留されました」
→A:「部下の離職は管理職自身の評価にマイナスなのです」





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育休中って学び直ししなきゃダメなの?と思ったときに読む話

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岸田総理が育休中のリスキリング(学び直し)支援を表明したところ、「子育てなめてんのか!」と批判が殺到しています。


【参考リンク】リスキリングって何?育休中にできるの?

まあ新生児の面倒見るって一種の戦争状態なので、その傍らでスキルアップなんて筆者も非現実的だと思いますね。

でも、なぜ総理はそんな自明のことをスルーした上で育休中のスキルアップなんて言い出したんでしょうか。

その背景を紐解くと、日本型雇用のもう一つの顔が見えてきます。女性はもちろん、男性にとっても今後のキャリアを考えるうえで良いきっかけになるはずです。


年功序列制度のもとでは、女性はキャリアを諦めるかオッサン化するしかない


そういえばちょっと前に「某社で育休取得したら出世でマイナス評価されて悔しい」みたいなtweetがバズりましたね(ご本人がつぶやきを消しちゃったようなので引用はしませんが、興味ある人はググればまとめ記事が出てくるはず)。

フォローしておくとこれは某社だけの問題ではなく、育休取得した人間に昇給や昇格でマイナスの影響が出るのは珍しいことではないです。

良い悪いの問題ではなく、実際に育休期間中は仕事してない以上、昇給や昇格で差がついてしまうのは仕方がないでしょう。

仮に「育休取っても一切マイナスの査定禁止!」みたいなことを法律でやってしまうと、ずっと勤続していた人間たちの士気がダダ下がりします。

特にジョブ型と違い業務範囲が決まっていない日本型雇用の場合、休んでいる人間の業務は別の誰かがボランティアで引き受けている可能性が高いので、士気低下どころか深刻なヘイトが組織内に生まれるはず。

よく「勝手に育休なんか取ってみんなに迷惑かけやがって」みたいなことを言う意識低い系の人間がメディアで話題になったりしますね。

筆者に言わせればあれは意識レベルの問題じゃなくて、単純に人事制度の問題なんです。業務範囲が曖昧なまま集団で仕事しているから有休や育休取ったら「自分だけ楽しやがって」となっちゃうわけです。

繰り返しますが、育休取って出世に影響が出るのは仕方ないんです。

問題は、基本給積み上げ式の年功序列型組織の場合、基本給を積み増せなかった影響はその後もずっと残るし、それがゆくゆく昇格にまで影響してくるということなんですね。


じゃあどうすればいいかというと、現行の人事制度の枠組みの中で考えろと言われれば、育休中のスキルアップ支援くらいしか出てこないのはしょうがないんじゃないでしょうか。

もちろん、あくまで希望者だけ。それで実際にスキルアップ出来て、復職後の昇給や出世への影響を抑制することが出来たら万々歳くらいの感覚でしょうか。

という観点を踏まえると、普段から「終身雇用こそ正義!雇用流動化は反対!」みたいな皆さんは、ぜひとも岸田さんの決断を応援してあげてください。で、育休中の人達には「年功序列の秩序を守るためだ!子育てと並行してリスキリングも頑張れ!」と激励してあげてください。

残念ですが、現行制度ではそれが唯一の均等な処遇への道すじなので。

逆に「育休中にそんなことできるわけないだろ!」というのなら、年功序列や終身雇用自体にそもそも無理があるということになります。

枠組み自体を見直すしかありません。







以降、
育休や休職の影響を最小限におさえるコツ
たいていの生きづらさは年功という梯子を降りることで解決する










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Q:「口コミはどこまで信用できる??」
→A:「その人はそういう意見なんだな、くらいに思っておいてください」



Q:「20代後半で初めて就活する人間にアドバイスを」
→A:「人間万事塞翁が馬です」






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賃上げって気合いとかポエムでどうにかなるものなの?と思った時に読む話

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いよいよインフレの波が日本国内にも迫ってきましたね!つい先日は東電も家庭向け電気代の3割引き上げを申請しました。

幅広い商品の値上げラッシュは春にかけて続くでしょう。
そんな中、政治家や財界からは「今こそ企業は賃上げを!」の大合唱がわき起こっています。



【参考リンク】岸田首相 “物価上昇率超える賃上げの実現を” 年頭記者会見


【参考リンク】松野官房長官、中小企業賃上げへ全力


【参考リンク】「賃上げは企業の社会的責務」、ベアの「前向きな検討」も明記…経団連春闘方針

【オマケ】



でも、言うだけならタダなんですよ(苦笑)
ていうか今までだって毎年何かしら言ってたでしょ。

問題は賃上げ実現のために具体的に何をするかであって、それをやらずに言うだけ番長続けてきた結果が“失われた30年”なんじゃないですかね。

というわけで、今回は本当に中身のある賃上げ策とは何か。その中で個人のキャリアデザインはどうあるべきかをまとめたいと思います。


多くの日本企業にとって、賃上げどころか絶好の賃下げチャンス到来


そもそも、なぜ政府はこれほど賃上げをせかすんでしょうか。

それは彼らが、少なくともこの十年くらいほぼ一貫して「デフレが諸悪の根源、デフレさえ脱却すれば賃金も経済成長率も上がるはず」という考えにたって経済運営してきたからですね(温度差はありますけど野党もだいたい同じスタンスです)。

「アベノミクスとか色々やってみたけど、物価上がっただけで実質賃金はむしろ下がりました」じゃ国民のクビしめてお尻ぺんぺんしただけの結果なわけです。政権もたないです。

実際、岸田政権の支持率は超低空飛行が続いていますが、単純に生活が苦しくなっただけの国民がほとんどだという結果でしょう。



【参考リンク】内閣支持率最低の26.5% 立憲民主も下落 時事世論調査


では、なぜ日本人の賃金は上がらないのか。これはいつも言っているように以下の3点が大きな理由です。

1.終身雇用のコストが高騰しているから

少子高齢化が進み、人口ボーナスから人口オーナスに転換する中で、この国で正社員を定年まで雇い続けるコストは90年代以前と比べて比較にならないほど高騰しています。

分かりやすく言うと「定年まで雇ってあげる代わりに賃金はうんと安くしなければならない時代になった」ということです。

2.定年がどんどん延ばされているから

そんな状況にもかかわらず「年金財政が苦しいから民間でめんどうみといて」とばかりに、この30年間一貫して定年は55歳→60歳→65歳へと引き上げられ続けています。

昨年からはついに70歳雇用も努力目標として企業に課されています。これも賃金を抑える強力な要因ですね。

3.社会保険料もどんどん押し付けられているから

これもたびたび述べていますが、社会保険料も含めた人件費はジリジリですが上がってはいるんです。手取りが減っているのは社会保険料として天引きされる額が増えているからです。

あと「半額は会社が負担してくれているはずだ」という小学生がたまにいますが、会社は社会保険料等すべての負担を含めて人件費としているので、社会保険料が上がれば手取りは減ります。

会社負担か本人負担かなんて関係ないです。

【参考リンク】サラリーマンが目先のベアより社会保障の抜本改革を要求すべき理由


さて、そういう観点からここ10年くらいの政府の政策を振り返ってみると、賃上げをアシストするような具体的な政策って何かあったんですかね?

「何もやってない」ならまだマシですよ。実際は定年はさらに引き上げるは、(消費税引き上げや社会保障給付の見直しは高齢者が反発するから)社会保険料だけずるずる引き上げ続けるはで、むしろ絶対に賃上げできない環境づくりを政府が率先してやってきているわけですよ。

個人的には、特に70歳雇用のインパクトが大きすぎると感じますね。

たまに「会社の中に老人ホームでも作らせる気か!」なんて怒ってる経営者もいますが、ちょっと違いますね。

普通の老人ホームだったら利用料を徴収できるからまだいいんでしょうけど、企業内のソレは毎月それなりのお小遣いを渡さないといけないんですから。

賃上げどころか、どうやってそのコストをねん出するかで頭を抱えている企業は多いはず。

それで多くの企業が右往左往する中、ふってわいたようなインフレ局面が到来した、というのが今のタイミングです。

恐らく多くの日本企業にとって、それは賃上げの好機などではなく「できる限り低く据え置いて、実質賃金を下げる絶好の賃下げチャンス」なのではないでしょうか。

デフレって、実は従業員にとってすごく有利な状況なんですよ。会社は賃下げできないから。

だから政府も社会も、ツケは企業に丸投げしつつ、必要だけどめんどくさい社会保障改革とか全部先送りし続けることができたんですね。

そもそも企業がさくっと従業員の賃下げしたりスパスパ首切れたりする国だったらそんな芸当は不可能だったはず(結果、政治も真面目に課題に取り組んで“失われた30年”なんて実現してなかったでしょう……)。

ちょっと思い出してほしいんですけど、確かに失われた30年というのは停滞した一方で、少なくとも正社員の椅子に座れていた人にとっては奇妙に安定した期間だったはず。

いろんな大人のポジトークに乗せられて「なんだかデフレが諸悪の根源」みたいな気にさせられてたけど、物価高の今なんかよりずっと暮らしぶりは楽だったんじゃないですかね(笑)


【参考リンク】「今の生活に満足」51.8% 過去2番目の低さに 内閣府調査


それは企業が殴り返せなかったから。でも今後は違います。「賃上げしないですえおく」という武器を使っていくらでも殴り返せるようになるわけですよ。

政府もそれがわかっているからこその焦りなんでしょう。






以降、
サラリーマンにとってメリットのある政策を見分けるポイントとは
上がるべき人しか賃金の上がらない時代へ







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Q:「新卒採用やっても全然人が採れません」
→A:「まあ無理して新卒採らなくてもいいでしょう」



Q:「日本企業に転職して驚きましたが、これはこれで悪くないですね」
→A:「今後は2極化するはずです」







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