日野自動車の内部報告書ってどうしてバズってるの?と思ったときに読む話

今週のメルマガ前半部の紹介です。
データ偽装問題が発覚した日野自動車ですが、先日公開された調査委員会の報告書が大きな反響を呼んでいます。

【参考リンク】日野自動車の報告書が「組織の閉そく感・末期感」にじむ地獄の内容だった→「弊社かな?」の声も大量に

 
「とても他人ごととは思えない」「停滞する日本経済の象徴のようなケースだ」といった声が散見されます。

筆者自身も一読して「これは日本企業あるあるだな~」と言う印象を持ちましたね。

日野自動車社内では何が起こっているんでしょうか。そして、なぜ少なくない数のビジネスパーソンが既視感を抱いてしまうんでしょうか。いい機会なのでまとめておきましょう。


日野自動車の報告書に見る日本企業の黄昏



成長期から安定期を経て停滞期にさしかかっている日本企業は、びっくりするほど社内の雰囲気が似てくるものです。その特徴はだいたい以下の5つですね。

・成功より失敗がクローズアップされがち

日野自動車の風土は、助け合いではなく、犯人捜しと思う。責任はどこか?が最優先となる。(調査報告書 266p)


「前年比売り上げ200%目標!」みたいな分かりやすい目標が掲げられているスタートアップと違い、そういう会社にはわかりやすい目標がありません。

そりゃ経営者の頭の隅にはあるんでしょうけど、組織全体にはまったく共有されていないんです。末端の従業員に聞くと会社の決算も予算も全く知らないし興味ないですみたいな人がほとんどだったりします。

で、なぜかそういう状態になると、失敗をすることが以前の10倍くらい深刻な意味を持つようになり、組織を挙げてミスや粗さがしを行う雰囲気が醸成されるようになります。

・みんなが「見て見ぬふり」をしている課題がある

声を上げた人が自分でやらなければいけない風土がある(数年前の会社スローガンが「私がやります宣言」だった)。是正した方が良い事があっても、声を上げると自分が動かなければならなくなる為、結局、自分に影響が無い限りは敢えて指摘をしないような雰囲気になってしまう。問題点に気付いていても教えてくれる人がとても少ない。(調査報告書 265p)


ある程度大きな組織には必ず「なぜ存在しているのかわからない仕事」「誰が担当なのかわからない仕事」が必ず存在します。

みんな薄々「この仕事、意味なくない?」とか「このケース、放置しとくと後々大問題になるリスクがあるんじゃないか」とか腹の底では考えているんですけど、こういう会社ではほとんどの人(管理職も含め)が見て見ぬふりを続けています。

・部署同士の連携が悪い、というより真剣に仲が悪い

つまり、各部署は、「自工程完結」の名のもとに、自らが担当する業務のみの部分最適を追求して職責を果たしたつもりになりながら、その内実は、与えられた範囲での役割をこなしていただけで、自らの部署に余計な仕事を持ち帰らないというセクショナリズムの考えに陥っていたように思われる。

このような考えがより進んでいくと、縄張り意識から他の部署への敬意を失い、組織内での序列という内向きな価値観に固執するようになってしまう。(調査報告書 275p)


全く接点のない部署同士ならニュートラルですが、そうした会社では多少なりとも業務上の接点のある部署同士はえてして関係がよくありません。

と書くと「主導権争いや手柄の取り合いならどこだってあるぞ」と思う人もいるでしょうが、そういう前向きなものではありません。

「〇〇部門のせいで失敗した」「業績が悪いのは〇〇のせいだ」みたいな失点の押し付け合いで仲が悪いイメージです。

・管理職に人望が無い人が多い
  
部長クラスが保身(自分が責められないように)に走らなければ、もっと部下からの訴えに耳を傾ける人ならば、こうはならない。従業員は会社に呆れている。期待もしていない。どうせ言ったところで誰もなにもしてくれないと諦めている。(259p)


そして、そういう企業で匿名アンケートなんかをとると、会社の抱える課題として「管理職の適性」が必ずトップ3に入ります。

曰く「保身第一で責任を押し付けてくる」「好き嫌いでマネジメントする」「失点しなかっただけの人なので今更何もできないししようとしない」etc……

どういう基準で出世させてるんだろうと不思議になるくらいボロカスに書かれていることが多いです。

・40~50代にダークマターみたいなオジサン集団が存在する

また、従業員自身に共通する傾向として、社内の幅広い部署に「40~50代を中心としたダークマターみたいなオジサン社員が存在している」というものがあります。

“ダークマター”と言うのは筆者が名付けた呼称で、要は「なにか成果を追求するでも出世を目指すでもなく転職意欲もゼロ、かといってなにかやらかすこともなく、熱を発しないので限りなく存在を感じられないグループ」です。

恐ろしいことに会社によってはそういうダークマター層が3割を超えることもあります。
 
たぶん、ここまで読んで「うちの会社、少なくとも3つ以上は当てはまってるな~」と言う人は少なくないんじゃないでしょうか。

それくらい、よくある話なんですね。そして報告書を読むかぎり、日野自動車はその典型だと言えるでしょう。





以降、
伸びしろが無くなると、人も組織も守りに入る
組織を活性化するには、そして個人がずっと活力を維持するには






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Q:「労組専従から人事のキャリアはアリですか?」
→A:「労組のキャリアを真ん中に挟むのはアリですね」



Q:「ビジネス書との付き合い方は?」
→A:「読むべき書籍を選別できるというのは実はちょっとしたスキルなんです」





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サイバーエージェントの初任給って高いの安いのどっちなの?と思ったときに読む話

今週のメルマガ前半部の紹介です。

サイバーエージェントが初任給を42万円に引き上げるニュースが話題となっています。大卒初任給は21万円が相場なので、ほぼ相場の2倍と言っていい水準でしょう。

【参考リンク】サイバーエージェント、初任給42万円 IT以外も2割増


一方でポッと出の新人がそんな好待遇なのは面白くないのであのブドウは酸っぱいに違いないと思いたいオジサンたち人生経験豊富な先輩方の中には「残業代込みなので実はそんな大したことない」という人たちもままいます。

いい機会なので残業と人事制度の関係についてまとめておきましょう。実は残業に対するスタンスで、その企業の人事制度はあらかた予想できたりします。


高いか低いかはともかく、サイバーの初任給がオススメと言える理由


まず、基本を整理しておきますが、“固定残業代”というのは超過した分は別途支給しなければならない決まりなんですね。

だから(仕事を早く終わらせて)トクすることはあっても損することはありえません。「80時間以上は全部サービス残業させられるに違いない」と言ってる人はただの勘違いです。

そりゃ超過分はサビ残という会社も中にはあるんでしょうが、普通の上場企業ではありえないですね。

同様に「最低80時間は残業させられるに違いない!」という声もSNS上には散見されますが、それも筆者はありえないと思います。

と言うのも、90年代ならいざ知らず、いまどきホワイトカラー職の仕事で「従業員にいっぱい残業させたい=成果は時間に比例するので」と考えている会社はまずないからです。

どこの会社でも管理部門は「無駄な残業なんてしなくていいからとにかく付加価値を高めてほしい」と真剣に考えています。コンプライアンス的にも長時間残業への風当たりは厳しいものがありますし。

例えば、今、ジョブ化が大流行中ですよね?あれは実は究極の残業封じという側面もあるんですよ。
ジョブ化にせよリモートワークにせよ、事前に担当業務を切り分ける=範囲を明確化するという実務作業が発生します。

すると、その担当範囲を通常の何倍も時間かけておこなう“残業バカ”は白日の下にさらされるわけです。

「生活残業のために通常の2倍の時間かけてちんたらやりました!」

と自首するようなもんですね。そんな不届きものは

「しょうがないから残業手当はだすけど査定マイナスでボーナス3割カット、来春の昇給も無しな」
と返されることでしょう(苦笑)

「木を隠すには森の中」じゃないですけど、残業バカって大部屋に集まってみんなでわちゃわちゃ働くメンバーシップ制でしか存在が許容されないんですよね。

話を元に戻すと、ホワイトカラー職を1時間でも長く働かせたいなんて考えている会社は大手ではまずないです。

では固定残業代とは何かといえば、それは「現状の枠組みの中で最大限、柔軟で効率的な働き方を実現するためのツール」だというのが筆者の見方ですね。

理想を言えば、従業員には「君の仕事は〇〇で、報酬は月〇〇万円ね」と決めちゃって勤務時間なんて完全自由化しちゃうのがベストです。

残業手当は出さないけど、出勤時間は自由だし早く終わったら午前で退社してもOKといった具合です。

でも日本では時給管理しないといけないから、およその残業手当分をさっぴいて基本給を低く設定する→残業手当をつけて支給、という一手間をどの企業もやっています。

で、従業員は頑張って生産性を下げて残業し、元を取り返すという無駄な作業を繰り返しているわけです。ね、バカバカしいでしょ?

固定残業代というのはこの手間を省いてくれるわけです。

ちなみに固定残業代の相場は月30時間くらいですかね。そう考えると「基本給を低くして固定残業代は80時間分出す」というのはかなり変わっているとは思いますが、毎月上限を気にして働いて、超過しちゃった分を申請する手間を考えたら筆者はこっちの方がアリなのかなという気がします。

一般的に、固定残業代のある会社では、みながその枠内に収まるような働き方をするので、無駄な仕事も残業も少ない傾向がありますね。





以降、
残業に対するスタンスには企業の労働観が如実に出る
残業代という“悪魔の誘惑”






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Q:「フルリモートは定着するのでしょうか?」
→A:「週何日か出社を義務付けるというのが落としどころの気がします」



Q:「同一労働同一賃金と年功序列って両立するものなのでしょうか?」
→A:「両立する余地ゼロです」



ショートショート 「最低賃金引上げ」






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サラリーマン的に参院選ってどうだったの?と思ったときに読む話

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先日実施された参院選で、大方の予想通り与党が改選過半数を超える76議席を確保する結果となりました。自民単独で改選過半数の63に達しているので、予想以上の大勝といってもいいでしょう。

労働市場の流動化を支持する政党の議席数(自民党、維新、国民民主、あとなぜかN党も!)は152議席と大きく過半数を超えることになりました。キャリア論という観点からもメモリアルな選挙だったように思います。

【参考リンク】終身雇用やめるべきか…『日曜討論』各党の主張に議論百出

今回の選挙ではほかにもいくつか興味深い論点が明確になったような気がしますね。いい機会なのでまとめておきましょう。


なぜ有権者はリベラルを拒絶したのか


ところで筆者自身は無党派層であり、イデオロギー無しでその都度より優れた政策を持った政党に投票するようにしています(民主党に入れたことも普通にあります)。

そんな無党派な筆者から見ても、今回のリベラルの主張はあまりにもレベルが低すぎたように見えますね。

選挙前後の彼らのぼやきを並べてみればよくわかります。





彼らの主張をまとめると、こんな感じになります。

「自公政権は法人減税のために消費税を増税し、年金減額など社会保障も切り捨ててきた。おかげで大企業は今や400兆円以上の内部留保をため込んでいる。本当は消費税の引き下げで景気回復するべきなのに、今回の大勝で大増税時代が来るだろう。有権者は自らの意志で衰退する道を選んだのだ」


以下でつっこんでおきますけど、これほど中身のない主張も珍しいと思いますね(苦笑)


・自公政権は法人税減税と引き換えに消費税を増税し、おかげで大企業の内部留保は400兆円   →   デマです

はい、以前述べた通り明白なデマです。

【参考リンク】法人税が消費税に置き換えられたって本当?と思ったときに読む話


というか、千歩譲って内部留保に課税したとしてもストックへの課税で賃上げ等を賄うのはどう考えても無理があります。どんな優良企業だって数年で経営危機に陥るはずです。


・景気回復のために消費税は引き下げるべきだった → 若い世代、とりわけサラリーマンの負担が増えることになるのでダメです

高齢者の医療費負担を巡り、医師会と連合・経団連の間で延々と綱引きが行われていることは有名ですね。

医師会はお得意様の高齢者に「別に悪いところが無くてもサロンがわりに遠慮なく通ってほしい。ツケはサラリーマンに保険料という形で負担させよう」というスタンス。

一方の連合・経団連は「まずは高齢者の自己負担を上げろ。それでも増税するなら高齢者自身や自営業も負担する消費税にしろ」というスタンスです。

この状況で「とりあえず消費税減税する」のがどれだけ現役世代、とりわけサラリーマンにとってヤバイことか説明するまでも無いでしょう。

恐らく最初は「期間限定で」とかなんとかマイルドに取り繕ってねじ込んでくるはずです。でも一度下げたら二度と上げられないでしょう。天引きの保険料率は厚労省が鉛筆舐めればすぐ変えられますけど。

【参考リンク】医療改革、患者負担で対立 医師会×経団連・連合など

あ、SNS上でひたすら「消費税廃止しろ!」とか繰り返してるアカウントがいたらよく見てみてください。社会保障の“し”の字も口にしないし、仕事の話もしないし、平日昼間っから消費税廃止とか一律給付金の話ばっかしてると思います。

彼らは高確率で無職でしょう。というわけでサラリーマンはそういうのからもがっつり徴収できる消費税推しでOKです。


・次の選挙まで3年間あるので、自公政権はやりたい放題、大増税時代がくる
→  正しいですけど、誰がやってもそうなります


いつも述べているように、国の一般会計歳出のうち最大の割合を占めるのはボリュームという点でも伸びという点でも社会保障であり、その65%は高齢者向け給付です。

そしてその金額は現在の129兆円から団塊世代が後期高齢者入りする2025年にはもう20兆円ほど伸びることが確定しています。

20兆円なので消費税にすると+10%ですか。来年くらいには議論が始まるんじゃないですかね。

一時期、経団連が「消費税19%に」という提言出して叩かれてましたが、あれって根拠がない数字というわけではないんですね。「今の社会保障を維持するなら、これだけ消費税上げなかったらサラリーマン死ぬぞ」という警鐘でしょう。

政権交代ですか?立民も共産党も「高齢者の社会保障をカットする」なんて一言も言ってないので政権交代しても確実に増税はされますね。むしろ彼らは安倍総理が行った年金減額措置を批判していたから、その見直しでもっと消費税上がるんじゃないですかね。

「そんなの信じられない!」という人もいるかもしれませんが、以前「埋蔵金があるから財源は大丈夫」って言って政権取ったら速攻で消費税5→10%に引き上げることを決めた政党がありましたね(苦笑)

と、ここまで見てきて思ったんですが、彼らリベラルがやっていることというのは要するに「内部留保とか法人税のデマを駆使して、議論の矛先が『高齢者の既得権』に向かないようカバーしつつ、現状維持すなわち『緩やかな衰退』を目指す」ということに他ならないんですね。
というわけで彼らの最大の勘違いも訂正しておきましょう。


・今回の選挙で日本人は衰退を選んだ  →  いえいえ、衰退を選んだリベラルを有権者が拒絶しただけです。

TBSが昨年の衆院選で行った出口調査によれば、自民党の年代別支持は10代20代が最も多く、70代がもっとも多い共産党、立憲民主党とは明確な違いが出ています。

有権者の中でもとりわけ若い世代は、衰退を避けるべく合理的な選択を行っていると言えるでしょう。

【参考リンク】■自民党は若者に超人気! 民主党を源流とする2政党なのに人気の年齢層が全然違う?!






以降、
れいわの本質は「今だけ、金だけ、自分だけ」
明暗を分けた2つの民主党







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Q: 「入社3か月で離職すると次の転職に影響ありますか?」
→A:「そういうのが続いてればあんまり印象は良くないですね」



Q: 「『帰っていいよ』と言われたので帰ったら怒られたんですが自分が悪いんですかね?」
→A:「ムラ社会ってそういうものですよ」







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「底辺の職業ランキング」って何がどうヤバいの?と思ったときに読む話

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先日、新卒向けの就活情報サイト「就活の教科書」内のとある記事が炎上しました。

【参考リンク】就活情報サイト「底辺の職業ランキング」に批判殺到

「世の中にある仕事を勝手に底辺とかなんとかレッテル張るのはいかがなものか。っていうか自分はそんなに偉いのか」という批判は既に多くの人がしている通りなのでここでは繰り返しません。

むしろ筆者としては、記事の中身のズレっぷりが気になりましたね。結論から言うと少なくとも10年くらいはセンスが古いんですよ。

何がどうズレているのか。キャリアというものを見直すいいきっかけになると思わるので論点をまとめておきましょう。


今一番ヤバいのはホワイトカラーの中にいるこういう人


筆者は仕事柄、中途採用をやっている人事担当者や経営者、人材紹介会社の転職コンサルタント等と話しますが、そういう時に「いくら転職市場拡大中といっても、こういう人はヤバいよね」という話題によくなります。

で、それはどういう人かというとだいたいこんな感じでほぼ一致しますね。

・新卒で入社以来、一度も転職したことのない40代以上
・キャリアとは会社から与えられるものだと考えていて、当然自分では何もしていない
・ずっと会社から言われた仕事に従事、結果、一般的な事務職としてのキャリアしかない
・これといって売りになる職歴やスキルはない
・ビジネスでもプライベートでも同じ会社の人間以外と接点がまったくない

上記ポイントのうち2つ当てはまるという人は黄信号、3つ以上当てはまる人は赤信号でしょう。

他人様の仕事を勝手にランキング付けしてキャッキャしてる場合じゃないと思いますね。自分の心配したほうがいいです。


なぜ自分の心配をするべきか。それはこれから先どう転んでも、どんどん居場所が無くなることが確定だからです。

・会社がジョブ化に舵を切った場合

日本企業がジョブ化に続々と舵を切っている理由は色々ありますが、やはり「年功給の上に胡坐をかいて自分からは動こうとしない漬物石みたいな中高年をなんとかしたい」という熱い思いは各社共通です。

そう、それはまさに上記のような方々なわけです。

黒字リストラで追い出すか、年功給をはぎ取って若手と横並び再スタートさせるかは会社によりますけど、少なくとも従来と同じ居場所はもうないと考えるべきです。


・早期退職して転職市場に打って出た場合

では転職市場に打って出たらどうなるか。当たり前ですけど、上記のような方々にはなかなか採用ニーズというのはありません。

というのも、そもそも上記のような人たちは「会社が会社都合で育成してきたメンバーシップ型雇用に特化した人材」です。

でも企業の中途採用というのはほぼ例外なしにジョブ型に基づいて行われているため、マッチングしようがないわけです。

これ、意外と勘違いしている人が多いんですけど、ごりごりのメンバーシップ型企業だって中途採用では「今、組織にとって必要なスキルがあるかどうか」つまりジョブ型で判断します。

「メンバーシップ型でウン十年歯をくいしばって滅私奉公してこれたか」とか「ジョブローテ続けた結果これといって専門性は無いけど会社の幅広い部門の管理職に顔が利く点」とかで評価なんてしませんから。

「メンバーシップ型の人材育成したんだから中途もメンバーシップ型で採るのが筋だろう」と憤る小学生もいるでしょうが、社会とは常にそういうものなので諦めましょう。

でも、転職市場には上記のような方々でもウェルカムしてくれる求人もあるにはあります。たいていこんな感じのキャッチコピーがついてるところです。

「未経験者歓迎、50代以上の活躍する職場です」

でも、そういう求人には同じようなタイプが集中するため、処遇はどんどん切り下がってブラック度だけが上昇することになります。


・大丈夫!うちの会社はジョブ化とは無縁です!

ことここにいたっても年功序列でやっていこうと考えている会社は別の次元でヤバいです。10年後は存在してないと思います。


まとめると、現業系の仕事を下に見るのは10年以上古い考え方で、今本当に危ないのはメンバーシップ型で働いてきたホワイトカラー職の中にいるということです。

大卒者が大卒学歴を隠す“逆学籍詐称”問題なんて10年以上前から問題になってますからね。

【参考リンク】大阪市職員「逆」学歴詐称 「免職」でなく1ヶ月停職の理由






以降、
実は言うほど悪くない“底辺の職業”
今起きているのは「メンバーシップ秩序の崩壊」







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Q: 「NTTのテレワークロボットってどう思いますか?」
→A:「一か月くらいで使わなくなると思いますよ」



Q: 「リモートワークの有無を転職の理由として挙げるのはアリですか?」
→A:「転職活動では言いたいことはどんどん言っちゃってかまわないです」






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法人税が消費税に置き換えられたって本当?と思ったときに読む話

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参院選が近づいてきましたね(7.10投票)。

政策議論も盛り上がっているかと思いNHKの日曜討論でも見るかと思ってチャンネルを変えてみると…

議論が完全に明後日の方向に行っちゃってましたね(苦笑)

【参考リンク】自民党・高市早苗政調会長がれいわに猛撃「でたらめを公共の電波で言うのは止めて」


前回もテキストベースで軽く「共産党の主張がいろいろとおかしい点」について言及しましたが、れいわまでそこに便乗してきてもはや議論以前の問題となっている様子。

サラリーマンにとっても実は非常に重要なテーマでもあります。あとインボイスの話などもありますしね。というわけで今回はサラリーマン視点から見た参院選についてまとめておきましょう。


階級闘争という幻想


もともと左翼には階級闘争という考え方があります。すごく大雑把にいうと富裕層や財閥からとって再分配しろ、あるいはやっつけろといった考えですね。

現在ではかなり時代遅れな考えで、欧州ではそういう姿勢と決別した左派政党が普通に活動しています。たとえばスウェーデンで企業に解雇を自由に認めつつ、手厚い社会保障を導入することで経済成長と高福祉を両立させたのは社会党だったりします。

一方、わが国の左翼は相も変わらず階級闘争に固執しています。といっても日本の富裕層なんて数も資産もたかが知れているのでそこはイノベーションが必要です。

そこで共産党が考え出したアイデアが“内部留保”というわけです。「それ現金じゃないから」とか「会社を清算でもする気か?」など散々突っ込まれていますが、懲りることなく今も内部留保財源論を前面に打ち出していますね。




最近だとSNS上では「消費税は法人税を軽減するために導入されたのだ」という主張がプチバズっていますね。

この発想自体は10年以上前から使い古されているチープなロジックですけど、どうやられいわが便乗して若い世代に浸透させようとしているようです。






上記の図の最大のツッコミどころは、30年前の法人税収を唐突に持ってきて現在のそれとバッティングさせている点でしょう。

こういう図を見るときのポイントですが、何か不自然な点を感じたら必ずそこをひっくり返してみるべきです。たいていそこに「作成者の隠したい何か」が隠れているものですから。

というわけで実際の法人税収の推移を見ればあら不思議。ITバブル崩壊(2001年頃)やリーマンショック(2008年)で激しく変動しつつも、3度に及ぶ1%超の引き下げ(98年、99年年、12年)を挟んで下げ止まり、近年はむしろ上向いていることがわかります(以下「税収に関する資料」より)。

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というより、むしろ税収が下がっているのは98年の引き下げまで、法人税率が37.5%とメチャクチャ高かった時代なんですね。

なので、正しくは「法人税が高すぎて産業の空洞化が進んだため、対策として法人税が下げられた(そしてある程度は下げ止まりに成功した)」というべきです。

そういう経緯を無視し、バブル期の法人税収との比較だけで「消費税と置き換えられたのだ!」なんて言うのは確信犯的な詐欺だと思います。ヤクザが「兄ちゃん目が合ったから金払え」と恐喝するのと同じレベルの話でしょう。

まあ40歳以上のビジネスパーソンなら法人税と空洞化をめぐる議論はリアルタイムで目にしているはずなので騙される人はいないでしょうけど、若手はれいわや共産党発のデマに引っかからないよう注意しましょうね。

でも筆者は今回の討論を見ていて、色々と思うところがありましたね。だって、共産党とれいわというリベラルを代表する政党が、公共の電波で競うようにデマを流し情報弱者の囲い込みに精を上げているんですから。はっきりいって彼らがやっていることはただの貧困ビジネスでしょう。

仮に法人税を昔みたく40%台にあげたらどうなるか。企業は黒字事業をどんどん海外に出すので法人税収は激減、国内には介護とコンビニくらいしか仕事が残らないはずです。弱者の生活ははるかに厳しいものとなるでしょう。

消費税引き下げ、あるいは廃止も同じで、それは社会保険料の激増につながって現役世帯の首を絞めるだけでしょう。

「絶対実現しないから問題ない。ガス抜きとしてああいうのも必要なんだ」という人もいるんですけど、そうですかね?

たとえば維新の月6万円のベーシックインカム案みたいに実現可能なたたき台を出したうえであちこち手直ししてブラッシュアップしていくのが本当の政策議論なんじゃないですかね。

消費税ゼロとか法人税引き上げとか(聞こえはいいけど)絶対実現不可能なデマをぶちあげて議論が一歩も進まない状況を作り出して、それって誰が喜ぶんですかね?

筆者には彼ら左翼は弱者を扇動しつつ、どんどん出口の無い迷路に追い立てているようにしか見えませんけどね。



以降、
もともとインボイス推進の旗振り役だった民主党
悪いのはフリーランス?それとも野党?






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Q: 「従業員意識調査にはどういう意味があるんでしょうか?」
→A:「おそらく社内で改革派と守旧派が争っているんでしょう」



Q: 「早期退職の面談を受けるよう言われているのですが、自分は退職候補ということでしょうか?」
→A:「とりあえず肩の力を抜いて面談に臨んでください」






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