草なぎ君のニュースを見ていて、ふと全然関係ない話を思い出してしまった。
終身雇用と裸の関係だ。
日本企業には、裸を美徳とする文化というのがあって、この手の話は割と聞く。
僕自身、二回ほど現場に遭遇している。
一応言っておくが、富士通ではない。メーカーは総じて草食系なので、そういうことは
あまりしない。営業がメインの流通系、派手さが売りのメディア系などに多い気がする。
最近だと5年くらい前、バーのボックスで尻出してるヤツがいて、マスターに聞いたら
「○○商事の新人さんみたいです」と言っていたっけ。
一生懸命勉強して一流校に入り、厳しい就職戦線も勝ち抜いた挙句
部の歓迎会で象さんのペイントをして踊るなんて、なんというかすごく儚い。
象さんは極端なケースだが、似たような話はいくらでもある。
タバスコ一気飲みとか、ソックスでろ過したビール飲ませたりとか。
当然だが、対象となるのは男性の総合職だけだ。
思うに、これは余興と言うより共同体への加入儀式の一環なのだろう。
これからおまえは同じ船のメンバーだ、だから誠意を見せろ、痛みに耐えろ、羞恥にも
耐えろという具合に。
そう考えると、女性が対象に含まれないのも理解できる。
年功序列組織において、女性は準構成員の地位しか与えられないのだ。
ところで、90年代と比べると、この手の話はとんと聞かなくなったので
戦々恐々としている男子学生諸君は安心してもらって構わない。
少なくとも若年層においては一定の流動化が進み、組織と労働者は徒弟関係ではなく
対等の交渉相手という仲に近づいている。儀式を課されることは、多分もう無いだろう。
流動化で待遇が向上する好例である。
最近、親同伴で内定式を行なう企業が話題になり、「新人が幼稚になった」なんて
声も聞く。少子化だし、確かにそういう面もあるかもしれない。
でも、いい年した大人が象さんやったり、タバスコ飲んでゲホゲホやっている方が
とても幼稚だと思うので、個人的には今のほうがいい時代だなと感じている。