維新って弱者の味方なの?と思ったときに読む話

今週のメルマガ前半部の紹介です。
先日、ある調査結果が発表され、一部で話題となりました。

【参考リンク】「維新の会は『経済的弱者の味方』」…? 有権者の「政党イメージ」を調査して見えた驚きの結果


要旨:全政党中「経済的弱者の味方」「一般人の感覚に近い」でトップをとったのは維新の会で、自民、立憲民主、国民民主、そしてれいわといった他党の支持者の間でも「維新は経済的弱者の味方である」という認識はしっかり共有されていることがわかった。

なんだ、みんなよくわかってるじゃん(笑) でも、そういう認識の人はまだまだ少数派だろうなと思ってましたから純粋にサプライズでしたね。

なぜ維新は「経済的弱者」の味方たりえるのか。そして日本の本当の課題とはなんなのか。いい機会なのでまとめておきましょう!


持たざる人が維新を支持するのは実は合理的


日本には、色々な分野に業界団体が存在し、官僚が規制を通じて彼らの既得権を保護したり、指導に従わせるという特徴がみられます。行政裁量と言われるものですね。

農協や医師会などが有名ですが、サラリーマンも企業という入れ物を通じて、このシステムにしっかり連結されています。

筆者はこの特定の団体を通じた緩やかなコントロールシステムのことを“日本型システム”と呼んでいます。

メリットとしては、企業に雇用という形で社会保障を丸抱えさせることで、政府としてはずいぶんと安上がりに社会を安定させることができます。

記憶に新しいところでは、コロナ禍に際して、政府は各種の助成金をばらまいて企業に既存の雇用を維持させてましたけど、あれなんてまさに日本型システムを通じたコントロールの典型ですね。

(もともと終身雇用で賃金を低く抑えさせていたことにくわえ)助成金をばらまくことにより、他国の失業率が二桁に跳ね上がる中、日本のそれはずっと3%前後と安定しています。

「給料は上がらないけど、安定しているからこれはこれでいいんじゃないか」と思う人もいるでしょう。でも、この日本型システムでは報われない人も存在します。以下のような人たちが典型です。


・非正規雇用労働者

当たり前の話ですが、みんなを正社員にして終身雇用の枠組みで保護するなんて不可能です。不況時には誰かが身代わりに使い捨てになってくれないと困ります。
「企業は正社員を整理解雇する前にます非正規雇用を解雇すべし」という有名な判例もありますね。

・シングルマザー

終身雇用制度というのは、一言でいえば社会保障機能を民間企業に丸投げすることです。すると、当然ですけど企業はその負担の少なそうな人材だけを選んで採用しようとします。
若くて体力のある男性が理想ですね。シングルマザーはその対極であり、多くの日本企業が採用対象からは意図的に排除しています。

・中小零細企業の正社員

そして同じ正社員でも終身雇用を丸抱えする余裕のない中小・零細企業の正社員はやはり報われません。

残業や転勤させ放題といったメンバーシップ型の働き方はさせられる一方で、会社都合でばんばんクビも切られるし会社も簡単にとびますから。

でもセーフティネットを整備する義務は政府にはありません。悪いのは「終身雇用を提供できない会社」であり、そういう会社に就職した本人の自己責任だからです。

ではこうした経済的弱者はだれに投票すべきなんでしょうか。自民党でしょうか。自民党はまさに日本型システムを作り上げ運用してきた当事者なので期待薄でしょう。

では立憲民主党?勘違いしてる人が多いんですが、立民というのは連合という「日本型システムの恩恵の最大享受者」を支持母体としています。

一応リベラルという立ち位置なので仕方なく“格差是正”とか口にはしますが、既存制度の枠の中にいる人たちのこと以外は基本的に無関心。いざとなれば鬼の形相でえげつないほどの弱者切り捨てを敢行します。

「公務員人件費を2割カットいたします」といって政権取ったら新規採用を5割カットした実績は伊達じゃありません。

【参考リンク】国家公務員採用半減の方針 若者にしわ寄せに怒りの声





では共産党はどうでしょう。「大企業の内部留保に課税しろ」とかそれらしいこと言ってはいますが、彼らは終身雇用も正社員制度も見直しは一切主張していません。

むしろ有期雇用の上限強化などで正規雇用の既得権をガッチガチに強化するスタンスですね(上限が短くなることで付加価値の低い作業だけが非正規雇用に集中するので)。

共産党と日弁連が推進した有期雇用の上限ルール強化がむしろ有期雇用労働者を不安定化させた事実は風化させるべきではないでしょう。

【参考リンク】なぜ理研は600人もの研究職を雇い止めするのか


要するに既存政党のほとんどは程度の違いこそあれ、基本的に終身雇用という日本型システムの枠内で考え、その中でしか行動しない人達なんですね。

現行のシステムから漏れた人が支持するメリットなんてほぼゼロだと思いますね。特に、そうした人たちがリベラル政党を支持するのは「肉屋を支持する豚さん」になるようなものでしょう(むろん与党を支持するメリットもゼロですが)。

ただし、近年は一つだけ、日本型システム自体の見直しをマニフェストに掲げる政党が登場しています。そう、維新の会ですね。

先の衆院選のマニフェストにもきっちりと「解雇規制の緩和による労働市場の流動化と、雇用形態によらないセーフティネットの整備」を明記しています。

わかりやすく言い換えれば「雇用とセーフティネットを切り離したうえで、後者は誰でも使えるようにしますよ」ということです。

実現できるかはともかくとして、いま「正社員の枠に入れていない人」にとって、唯一の解決策だと言えるでしょう。

同様の政策は、かつてみんなの党が取り上げていたこともありましたが、メイン扱いではなかったですね。自民党も第2次安倍政権の出だしのころにちっちゃく取り上げてましたがすぐ消えた記憶があります。

それらに比べると、主要政策の一つとして取り上げているのは立派だと筆者も思いますね。というわけで「維新が経済的弱者の味方だ」という見方には、一定の合理性があるということになります。

確かに一部の人が言うように「維新はアピール上手だからだ」というのもあるでしょう。でも、無党派層と違い明確な支持政党がある(つまり政策内容の違いをある程度は理解しているはずの)人達からも「維新は経済的弱者に優しい」と認識されているという事実は無視すべきではないと思いますね。

特に、リベラルの代表でありながら「弱者の味方になってくれる」「一般人の感覚に近い」でそれぞれ維新にダブルスコアで惨敗している某党は真剣に立ち位置を見直すべきでしょう。

あんたら「公務員と大企業正社員のことしか頭にない」って、完全に有権者に足元見られちゃってますよ(苦笑)





以降、
各政党の大まかな支持層
サラリーマンが注目すべきはここ!







※詳細はメルマガにて(夜間飛行)







Q: 「年齢で一律に区切るやり方は中高年のモチベーションにマイナスでは?」
→A:「終身雇用だからこそ、人為的な節目が必要とされるのです」



Q: 「転勤は悪」という風潮に一言いいたい」
→A:「断れる人は断り、断れない人は断れないというだけの話です」







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10年後、日本の雇用環境はどうなってるの?と思ったときに読む話

先日、SNSで10年ぶりに懐かしい声を見かけました。




10年前にピックアップしてあげたんですけど、懲りずに同じこと続けてるんですね(笑)

【参考リンク】日本の正社員をクビにするのは世界で一番難しい


【要約】本丸の「正社員の解雇の難しさ」指標を除外したデータのつまみぐいで日本の雇用規制が低いように見せかけてるだけ。


ちなみに現在このランキングからは問題の「解雇の難しさ」が既に抜けて告知期間とか補償額といった「解雇にかかわる諸手続きの手厚さ」に変わっているので解雇規制とは無関係です。
「解雇の難しさ」とは無関係なデータをわざわざ持ってきて弱者を出口の無い迷路に誘導し続けてるわけで、人間性って10年たっても成長しないもんですね(苦笑)※1


とはいえ、そういう声を信じたい人はどうぞ信じちゃってください。と言うのも個人がどう生きるかはあくまで自己責任だから。社会はもう「ポスト終身雇用」に向けて動き出しています。

「そうじゃない道がいい」と言う人はそっちに行けばいいんじゃないでしょうか。その代わり、この先何が起きても自己責任ですけどね。

というわけで、キャリアをどうデザインしていくか、いや、これからどう生きていくのかについて考えるいい機会だと思うので、今起きている変化や次のステージについてまとめておきましょう。


労働者も企業も、終身雇用・年功序列にNOを突き付けはじめた


「世界でほとんど唯一、日本の賃金だけが30年間ほぼ横ばいである」という事実は大きな反響を呼びましたが、その原因が終身雇用・年功序列制度にあるというコンセンサスはちょっと前から既に社会に織り込まれつつあります。

たとえば、東大・京大生の就職人気ランキングでは、最も選択の幅の広い6月段階ではほぼ毎年外資が上位を独占する状態が続いています。

【参考リンク】6月速報:東大京大23卒就活人気ランキング


(外資の方が選考が早いので)時期が下るにつれ日系大手が増えていくんですが、初期段階では優秀層はみんな外資を向いているということです。

当然ですね。彼らは終身雇用でリスクを低く抑えるよりもリターンを追求する方がトクだからです。

数年前にNTTの研究職の3割がGAFAに流出しているというインタビューが話題となりましたが、これも同じ構図ですね。「クビにしないから!定年まで雇ってあげるから!」というのは優秀層にとって「=低賃金で我慢」ということを意味し、メリットどころかデメリットでしかないわけです。※2

【参考リンク】NTT、対GAFAへ処遇改革


もちろん、それでも終身雇用Love!な人材はいっぱいやってきます。どんな人かと言うとこんな人達です。

「自分は稼げる自信ないんで終身雇用で十分です。やりたいことは特にありません」

はい、こういう人達だけでグローバルにやっていくのはどう考えても無理があります(苦笑)

ではどうするか。年功ではなく現在の働きに応じて処遇を払うわけです。働かない人の年功賃金は引き下げる一方で、出来る人には勤続年数関係なしで相応しい額を払うしかありません。

そう、それがまさにジョブ型というわけです。

経団連もジョブ型の必要性を明言し、既に多くの大手企業がジョブ型への移行を表明しています。

【参考リンク】経団連、ジョブ型雇用「検討必要」 春季交渉方針

今回の報告では、年功型賃金について「転職等の労働移動を抑制」「若年社員の早期離職の要因の1つ」と指摘したのも特徴だ。新卒一括採用、終身雇用など日本型雇用システムの見直しを一層加速させる必要があるとした。



要するに、選択肢のある若い世代と、彼らを取り込もうとする企業は、遅ればせながら終身雇用・年功序列という古い上着を脱ぎ捨てつつあるわけです。

10年前をジョブの時代ステージ1とするなら、筆者からすると今はもうステージ4か5くらいの感覚ですね。終身雇用バンザイ識者ももう完全に絶滅した感あります。

もう議論の中心は新たな世界=ジョブの価値観の中でいかに勝ち上がるか、どうそれを消化吸収していくかという点ですね。古い仕組みもしばらくは残るんでしょうけど、泥船といっていいでしょう。

さて、冒頭の「終身雇用は悪くない」派の人たちは、ちょっと冷静にこの10年間を振り返ってみてください。なにかいいことありました?たぶんいいことなんて何もなく、相対的にどんどん落ちていく一方じゃないでしょうか。

全労連系の主張でいうと、他には「内部留保で賃上げさせろ」とか「輸出還付金は大企業優遇なので召し上げろ」とかですか。はぁ。

まあなんというか、何年続けたところでなんにもいいこと無さそうですね。

この先10年も落ち続けるか。それとも新たな時代で勝負するか。一度しかない人生、そろそろ身の振り方を考える時期なんじゃないでしょうか。




※1「解雇の難しさ」は2008年時点で日本は加盟国中第一位で、ご存じの通りその後わが国で解雇規制緩和なんてされてないので、もしその後も指標があったならトップレベルの解雇困難さなのは変わらないと思われる。


※2 フォローしておくとGAFAの草刈り場になっているNTTは今でも国内トップレベルの新卒採用を維持できていると思われる。「ウチは人材流出なんて起きてないぞ」という会社は単に優秀層が採れてないだけだろう。




以降、
次のステージでは“脱・時間”がテーマに
10年後、日本はステージ10とステージ1の混在する社会へ







※詳細はメルマガにて(夜間飛行)






Q: 「事務系は中途採用の方がマッチしているのでは?」
→A:「事務系はいずれ中途採用がメインになる気がします」



Q: 「20代で転職5社目は多すぎますか?」
→A:「多すぎるという会社はスルーしてOKでしょう」






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「新卒全員職種別採用」なんて本当にできるの?と思ったときに読む話

今週のメルマガ前半部の紹介です。
先日、大手電機のパナソニックが2023年卒予定者より新卒採用を全員職種別採用にするとリリースし、新卒採用市場に激震が走っています。


【参考リンク】パナソニック、事業会社別に採用


筆者も驚きましたね。ふつうこうした方針の大転換って、今から関係各所と協議、調整しつつ、まあ最速で2024年卒、普通に考えれば2025年卒からというのが相場でしょう。

それが2023年卒からとは、非常にピリピリした緊張感を感じてしまいます。それだけ劇的な変化がリアルタイムで進行中だということでしょう。

新卒一括採用をぜんぶ職種別採用に切り替えたら何が起こるんでしょうか。そもそも、それは実現可能なんでしょうか。キャリアというものを考えるいい機会なのでまとめておきましょう。


「なんの職種に応募するか決めろ」と言われても困る学生が過半数


採用数が少ないと実質的に職種別採用みたいなものなので問題ないんですが、配属先が事務系から技術系まで多岐にわたり、しかも採用担当が採用業務に特化している大手だと、担当者は常にあるジレンマを抱えているものです。

「自分の行っている採用って、本当に必要な人材を選べているんだろうか」

そういう採用担当者にとって、職種別採用というのはある種の理想なんですね。誰でも一度はやってみたいと考えたことがあるはずです。

でも、同時に彼らはその限界もよく理解していることでしょう。

たとえば就活中の学生を100人集めた場合。

1.「自分の希望する職種が既に決まっており、かつ、そのために勉強やインターン等である程度のリソースを費やしている人材」

は、せいぜい10%くらいでしょう。

2.「希望する職種は〇〇です、とイメージで言うものの、それを選んだ理由が自分でもよくわかってない人、あるいはその職に就くために特になにもしていない人」

というのは、4割くらいいるはずです(ひょっとすると面接で問われて初めて頭に浮かんだ意見かもしれません)。

3.「本音ではなりたい職種ははっきりはわかりません」

という人達が半分くらいというのが正直なところでしょう。

別に日本の若者がぼんやりしているというつもりはありません。長年にわたり日本企業自身が新卒一括採用を行ってきた結果、そうなってしまっただけの話ですから。

20年前だったら「〇〇をやりたいです」なんて強く主張する学生は正直煙たがられてましたからね。

なんて書くと「最近はインターンも充実し、学生の意識もずいぶん変わったんじゃないの?」と思う人もいるでしょう。

確かに徐々に変わってきているのは事実ですが、現実問題としてそういう目的意識のはっきりした人は一括採用中心の大手にはあまりいかないので、採用する側から見て上記の割合は変わらない印象ですね。※

では、ここで急転直下、「当社は今後、新卒採用は全員職種別採用で行きます」と宣言するとどうなるでしょうか。

1番のグループは「待ってました!」と奮い立つことでしょう。2番は人によるでしょうね。でも間違いなく3番はひくと思います。「やりたいこともわかってないような奴はうちには来るな」と言われるようなものですから。

もちろん1番2番のグループは増える可能性はあります。でも元々の数を考えると、とても全体をカバーするほどではないだろうなという印象ですね。

恐らく今回の発表、トップダウンで決まったことでしょうけど、現場は相当頭を抱えているんじゃないでしょうか。



※逆に言うと、そうした人材をもっと集められるようになるというのが職種別採用にシフトする大きなメリットです。





以降、
人事が職種別採用をやりたがらないワケ
今後予想される職種別採用の流れ






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Q: 「現状からプラスアルファでキャリアを積みますには?」
→A:「やりようによってはすごく楽しいステージになるでしょう」



Q: 「管理職にならずに報酬を上げる方法はありますか?」
→A:「ジョブが一巡するまで待ちましょう」






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反ワクとプーチン擁護ってどうしてかぶってるの?と思ったときに読む話

今週のメルマガ前半部の紹介です。
ネット、とりわけSNS上というのは本当にいろんな陰謀論であふれかえっていますよね。

陰謀論といえばトランプを信奉するQアノングループが有名ですが、最近だと「ウクライナはネオナチ、それと戦うロシア軍は正義の味方」といったロシア擁護の陰謀論まで登場しています。

そんな中で、ネットで公開されたある調査結果が波紋をよんでいます。

【参考リンク】ツイッター上でウクライナ政府をネオナチ政権だと拡散しているのは誰か

「ウクライナ政府はネオナチ」という情報を拡散したアカウントの87.8%が反ワクチン関連ツイートを拡散していました。



恐らく、多くの人は「なんだか出所のよくわからない陰謀論って、主張してる人がかぶってるよな」という印象はあったと思います。その一端が数字でばっちり示されたわけです。

なぜ、あやしげな言説を信じちゃう人は一つで満足せずにあれこれ手を出しちゃうんでしょうか。実はキャリアとも密接に関係するテーマだったりします。

というわけで、今回はキャリアという観点から見た陰謀論についてまとめておきましょう。


誰もがエリートを超越できる、それが陰謀ワールド


筆者は仕事柄といってはなんですけど人間観察が大好きで、SNSではどんなバカでも一人もブロックせずニヤニヤしながら観察しています。

また頭の悪い人と同じくらい頭のおかしい人にも興味があるので、定期的に各陰謀論者もウォッチしています。

で、結論を言うと、そういう人達というのは実際に複数の陰謀論をはしごしてる人がすごく多いです。

イメージとしては、それぞれのイシューで判断しているのではなく、どうも人間というのは頭のどこかに陰謀モードのスイッチがあって、一度それがオンになってしまうと以後すべてのイシューで陰謀モードオンになっちゃうような印象ですね。

党首が反ワクでMMT論者で国会のロシア非難決議にも唯一反対したれいわ周辺なんて、それこそ陰謀脳の巣窟みたいになってます。

そうそう、つい先日もれいわ界隈から痛い珍獣が一本釣りされて話題になりました。

【参考リンク】れいわ新選組ブレーン「ロシア軍に大阪から上陸して欲しいな。喜んでしまうわ」「民間人の殺戮を行ってるのはウクライナ軍」


一読しただけでいろんな陰謀論とかトンデモ論をこじらせちゃってるのがわかると思います(苦笑) なんで彼らは“かぶる”んでしょうか。筆者は、カギはSNSにあると見ています。

SNS上にはほとんど無限ともいえる情報が漂流しています。たとえば、ロシアが一方的にウクライナに侵攻したというニュースならテレビや新聞でいくらでも報じられていますけど、逆に「ウクライナ政府による親露派住民迫害を止めるためにロシアが介入した」という言説も、SNS上からは自分で選び取ることが可能です。

ワクチン接種で重症化は明白に抑制されているという事実は政府も認め、大手メディアも報じている事実ではありますが、やはりSNSからは全く逆の“事実”を抜き出すことが可能です。

政治以外でも、たとえば日本の経済政策などでも、経済メディアで識者が解説しているのとは全く異質の“提言”を拾い集めることもできます。

要するに、一次情報を精査して編集してくれるニュースと違い、SNSからは自分の耳にとって心地よい自分好みの“ニュース”をいくらでも作成できちゃうんですね。

さらに言えば、それはある種の人たちにとって陶酔感をともなうほどの疑似的な成功体験をあたえてくれます。

「専門家やメディアはバカばかりだが、自分は本当のことをわかっている」

陰謀モードのスイッチをオンにし、陰謀論に身を任せた瞬間、本人は既存の社会秩序すべてを超越した存在になれるのです。

むろん、普通の良識ある社会人なら「んなわけねーじゃん(笑)」で一笑する話でしょう。でもリアルで成功体験に乏しい人、あるいはファクトと願望の区別がつかない人にとっては、それは一度味わうと病みつきになるほどの快楽なんです。

こうして、本人は色々な常識を超越し続け、気が付けば我々の住まう世界とは全く別の世界線に到達していることになります。

グローバルな超巨大資本が情報操作により世界をワクチン漬けにし、ネオナチ化したウクライナをけしかけ戦火を引き起こそうとしている。プーチンとロシア軍はそれに立ち向かう正義の味方だ。あと、自国通貨建てのロシア国債は絶対デフォルトしないから日本もいっぱい国債発行して金を山分けしよう……etc

文字にするだけで頭がくらくらするほど奇怪な世界観ですね。でも彼らの世界観というのはそっくりそのまま、彼ら自身の心の内面もあらわしています。

その世界観が奇怪であればあるほど、それだけ巨大な空虚さ、疎外感といったものを抱え込んでいるんだろうなという気がしますね。






以降、
SNSにのまれてしまう人の残念な共通点
SNSの海におけるアンカーとは








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Q: 「地方移住してリモート勤務希望なのですが……」
→A:「現職のままお試しするプランBも考えてはどうでしょう」



Q: 「大手で職種別採用なんて本当に実現可能なんですかね?」
→A:「まあ無茶苦茶しんどいのは事実でしょうね(苦笑)」







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フジテレビってどうして功労者をリストラするの?と思ったときに読む話

今週のメルマガ前半部の紹介です。
以前からその高額な割増退職金(一説に1億5千万円とも!)で話題となっていたフジテレビの早期退職募集ですが、有名アナウンサーや往年の功労者も対象に含まれていることが判明し波紋を呼んでいます。

【参考リンク】フジ早期退職に応募したアナウンサー男女7人実名 福原直英アナの名前も


とりわけフジ競馬実況の顔的存在である福原アナの独立は競馬ファンを動揺させているようで、SMS上では「もうフジは見ない!」といった怒りの声も散見されます。

筆者自身も今回のメンツにはちょっと驚きましたね。普通、早期退職制度というのはスポットライトの当たるポジションにいる人間ほど引き止められ、出ていくのは目立たない中高年ばかりというのが相場でしたから。

恐らく、フジテレビの実施したものはそもそもリストラではなかったんだと思います。

ではフジテレビの早期退職の狙いとは何だったんでしょうか。すべてのビジネスパーソンの今後にかかわる重要なテーマですので、今回は本件について取り上げたいと思います。


早期退職には2パターン+αあり


早期退職と言えば、2000年代に電機各社とグループ企業が実施したものを思い浮かべる人が少なくないはず。事前に会社側で「辞めさせるべき人」「残すべき人」「どっちでもいい人」をセレクションした上で、面談によって誘導するというアレですね。

同じ従業員であっても「面談は終始和気あいあいとしたものだった」という人から「すごい圧迫面談されたよ」という人まで幅広く存在するので、やればやるほど組織内が疑心暗鬼に包まれるというオマケ付きです。

そうなる原因ですが、単純に経営の悪化に伴うコストカットが目的なので、企業の側に余裕が無いというのが理由ですね。

あと、このパターンだとたいてい人事部門に「全体で〇〇人辞めさせる」とか「面談で〇人誘導する」みたいな目標が課せられているので、人事の人間も顔に死相が浮かんでる人が多いですね。それくらい大変な作業なんです。

一方、数年前から大手を中心に大流行中の“黒字リストラ”は、同じ早期退職募集でもずいぶん雰囲気はライトなものです。

「中高年を減らして組織をスマートにしたい」というゆるい動機はあれど、余裕のある時期に行うものなので誘導も追い込みもありません(面談もやらない企業が多い)。むろん管理部門にノルマもありません。

早期退職募集というと、この2パターンにわかれますね。

でも、筆者は最近、もう一種類ほど早期退職の新パターンが今後出てくるのでは?と考え始めています。余裕のある黒字下で行われるので黒字リストラの亜種ではあるんですが、狙いが違うんです。

それは「従業員自身に選択肢を与え、より充実した人生を選択させる」ことなんです。

なんて書くと「そんなNPOみたいなこと考えてる企業なんてあるのか」と思う人も多いでしょうが、実は個々の従業員に常にキャリアの前向きな展望を見せておくことは、人事制度の肝なんですね。

なぜなら「将来もっと昇給するし、出世もできる」という信頼感があるからこそ、人は頑張れるわけです。もうこれ以上の上がり目が無いと思えば誰も頑張らず、『やらない理由』を探すだけになりますから。

ただ多くの日本企業では、年功序列という制度上、45歳以上の従業員にそうしたビジョンを見せることが出来なくなっています。部長ポストから役員レースへ!みたいな人も一握りはいますけど、ほとんどの人は部長職手前で打ち止めですしね。

でも、きっと誰の頭の中にも、何かしらの明るい展望は存在しているはずなんです。

故郷にUターン就職して街おこしに尽力したい、就活の時には不況であきらめた業界に今こそ再挑戦してみたい……etc

筆者はそれを、よく“ストーリー”という言い方で表現しています。
むろん、これまで培ったスキルや人脈をベースに、独立してさらなる高みを目指すのもアリです。でもまったく異分野での挑戦ストーリーを思い描けている人もいるでしょう。

【参考リンク】日本テレビの桝太一アナ、3月末で退社し大学研究員に転身


ここで重要なのは、そうした“ストーリー”はあくまで本人しか把握していないということですね。会社にできるのは「十分な退職金を用意して、そうしたストーリーのある従業員にそれを実現させるサポートをすること」なんです。

ちなみに、早期退職に伴う割増退職金には、65歳まで雇用を保証するために会社がこれまで貯め込んできたお金という意味もあります。

それを退職金に上乗せて支払うので、やりたいことがある人は自由に挑戦してくださいね、というのは、筆者にはリストラというよりも、個人の尊厳に最大限配慮した施策のように感じられますね。

逆に、会社都合で健康寿命ギリギリの70歳くらいまで薄給で引っ張りまわすような働かせ方をする会社や、そういうのがいいっていう労組って、人の人生を何だと思ってるんですかね。筆者には人間性を全否定してるようにしか見えませんけど(苦笑)

そうそう、件の福原氏は既に次のストーリーに向けて新たな一歩を踏み出しつつあるようです。競馬ファンもとりあえずは今後を見守ってみてはどうでしょうか。

【参考リンク】フジテレビ・福原直英アナ独立~武豊事務所と業務提携へ




以降、
皆で同じ夢を見ることが難しくなった日本企業
40代以降に「自分のストーリー」を実現することが日本人のゴールとなりつつある







※詳細はメルマガにて(夜間飛行)








Q: 「グループの賃下げは中途採用面接でオファーされた年俸にも適用されるか?」
→A:「もし影響あるとしても事前に教えてくれるでしょう」



Q: 「管理職昇進を断るとどれくらいマズいですかね?」
→A:「最近はそこまで気にしなくてもいいと思いますが、あえて言うなら……」







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城繁幸
コンサルタント及び執筆。 仕事紹介と日々の雑感。 個別の連絡は以下まで。
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